JPH0641929B2 - イオンセンサ− - Google Patents

イオンセンサ−

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JPH0641929B2
JPH0641929B2 JP61120564A JP12056486A JPH0641929B2 JP H0641929 B2 JPH0641929 B2 JP H0641929B2 JP 61120564 A JP61120564 A JP 61120564A JP 12056486 A JP12056486 A JP 12056486A JP H0641929 B2 JPH0641929 B2 JP H0641929B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I.発明の背景 (産業上の利用分野) 本発明は、電極電位応答イオンセンサー、更に詳細に
は、内部(標準)溶液を有しない固体型のイオンセンサ
ーでより好ましくは生体中での測定も可能なイオンセン
サーに関する。
(従来の技術及びその問題点) 従来、溶液中のイオン濃度を電極電位応答で測定し、固
体型で小型化が可能なイオンセンサーとして、導電性基
体に酸化還元膜を被着し、さらにイオンキャリヤー膜を
被着した電極電位応答性のイオンセンサーがある。
しかしながら、導電性基体/酸化還元膜/イオン選択性
膜からなる電極であったため、酸化還元膜組成物のイオ
ン選択性膜中への溶解またはイオン選択膜組成物の酸化
還元膜中への溶解のため電極のイオン特性が(特に感度
が)1ケ月を経過するころから低下してくるという欠点
があった。
II.発明の目的 従って本発明は、酸化還元機能層を構成する物質とイオ
ン選択性層を構成する物質の相互の溶解溶出が生じな
い、イオン特性が長期間安定した、妨害イオンに対する
選択性が高く、イオン応答速度が速いイオンセンサーを
提供することを目的とする。
上記目的は、イオン感応部を備え、溶液中のイオン濃度
を電極電位応答で測定するイオンセンサーにおいて、前
記イオン感応部は、導電性基体と、該導電性基体の表面
を覆う酸化還元機能層と、該酸化還元機能層の表面を覆
う隔壁層と、該隔壁層の表面を覆うイオン選択性層とを
備え、前記隔壁層は該イオン選択性層および前記酸化還
元機能層との間でそれぞれの層を構成する物質の移動を
妨げかつイオンとの接触により該イオン選択性層に生じ
る電位差を該イオン選択性層から酸化還元機能層へ伝達
する機能を有することを特徴とするイオンセンサーによ
り達成される。さらに上記目的は隔壁層の厚さ0.2μm
〜1.0mmである上記イオンセンサーにより達成される。
III.発明の具体的説明 以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
本発明の特徴は、第1図及び第1表,第2表を参照する
ことにより一層明瞭に理解できる。
第1図は本発明に係わるイオンセンサーの一実施例の構
成図である。導電性基体1(直径1.1mm×長さ3.0mm)の
底面1aにテフロン被覆銅線(0.2mmφ)のリード線2が導
電性接着剤8で固定され、更に導電性基体1は1.5mm露
出するように熱収縮チューブ4で外周を被覆絶縁されて
いる。更に露出された導電性基体1の先端部は半球状に
研磨され、露出部の表面積が0.064cm2(平均)になるよ
うに調整され、電解酸化重合により、導電性基体1の露
出面上に酸化還元機能層5が形成されている。
本発明のイオンセンサーに使用される導電性基体1とし
ては、例えばベーサル・プレーン・ピロリティック・グ
ラファイト(basal plane pyrolytic graphite;以下B
PGという)、グラッシーカーボン等の導電性炭素材
料;金,白金,銅,銀,パラジウム,ニッケル,鉄等の
金属、特に貴金属又はこれらの金属の表面に酸化インジ
ウム,酸化スズ等の半導体を被覆したものが挙げられ
る。就中、導電性炭素材料が好ましく、BPGが特に好
ましく、形状としては円柱状が好ましい。
また、酸化還元機能を有する層5(以下、酸化還元機能
層ということがある)とは、これを導電性基体表面に被
着してなる電極が酸化還元反応によって導電性基体に一
定電位を発生しうるものであり、本発明においては特に
酸素ガス分圧によって電位が変動しないものが好まし
い。斯かる酸化還元機能層5としては、例えばキノン
−ヒドロキノン型の酸化還元反応を行うことができる有
機化合物層若しくは高分子層、アミン−キノイド型の
酸化還元反応を行うことができる有機化合物層若しくは
高分子層等が好適なものとして挙げられる。なお、ここ
でキノン−ヒドロキノン型の酸化還元反応とは、重合体
の場合を例にとれば、例えば次の反応式で表されるもの
をいう。
(式中、R1,R2は例えば芳香族含有構造の化合物を示
す) また、アミン−キノイド型の酸化還元反応とは、前記同
様重合体の場合を例にとれば、例えば次の反応式で表さ
れるものをいう。
(式中、R3,R4)は例えば芳香族含有構造の化合物を
示す) このような酸化還元機能を有する層5を形成しうる化合
物としては、例えば次の(a)〜(c)の化合物が挙げられ
る。
(a) (式中、Ar1は芳香核、各R5は置換基、m2は1ない
しAr1の有効原子価数、n2は0ないしAr1の有効原
子価数−1を示す) で表されるヒドロキシ芳香族化合物。Ar1の芳香核
は、例えばベンゼン核のように単環のものであっても、
アントラセン核、ピレン核、クリセン核、ペリレン核、
コロネン核等のように多環のものであってもよく、また
ベンゼン骨核のみならず複素環骨核のものであってもよ
い。置換基R5としては、例えばメチル基等のアルキル
基,フェニル基等のアリール基,およびハロゲン原子等
が挙げられる。具体的には、例えばジメチルフェノー
ル、フェノール、ヒドロキシピリジン、o−またはm−
ベンジルアルコール、o−、m−またはp−ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、o−またはm−ヒドロキシアセトフ
ェノン、o−、m−またはp−ヒドロキシプロピオフェ
ノン、o−、m−またはpヒドロキシベンゾフェノン、
o−、m−またはp−カルボキシフェノール、ジフェニ
ルフェノール、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、
5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、4−(p−ヒド
ロキシフェニル)2−ブタノン、1,5−ジヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、ビスフェノール
A、サリチルアニリド、5−ヒドロキシキノリン、8−
ヒドロキシキノリン、1,8−ジヒドロキシアントラキノ
ン、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられ
る。これらの中では、とくにジメチルフェノールが好ま
しい。
(b)次式 (式中、Ar2は芳香核、各R6は置換基、m3は1ない
しAr2の有効原子価数、n3は0ないしAr2の有効原
子価数−1を示す) で表されるアミノ芳香族化合物。
Ar2の芳香核、置換基R6としては化合物(a)における
Ar1、置換基R5と夫々同様のものが使用される。アミ
ノ芳香族化合物の具体例を挙げると、アニリン、1,2−
ジアミノベンゼン、アミノピレン、ジアミノピレン、ア
ミノクリセン、ジアミノクリセン、1−アミノフェナン
トレン、9−アミノフェナントレン、9,10−ジアミノフ
ェナントレン、1−アミノアントラキノン、p−フェノ
キシアニリン、o−フェニレンジアミン、p−クロロア
ニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,6−トリクロロア
ニリン、N−メチルアニリン、N−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン等である。
(c)1,6−ピレンキノン、1,2,5,8−テトラヒドロキシナ
リザリン、フェナントレンキノン、1−アミノアントラ
キノン、プルプリン、1−アミノ−4−ヒドロキシアン
トラキノン、アントラルフィン等のキノン類。
これらの化合物のうち、特に2、6−キシレノール、1−
アミノピレンが好ましい。
更に、実施例に係る酸化還元機能層5を形成しうる化合
物としては、 (d)ポリ(N−メチルアニリン)〔大貫,松田,小山、
日本化学会誌、1801-1809(1984)〕、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(o−フェニレ
ンジアミン)、ポリ(フェノール)、ポリ2,6キシレノ
ール;ピラゾロキノン系ビニルモノマーの重合体、イソ
アロキサジン系ビニルモノマーの重合体等のキノン系ビ
ニルポリマー縮重合化合物のような(a)〜(c)の化合物を
含有する有機化合物、(a)〜(c)の化合物の低重合度高分
子化合物(オリゴマー)、あるいは(a)〜(c)をポリビニ
ル化合物,ポリアミド化合物等の高分子化合物に固定し
たもの等の当該酸化還元反応性を有するものが挙げられ
る。これらの中ではとくにポリ(2,6キシレノール)が
好ましい。なお、本明細書において、重合体という語は
単独重合体及び共重合体等の相互重合体の双方を含む。
叙上の酸化還元機能層5を形成しうる化合物が導電性基
体1の表面に被着されるためには、アミノ芳香族化合
物,ヒドロキシ芳香族化合物等を電解酸化重合法または
電解析出法によって基体表面上で直接重合させる方法、
あるいは電子線照射,光,熱などの適用によって、予め
合成された重合体を溶媒に溶かし、この溶液中に浸漬・
塗布および乾燥により基体表面に固定する方法、更には
重合体膜を化学的処理,物理的処理もしくは照射処理に
よって基体表面に直接固定する方法を採ることができ
る。これらの方法の中では、特に電解酸化重合法による
のが好ましい。
電解酸化重合法は、溶媒中で適当な支持電解質の存在
下、アミノ芳香族化合物,ヒドロキシ芳香族化合物等を
電解酸化重合させ導電体の表面に重合体層が被着される
ことにより実施される。電解条件としては−20℃、電極
電位0.0〜1.5V(対飽和塩化ナトリウムカロメル電極;
SSCE)で3回掃引(掃引速度50mV/sec)後、1.5Vで10
分間電解反応させる条件が好ましい。溶媒としては、例
えばアセトニトリル,水,ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド,プロピレンカーボネート等が挙げら
れ、これらの中でとくにアセトニトリルが好ましい。ま
た支持電解質としては、例えば過塩素酸ナトリウム,硫
酸,硫酸二ナトリウム,リン酸,ホウ酸,テトラフルオ
ロホウ素酸塩,テトラフルオロリン酸カリウム,4級ア
ンモニウム塩などが好適なものとして挙げられ、これら
の中ではとくに過塩素酸ナトリウムが好ましい。斯くし
て被着される重合体層は一般に極めて緻密であり、薄膜
であっても酸素の透過を阻止することができる。然し、
本発明に使用しうるためには、酸化還元機能層5は当該
酸化還元反応性を有するものであれば特に制限はなく、
層の緻密の如何は問わない。
酸化還元機能層5の厚さは0.1μm〜0.5mmとなるように
するのが好ましい。0.1μmより薄い場合には、本発明
の効果を十分奏さず、また0.5mmより厚い場合には層抵
抗が高くなり過ぎ、測定上好ましくない。
また、酸化還元機能層5は、これに電解質を含浸させて
使用することができる。電解質としては、例えばリン酸
水素二カリウム,過塩素酸ナトリウム,硫酸,テトラフ
ルオロホウ酸塩,テトラフェニルホウ酸塩等が挙げられ
る。これらの中ではとくに過塩素酸ナトリウムが好まし
い。酸化還元機能層5には電解質を含浸させるには、酸
化還元機能層5を導電性基体1に被着したのち、これを
電解質溶液に浸漬する方法が簡便である。
叙上の如くして導電性基体1に酸化還元機能層5が被覆
された電極の表面に更に重ねて被覆される隔壁層6は、
酸化還元機能層5およびイオン選択性層7との間でそれ
ぞれの層を構成する物質の移動を妨げかつイオンとの接
触によりイオン選択性層7に生じる電位差とイオンを酸
化還元機能層5へ伝達する機能を有するものである。こ
のような機能を有する層としては、電解質液又は水溶液
を保有する高分子層,セルロース誘導体層,水溶性高分
子層などが挙げられ、この中ではとくにポリビニルアル
コール(以下PVAと略す)層が好適なものとして挙げ
られる。隔壁層6を酸化還元機能層5に被覆するには例
えばPVAの10%水溶液あるいは電解液を含むPVA10
%水溶液を作製しこの溶液中に酸化還元電極を十分浸
漬、引き上げ、風乾、150℃で乾燥という工程を繰り返
し、所望の厚さに調整して得られる。電解液としては、
pH緩衝液が好ましく、水素イオンに対しては、クエン酸
塩,リン酸塩液が好ましい。pHの範囲としては、生体中
でのpH範囲とほぼ等しい4.8〜7.4が好ましく、とくに6.
0〜7.4が好ましい。PVAの層の厚さとしては0.2μm
〜10mmがよく、好ましくは200μm〜800μm、とくに好
ましくは400μm〜600μmである。隔壁層6の表面に更
に被覆されるイオン選択性層7としては、被検イオンの
イオンキャリヤー物質及び必要により電解質塩を高分子
化合物に担持せしめた層が使用される。イオンキャリヤ
ー物質としては被検イオンに応じて例えば次のものが使
用される。
(i)水素イオン 水素イオンキャリヤー物質としては、例えば次式 (式中、R7,R8およびR9は同一もしくは異なったアル
キル基を示し、そのうち少なくとも2つは炭素数8〜18
のアルキル基を示す) で表されるアミン類、および次式 (式中、R10は炭素数8〜18のアルキル基を示す) で表される化合物等を挙げることができ、好ましいもの
としてはトリ−n−ドデシルアミンが挙げられる。
この中ではとくにトリドデシルアミンが好ましい。
(ii)カリウムイオン バリノマイシン;ノナクチン、モナクチン;ジシクロヘ
キシル−18−クラウン−6、ナフト−15−クラウン−
5、ビス(15−クラウン−5)等のクラウンエーテル化
合物等が挙げられ、就中、バリノマイシン、ビス(15−
クラウン−5)が好適である。この中ではとくにバリノ
マイシンが好ましい。
(iii)ナトリウムイオン 芳香族系アミドもしくはジアミド類、脂肪族系アミドも
しくはジアミド類、クラウン化合物、例えばビス〔(12
−クラウン−4)メチル〕ドデシルマロネート、N,N,N,
N-テトラプロピル-3,6-ジオキサネ-ト-ジアミド、N,N,N′,N′−テトラベ
ンジル−1,2−エチレンジオキシジアセトアミド、N,N′
−ジベンジル−N,N′−ジフェニル−1,2−フェニレンジ
アセトアミド、N,N′,N″−トリヘプチル−N,N′,
N″−トリメチル−4,4′,4″−プロピリジントリス
(3−オキサブチルアミド)、3−メトキシ−N,N,N,N
−テトラプロピル−1,2−フェニレンジオキシジアセト
アミド、(-)-(R,R)−4,5−ジメチル−N,N,N,N−テトラ
プロピル−3,6−ジオキサオクタンジアミド、4−メチ
ル−N,N,N,N−テトラプロピル−3,6−ジオキサオクタン
−ジアミド、N,N,N,N−テトラプロピル−1,2−フェニレ
ンジオキシジアセトアミド、N,N,N,N−テトラプロピル
−2,3−ナフタレンジオキシジアセトアミド、4−t−
ブチル−N,N,N,N−テトラプロピル−1,2−シクロヘキサ
ンジオキシ−ジアセトアミド、シス−N,N,N,N−テトラ
プロピル−1,2−シクロヘキサンジオキシジアセトアミ
ド、トランス−N,N,N,N−テトラプロピル−1,2シクロヘ
キサンジオキシジアセトアミド等が挙げられ、この中で
はとくにビス〔(12−クラウン−4)メチル〕ドデシル
マロネートが好ましい。
(iv)塩素イオン 次式 (式中、R7,R8,R9は各々同一若しくは異なった炭
素数8〜18のアルキル基を、R10は水素または炭素数1
〜8のアルキル基を示す) で表される四級アンモニウムの塩及び次式 で表されるトリフェニルスズクロライド等が挙げられ
る。この中ではとくにトリフェニルスズクロライドが好
ましい。
(v)カルシウムイオン カルシウム−ビス〔ジ−(n−オクチルフェニル)ホス
フェート〕、(-)-(R,R)−N,N′−ビス〔(11−エトキシ
カルボニル)ウンデシル〕−N,N′,4,5−テトラメチル
−3,6−ジオキサオクタン−ジアミド、カルシウムビス
〔ジ(n−デシル)ホスフェート〕等が好適なものとし
て挙げられる。この中ではとくにカルシウムビス〔ジ−
(n−オクチルフェニル)ホスフェート〕が好ましい。
(vi)炭酸水素イオン 次式 (式中、R11,R12,R13は各々同一又は異なった炭素
数8〜18のアルキル基を、R14は水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を、X-はCl-,Br-又はOH-を示
す) で表される4級アンモニウム塩;次式 (式中、R15はフェニル基、水素原子又はメチル基を、
16は水素原子又はメチル基を、R17は水素原子、メチ
ル基又はオクタデシル基を示す) で表される3級アミン化合物;更に次式 で表される化合物等が挙げられる。この中ではとくにト
リ(n−ドデシル)アンモニウムクロライドが好まし
い。
電解質塩としては、例えばナトリウムテトラキス(p−
クロロフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(p−
クロロフェニル)ボレート、および次式 (R18)4NBF4 (式中、R18はアルキル基、好ましくは炭素数2〜6の
アルキル基を示す) で表される化合物が挙げられる。この中では、水素イオ
ン,カリウムイオン,ナトリウムイオン、炭酸水素イオ
ンに対してはテトラキス(p−クロロフェニル)ホウ酸
カリウム、塩素イオンに対してはテトラクロロボレー
ト、カルシウムイオンに対してはジ−(n−オクチルフ
ェニル)ホスフェートがとくに好ましい。
また、イオンキャリヤー物質を担持せしめる層材につい
ては高分子化合物として、例えば塩化ビニル樹脂,塩化
ビニル−エチレン共重合体,ポリエステル,ポリアクリ
ルアミド,ポリウレタンなどの有機高分子化合物および
シリコーン樹脂などの無機高分子化合物を挙げることが
できる。この中ではとくに塩化ビニルが好ましい。使用
される可塑剤は、溶出しにくいものが使用される。この
ような可塑剤としては、例えばセバシン酸ジオクチルエ
ステル,アジピン酸ジオクチルエステル,マレイン酸ジ
オクチルエステル,ジ−n−オクチルフェニルホスホネ
ート等が挙げられる。この中ではセバシン酸ジオクチル
(DOS)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)が好
ましい。
また溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)がとくに
好ましい。イオン選択性層7が被覆されるには例えばテ
トラヒドロフラン等の溶媒に高分子化合物,可塑剤,イ
オンキャリヤー物質を溶かした溶液中に酸化還元電極を
浸漬、引き上げ、風乾そして乾燥という工程を繰り返
し、所望の厚さに調整することにより得られる。イオン
選択性層7の厚さとしては0.1μm〜10mm、特に0.4〜2.
0mmとなるようにするのが好ましい。
上述の如く作成された、酸化還元機能層とイオン選択性
層との間に隔壁層を備えた水素イオンセンサーについ
て、水素イオンセンサーを作用電極,飽和塩化ナトリウ
ムカロメル電極(SSCE)を基準電極として用いSSCEに対す
る起電力をpHに対しプロットしネルンストプロットの傾
きの経時時間依存性を調べることにより酸化還元機能層
を構成する物質のイオン選択性層への溶出の有無を調べ
た。酸素ガス依存性については、pH7.4リン酸緩衝液に
窒素ガスを1時間バブリングした後測定した電位と、酸
素ガスを1時間バブリングした後測定した電位との差を
比較して調べた。炭酸ガス依存性は、pH7.4リン酸緩衝
液に二酸化炭酸ガスを溶解させて電位の変化の有無によ
り調べた。また、20℃,30℃,37℃,45℃におけるpH−
起電力の関係式をもとめ、ネルンストプロットの傾きを
調べた。また、酸化還元機能層構成物質の水素イオン選
択性層への溶出の有無,水素イオン選択性構成物質の酸
化還元機能層への溶出の有無についても調べた。結果を
第1表,第2表に示す。
上記結果から実施例1〜3において、ネルンストプロッ
トの傾きは水素イオンセンサー作製後1日経過してのち
は理論値61.55によく一致し、しかも3ケ月の間ネルン
ストプロットの傾きが殆ど変化せず安定した値を示して
いることがわかる。また酸化還元機能層を構成する物質
の水素イオン選択性層への溶出、水素イオン選択性層を
構成する物質の酸化還元機能層への溶出がないことがわ
かる。また、95%応答速度は5秒以内であることが確認
された。
本発明、イオンセンサーは90日経過した後に、イオン選
択性層を剥離して観察してみると、酸化還元機能層中の
キノイド化合物(赤褐色)のイオン選択性層への溶出に
よる層の色変化がまったく観察されなかった。一方、従
来のものは作製後20日前後からイオン選択性層が黄色に
変色するのが観測された。溶出の有無の検査は、前記目
視による検査の他にスペクトル分析(吸光光度法な
ど)、ガスクロマトグラフィー,液体クロマトグラフィ
ーなどがある。さらにまた、酸素ガスおよび二酸化炭素
による影響をうけないことがわかる。なお、本実施例は
本発明の1例でありこれに限定されるものでなく、各層
をなす構成物質の組成についてもこれに限定されるもの
ではない。
カリウムイオンセンサー,ナトリウムイオンセンサー,
塩素イオンセンサー,カルシウムイオンセンサーについ
ても、ネルンストプロットの傾きの特性、酸化還元機能
層を構成する物質のイオン選択性層への溶出の有無、イ
オン選択性層を構成する物質の酸化還元機能層への溶出
の有無、酸素ガスおよび二酸化炭素依存性についても上
記水素イオンセンサーと同様の結果が確認された。
実施例4〜7において、20℃〜45℃で、ネルンストプロ
ットの傾き(mV/pH)は、理論値によく近似しており等
温点がpH5〜6の範囲に存在するため生体中でのpH範囲
とほぼ等しいpH6.0〜8.0の領域では、温度依存性が非常
に小さいことがわかる。
第2表には記載しないが、酸化還元機能層構成物質の水
素イオン選択性層への溶出の有無、水素イオン選択性層
構成物質の酸化還元機能層への溶出の有無については実
施例1〜3と同様の結果が得られた。これは、隔壁層に
水溶液が浸透し膨潤することにより、隔壁層が従来の液
膜型のイオン電極、例えばガラス電極の内部液層として
の内部基準液の作用をすることによるものである。隔壁
層が1μm以下では、上記のような結果は示されない。
カリウムイオンセンサー,ナトリウムイオンセンサー,
塩素イオンセンサー,カルシウムイオンセンサーについ
ても上記実施例4〜6と同様の結果が得られた。
隔壁層のイオン濃度を変えることにより任意のイオン濃
度領域に等温点を設定でき、被測定範囲での温度依存性
を小さくすることができる。
IV.発明の効果 本発明は、酸化還元機能層とイオン選択性層の間に、そ
れぞれの層を構成する物質の相互移動を妨げかつイオン
との接触によりイオン選択性層に生ずる電位差をイオン
選択性層から酸化還元機能層へ伝達する機能を有する隔
壁層を設けたことにより、酸化還元機能層組成物質とイ
オン選択性層の組成物質の相互の溶解・溶出が生じなく
なりイオン特性すなわちネルンストプロットの傾きが長
期間変化することがなく妨害イオンに対する選択性が高
くなり、イオン応答速度が速い。
隔壁層の膜厚を0.2μm〜1.0mmにすることにより20℃〜
45℃において、生体中でのpH範囲とほぼ等しい6.0〜8.0
で、温度依存性がなく、従来の内部液室を有するガラス
電極と類似した温度特性を示す。
また、内部に液室を有するガラス型の電極と異なる固体
型のセンサーであるため、取り扱いが簡単で、小型化が
図られ、しかもガラス電極と異なり、破損し難いのでガ
イドワイヤー,カテーテル等と組み合わせることができ
医療用イオンセンサーとして生体内中で被検イオンを測
定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のイオンセンサーの構成図である。 1…導電性基体、1a…導電性基体底面、2…リード線、
3…テフロン被覆部、4…熱収縮チューブ、5…酸化還
元機能層、6…隔壁層、7…イオン選択性層、8…導電
性接着剤、9…絶縁体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン感応部を備え、溶液中のイオン濃度
    を電極電位応答で測定する固体型のイオンセンサーにお
    いて、前記イオン感応部は、導電性基体と、該導電性基
    体の表面を覆う酸化還元機能層と、該酸化還元機能層の
    表面を覆う隔壁層と、該隔壁層の表面を覆うイオン選択
    性層とを備え、前記隔壁層は該イオン選択性層および前
    記酸化還元機能層との間でそれぞれの層を構成する物質
    の移動を妨げかつイオンとの接触により該イオン選択性
    層に生じる電位差を該イオン選択性層から酸化還元機能
    層へ伝達する機能を有することを特徴とするイオンセン
    サー。
  2. 【請求項2】隔壁層の厚さが0.2μm〜1.0mmである特許
    請求の範囲第1項記載のイオンセンサー。
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