JPH0120874B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0120874B2 JPH0120874B2 JP8347880A JP8347880A JPH0120874B2 JP H0120874 B2 JPH0120874 B2 JP H0120874B2 JP 8347880 A JP8347880 A JP 8347880A JP 8347880 A JP8347880 A JP 8347880A JP H0120874 B2 JPH0120874 B2 JP H0120874B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- hydroxy
- cholate
- cholanic acid
- keto
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明はコール酸塩を含む培地から微生物の代
謝産物として3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト
−5β−コラン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジ
ケト−5β−コラン酸及びこれらの塩からなる群
から選ばれる少なくとも1つの化合物を得る方法
に関し、さらに詳しくはコール酸塩を基質として
3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン
酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コ
ラン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少
なくとも1つの化合物を生産するコリネバクテリ
ウム属に属する細菌を、コール酸塩を含む栄養培
地に培養して上記の少なくとも1つの化合物を生
成せしめ、これを採取することを特徴とする3−
置換−7α−ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン
酸及び/又はその塩の製造方法に関する。 従来、コール酸を基質として3α,7α−ジヒド
ロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又は7α
−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸
を微生物の代謝産物として得る方法は種々知られ
ている。例えば、早川らによるストレプトマイセ
ス・ゲラチカス1164菌株を用いる方法〔ジヤーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(日本)、第44巻
第2号第109〜113頁(1957年)及びプロシーデイ
ングス・オブ・ジヤパン・アカデミー、第32巻第
519〜522頁(1956年)〕;長谷川らによるアスペル
ギルス・シンナモメウスHUT2026菌株を用いる
方法〔ヒロシマ・ジヤーナル・オブ・メデイカ
ル・サイエンス、第8巻第3号第277〜283頁
(1959年)〕;及び菊池らによるスタフイロコツカ
ス・エピデルミデイスH−1菌株を用いる方法
〔ジヤーナル・オブ・バイオケミストリー、第72
巻第1号第165〜172頁(1972年)〕などである。 本発明者らは微生物の代謝産物として3α,7α
−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及
び/又は7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β
−コラン酸を工業的に有利に得るためその基質と
してコール酸塩を要求する微生物のスクリーニン
グを長期間行なつてきた結果、コリネバクテリウ
ム属に属する特定の細菌がコール酸塩を基質とし
て3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラ
ン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−
コラン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる
少なくとも1つの化合物を高収率でしかも短期間
の培養で代謝生産することを見出し、本発明を完
成するに至つた。 本発明者らが得たコール酸塩を基質として3α,
7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸、
7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン
酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なく
とも1つの化合物を生産する能力を有するコリネ
バクテリウム属に属する細菌としては、コリネバ
クテリウムCA−53(Corynebacterium CA−53)
菌株(微工研菌寄第5532号)があり、その菌学的
性質を列挙すると次表のとおりである。
謝産物として3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト
−5β−コラン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジ
ケト−5β−コラン酸及びこれらの塩からなる群
から選ばれる少なくとも1つの化合物を得る方法
に関し、さらに詳しくはコール酸塩を基質として
3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン
酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コ
ラン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少
なくとも1つの化合物を生産するコリネバクテリ
ウム属に属する細菌を、コール酸塩を含む栄養培
地に培養して上記の少なくとも1つの化合物を生
成せしめ、これを採取することを特徴とする3−
置換−7α−ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン
酸及び/又はその塩の製造方法に関する。 従来、コール酸を基質として3α,7α−ジヒド
ロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又は7α
−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸
を微生物の代謝産物として得る方法は種々知られ
ている。例えば、早川らによるストレプトマイセ
ス・ゲラチカス1164菌株を用いる方法〔ジヤーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(日本)、第44巻
第2号第109〜113頁(1957年)及びプロシーデイ
ングス・オブ・ジヤパン・アカデミー、第32巻第
519〜522頁(1956年)〕;長谷川らによるアスペル
ギルス・シンナモメウスHUT2026菌株を用いる
方法〔ヒロシマ・ジヤーナル・オブ・メデイカ
ル・サイエンス、第8巻第3号第277〜283頁
(1959年)〕;及び菊池らによるスタフイロコツカ
ス・エピデルミデイスH−1菌株を用いる方法
〔ジヤーナル・オブ・バイオケミストリー、第72
巻第1号第165〜172頁(1972年)〕などである。 本発明者らは微生物の代謝産物として3α,7α
−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及
び/又は7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β
−コラン酸を工業的に有利に得るためその基質と
してコール酸塩を要求する微生物のスクリーニン
グを長期間行なつてきた結果、コリネバクテリウ
ム属に属する特定の細菌がコール酸塩を基質とし
て3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラ
ン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−
コラン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる
少なくとも1つの化合物を高収率でしかも短期間
の培養で代謝生産することを見出し、本発明を完
成するに至つた。 本発明者らが得たコール酸塩を基質として3α,
7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸、
7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン
酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なく
とも1つの化合物を生産する能力を有するコリネ
バクテリウム属に属する細菌としては、コリネバ
クテリウムCA−53(Corynebacterium CA−53)
菌株(微工研菌寄第5532号)があり、その菌学的
性質を列挙すると次表のとおりである。
【表】
【表】
上記の表に示した菌学的性質に基づき、コリネ
バクテリウムCA−53菌株の同定を行なつた。コ
リネバクテリウムCA−53菌株はその形態、グラ
ム染色などの顕微鏡的所見及び生理学的性質など
からバージエイズ・マニユアル・オブ・デターミ
ネイテイブ・バクテリオロジー第7版及び第8版
に基づき、コリネバクテリウム・エクイに近縁の
菌であると同定された。 本発明の方法による3−置換−7α−ヒドロキ
シ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又はその塩
の生産は、前記の本発明に係るコリネバクテリウ
ム属に属する細菌をコール酸塩を含む培地に培養
することにより行なわれる。コール酸塩は具体的
にはコール酸のナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属の塩又はカルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の塩であるが、好ましくはコ
ール酸のアルカリ金属塩である。コール酸塩はそ
のまま所定濃度の水溶液に調整してそれを基質と
して用いてもよいし、或いは水に予めコール酸と
塩を形成し得る所定量のアルカリ金属化合物又は
アルカリ土類金属化合物を溶かしたのち、その水
溶液にコール酸を加えて所定濃度に調整したコー
ル酸塩を基質として用いてもよい。コール酸塩の
濃度は通常約1〜500g/の範囲でよいが、代
謝生産される3−置換−7α−ヒドロキシ−12−
ケト−5β−コラン酸及び/又はその塩の収量、
培養条件及び操作性などの経済的観点から約10〜
500g/の範囲が好ましく、さらに20〜300g/
の範囲がより好ましい。培養方法は原則的には
一般微生物の培養で採用される方法と同じである
が、通常は液体培地による振盪培養法又は通気撹
拌培養法が用いられる。培地としては上記の本発
明に係るコリネバクテリウム属に属する細菌が資
化利用できる栄養源を含有するものであればよ
い。炭素源としてはコール酸塩を単一炭素源とし
てもよく、或いはコール酸塩にアラビノースなど
のペントース類;グルコース、マンノース、フラ
クトース、ガラクトースなどのヘキソース類;マ
ルトースなどの二糖類;澱粉分解物、糖アルコー
ル類、グリセリンなどの多価アルコール類;又は
ポリペプトン、ペプトン、肉エキス、麦芽エキ
ス、コーンステイープリカー、酵母エキス、各種
アミノ酸などを併用してもよい。また窒素源とし
ては例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウムなどが用いられる。ま
た、この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カ
リウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩が添加さ
れる。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で
6時間〜5日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された3−置換
−7α−ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及
び/又はその塩を分離・採取するには、まず培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清に例えば塩酸を加える。このようにして培養濾
液又は上清を酸性とすることにより3α,7α−ジ
ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又
は7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラ
ン酸をはじめとするコール酸塩の変換物が沈澱す
る。ここで、沈澱する3α,7α−ジヒドロキシ−
12−ケト−5β−コラン酸及び/又は7α−ヒドロ
キシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸以外のコ
ール酸塩の変換物として7α−ヒドロキシ−3,
12−ジケト−△4−コレン酸などがある。なお、
この際、未変換のコール酸塩はコール酸として沈
澱する。沈澱物を除去した液に例えば酢酸エチル
を加えて残存する上記のコール酸塩の変換物並び
に未変換のコール酸及び/又はその塩を抽出し、
しかるのち酢酸エチルを溜去することによりほぼ
完全に3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−
コラン酸及び/又は7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸をはじめとするコール酸
塩の変換物を採取し、未変換のコール酸及び/又
はその塩を回収することができる。このようにし
て得られたコール酸塩の変換物並びに未変換のコ
ール酸及び/又はその塩を例えばシリカゲルカラ
ムに吸着させ、クロロホルム/エタノールの98/
2容量比の混合液及びクロロホルム/エタノール
の97/3容量比の混合液により順次溶出させる。
すなわち、クロロホルム/エタノールの98/2容
量比の混合液により7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸を溶出させ、クロロホル
ム/エタノールの97/3容量比の混合液によりま
ず7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−△4−コレ
ン酸を溶出させ、ついで3α,7α−ジヒドロキシ
−12−ケト−5β−コラン酸を溶出させる。 本発明の方法により得られる3α,7α−ジヒド
ロキシ−12−ケト−5β−コラン酸はフアン・ミ
ンロン還元反応に供することにより胆石溶解剤と
して有用なケノデオキシコール酸(CDCA)に容
易に変換できる。一方、7α−ヒドロキシ−3,
12−ジケト−5β−コラン酸は酸化することによ
り利胆剤として有用な3,7,12−トリケト−
5β−コラン酸に容易に変換できる。また、7α−
ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸及
び副生する7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−
△4−コレン酸は副腎皮質ホルモンの原料として
用いることもできる。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 コリネバクテリウムCA−53菌株(微工研菌寄
第5532号)を次に示す方法で培養した。コール酸
100g、硝酸アンモニウム2.0g、燐酸2水素カリ
ウム2.0g、燐酸水素2カリウム5.0g、硫酸マグ
ネシウム・7水和物0.2g、酵母エキス0.1g及び
水酸化ナトリウム10gに蒸留水を加えて容量を1
に調整した培地を500ml容坂口フラスコに100ml
宛10本に分注し、120℃で15分間、蒸気殺菌を行
なつた。予め上記の培地と同じ培地で試験管振盪
機にて2日間増殖させた種菌を上記の500ml容坂
口フラスコあたり10ml宛添加し、2日間振盪培養
した。培養後、これらの培養液を集め、遠心分離
機で菌体を除去後、得られた培養上清に塩酸を添
加して該上清を塩酸酸性にするとコール酸塩の変
換物及び未変換コール酸が沈澱した。この沈澱物
を採取し、残りの溶液を酢酸エチル1で抽出
し、ロータリー・エバポレーターで酢酸エチルを
溜去後、得られた残存物を先の沈澱物と合わせる
ことにより、82gのコール酸塩変換物及び未変換
コール酸の混合物を得た。この混合物の極く一部
を取り、これにメタノールを加えて1%溶液と
し、この溶液10μをミクロボンダパツクC−18
カラムを備えた高速液体クロマトグラフイー(米
国ウオーターズ社製、HLC−GPC−244型)に注
入した。移動相としてPH4.0に調整した水/メタ
ノールの30/70容量比の混合液を流速1ml/分で
流し、検出を屈折率方式で行なつたところ第1図
のクロマトグラムが得られた。このクロマトグラ
ムにおけるピークA、ピークB、ピークC及びピ
ークDは標準品のピークと照合することにより
各々7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コ
ラン酸、3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β
−コラン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト
−△4−コレン酸及びコール酸のものと一致した。
また、これらのピークA、ピークB及びピークC
の各々の部分に相当する化合物を分取し、マスス
ペクトル、赤外線吸収スペクトル及びNMRスペ
クトルにより化合物の構造確認を行なつたとこ
ろ、それぞれ上記の7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸、3α,7α−ジヒドロキシ
−12−ケト−5β−コラン酸及び7α−ヒドロキシ
−3,12−ジケト−△4−コレン酸であつた。な
お、赤外線吸収スペクトルの測定は上記ピークA
及びピークBの各々の部分に相当する化合物のメ
チルエステルについて行なつた。得られた赤外線
吸収スペクトル(A及びB)を標準品の赤外線吸
収スペクトル(A′及びB′)と対比してそれぞれ
第2図及び第3図に示す。さらに、分散したクロ
マトグラムのピークA及びピークBの部分に相当
する化合物をメチルエステル化したのち融点を測
定すると次表に示すとおりであつた。
バクテリウムCA−53菌株の同定を行なつた。コ
リネバクテリウムCA−53菌株はその形態、グラ
ム染色などの顕微鏡的所見及び生理学的性質など
からバージエイズ・マニユアル・オブ・デターミ
ネイテイブ・バクテリオロジー第7版及び第8版
に基づき、コリネバクテリウム・エクイに近縁の
菌であると同定された。 本発明の方法による3−置換−7α−ヒドロキ
シ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又はその塩
の生産は、前記の本発明に係るコリネバクテリウ
ム属に属する細菌をコール酸塩を含む培地に培養
することにより行なわれる。コール酸塩は具体的
にはコール酸のナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属の塩又はカルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属の塩であるが、好ましくはコ
ール酸のアルカリ金属塩である。コール酸塩はそ
のまま所定濃度の水溶液に調整してそれを基質と
して用いてもよいし、或いは水に予めコール酸と
塩を形成し得る所定量のアルカリ金属化合物又は
アルカリ土類金属化合物を溶かしたのち、その水
溶液にコール酸を加えて所定濃度に調整したコー
ル酸塩を基質として用いてもよい。コール酸塩の
濃度は通常約1〜500g/の範囲でよいが、代
謝生産される3−置換−7α−ヒドロキシ−12−
ケト−5β−コラン酸及び/又はその塩の収量、
培養条件及び操作性などの経済的観点から約10〜
500g/の範囲が好ましく、さらに20〜300g/
の範囲がより好ましい。培養方法は原則的には
一般微生物の培養で採用される方法と同じである
が、通常は液体培地による振盪培養法又は通気撹
拌培養法が用いられる。培地としては上記の本発
明に係るコリネバクテリウム属に属する細菌が資
化利用できる栄養源を含有するものであればよ
い。炭素源としてはコール酸塩を単一炭素源とし
てもよく、或いはコール酸塩にアラビノースなど
のペントース類;グルコース、マンノース、フラ
クトース、ガラクトースなどのヘキソース類;マ
ルトースなどの二糖類;澱粉分解物、糖アルコー
ル類、グリセリンなどの多価アルコール類;又は
ポリペプトン、ペプトン、肉エキス、麦芽エキ
ス、コーンステイープリカー、酵母エキス、各種
アミノ酸などを併用してもよい。また窒素源とし
ては例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウムなどが用いられる。ま
た、この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カ
リウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩が添加さ
れる。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で
6時間〜5日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された3−置換
−7α−ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及
び/又はその塩を分離・採取するには、まず培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清に例えば塩酸を加える。このようにして培養濾
液又は上清を酸性とすることにより3α,7α−ジ
ヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又
は7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラ
ン酸をはじめとするコール酸塩の変換物が沈澱す
る。ここで、沈澱する3α,7α−ジヒドロキシ−
12−ケト−5β−コラン酸及び/又は7α−ヒドロ
キシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸以外のコ
ール酸塩の変換物として7α−ヒドロキシ−3,
12−ジケト−△4−コレン酸などがある。なお、
この際、未変換のコール酸塩はコール酸として沈
澱する。沈澱物を除去した液に例えば酢酸エチル
を加えて残存する上記のコール酸塩の変換物並び
に未変換のコール酸及び/又はその塩を抽出し、
しかるのち酢酸エチルを溜去することによりほぼ
完全に3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−
コラン酸及び/又は7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸をはじめとするコール酸
塩の変換物を採取し、未変換のコール酸及び/又
はその塩を回収することができる。このようにし
て得られたコール酸塩の変換物並びに未変換のコ
ール酸及び/又はその塩を例えばシリカゲルカラ
ムに吸着させ、クロロホルム/エタノールの98/
2容量比の混合液及びクロロホルム/エタノール
の97/3容量比の混合液により順次溶出させる。
すなわち、クロロホルム/エタノールの98/2容
量比の混合液により7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸を溶出させ、クロロホル
ム/エタノールの97/3容量比の混合液によりま
ず7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−△4−コレ
ン酸を溶出させ、ついで3α,7α−ジヒドロキシ
−12−ケト−5β−コラン酸を溶出させる。 本発明の方法により得られる3α,7α−ジヒド
ロキシ−12−ケト−5β−コラン酸はフアン・ミ
ンロン還元反応に供することにより胆石溶解剤と
して有用なケノデオキシコール酸(CDCA)に容
易に変換できる。一方、7α−ヒドロキシ−3,
12−ジケト−5β−コラン酸は酸化することによ
り利胆剤として有用な3,7,12−トリケト−
5β−コラン酸に容易に変換できる。また、7α−
ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸及
び副生する7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−
△4−コレン酸は副腎皮質ホルモンの原料として
用いることもできる。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 コリネバクテリウムCA−53菌株(微工研菌寄
第5532号)を次に示す方法で培養した。コール酸
100g、硝酸アンモニウム2.0g、燐酸2水素カリ
ウム2.0g、燐酸水素2カリウム5.0g、硫酸マグ
ネシウム・7水和物0.2g、酵母エキス0.1g及び
水酸化ナトリウム10gに蒸留水を加えて容量を1
に調整した培地を500ml容坂口フラスコに100ml
宛10本に分注し、120℃で15分間、蒸気殺菌を行
なつた。予め上記の培地と同じ培地で試験管振盪
機にて2日間増殖させた種菌を上記の500ml容坂
口フラスコあたり10ml宛添加し、2日間振盪培養
した。培養後、これらの培養液を集め、遠心分離
機で菌体を除去後、得られた培養上清に塩酸を添
加して該上清を塩酸酸性にするとコール酸塩の変
換物及び未変換コール酸が沈澱した。この沈澱物
を採取し、残りの溶液を酢酸エチル1で抽出
し、ロータリー・エバポレーターで酢酸エチルを
溜去後、得られた残存物を先の沈澱物と合わせる
ことにより、82gのコール酸塩変換物及び未変換
コール酸の混合物を得た。この混合物の極く一部
を取り、これにメタノールを加えて1%溶液と
し、この溶液10μをミクロボンダパツクC−18
カラムを備えた高速液体クロマトグラフイー(米
国ウオーターズ社製、HLC−GPC−244型)に注
入した。移動相としてPH4.0に調整した水/メタ
ノールの30/70容量比の混合液を流速1ml/分で
流し、検出を屈折率方式で行なつたところ第1図
のクロマトグラムが得られた。このクロマトグラ
ムにおけるピークA、ピークB、ピークC及びピ
ークDは標準品のピークと照合することにより
各々7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コ
ラン酸、3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β
−コラン酸、7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト
−△4−コレン酸及びコール酸のものと一致した。
また、これらのピークA、ピークB及びピークC
の各々の部分に相当する化合物を分取し、マスス
ペクトル、赤外線吸収スペクトル及びNMRスペ
クトルにより化合物の構造確認を行なつたとこ
ろ、それぞれ上記の7α−ヒドロキシ−3,12−
ジケト−5β−コラン酸、3α,7α−ジヒドロキシ
−12−ケト−5β−コラン酸及び7α−ヒドロキシ
−3,12−ジケト−△4−コレン酸であつた。な
お、赤外線吸収スペクトルの測定は上記ピークA
及びピークBの各々の部分に相当する化合物のメ
チルエステルについて行なつた。得られた赤外線
吸収スペクトル(A及びB)を標準品の赤外線吸
収スペクトル(A′及びB′)と対比してそれぞれ
第2図及び第3図に示す。さらに、分散したクロ
マトグラムのピークA及びピークBの部分に相当
する化合物をメチルエステル化したのち融点を測
定すると次表に示すとおりであつた。
第1図は実施例1で得られたコール酸塩変換物
及び未変換コール酸の液体クロマトグラムを表わ
し、第2図及び第3図はそれぞれ第1図のクロマ
トグラムのピークA及びピークBの各々の部分に
相当する化合物をメチルエステル化したものの赤
外線吸収スペクトル(A及びB)を標準品の赤外
線吸収スペクトル(A′及びB′)と対比して示し
たものである。
及び未変換コール酸の液体クロマトグラムを表わ
し、第2図及び第3図はそれぞれ第1図のクロマ
トグラムのピークA及びピークBの各々の部分に
相当する化合物をメチルエステル化したものの赤
外線吸収スペクトル(A及びB)を標準品の赤外
線吸収スペクトル(A′及びB′)と対比して示し
たものである。
Claims (1)
- 1 コール酸塩を基質として3α,7α−ジヒドロ
キシ−12−ケト−5β−コラン酸、7α−ヒドロキ
シ−3,12−ジケト−5β−コラン酸及びこれら
の塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化
合物を生産するコリネバクテリウム属に属する細
菌を、コール酸塩を含む栄養培地に培養して上記
の少なくとも1つの化合物を生成せしめ、これを
採取することを特徴とする3−置換−7α−ヒド
ロキシ−12−ケト−5β−コラン酸及び/又はそ
の塩の製造方法。
Priority Applications (10)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8347880A JPS578795A (en) | 1980-06-19 | 1980-06-19 | Preparation of 3-substituted-7alpha-hydroxy-12-keto-5beta-cholanic acid and/or its salt |
| GB8024436A GB2057447B (en) | 1979-08-21 | 1980-07-25 | Microbal process for producing cholanic acid derivatives and microbes used therein |
| US06/173,815 US4359529A (en) | 1979-08-21 | 1980-07-30 | Microbial process for producing cholanic acid derivatives |
| HU205180A HU183201B (en) | 1979-08-21 | 1980-08-18 | Microbiological process for preparing derivatives of cholanic acid |
| DE3031334A DE3031334C2 (de) | 1979-08-21 | 1980-08-20 | Mikrobiologisches Verfahren zur Herstellung von Cholansäurederivaten |
| IT68301/80A IT1166482B (it) | 1979-08-21 | 1980-08-20 | Procedimento microbiologico per la produzione di derivati dell acido colanico e microorganismi utilizzati nel procedimento |
| CH628980A CH646442A5 (de) | 1979-08-21 | 1980-08-20 | Mikrobielles verfahren fuer die herstellung von cholansaeurederivaten und in einem solchen verfahren verwendete mikroorganismen. |
| FR8018288A FR2463809A1 (fr) | 1979-08-21 | 1980-08-21 | Procede microbien pour produire des derives d'acide cholanique et les microbes qu'il utilise |
| NLAANVRAGE8004741,A NL185731C (nl) | 1979-08-21 | 1980-08-21 | Werkwijze voor het bereiden van 3alfa,7alfa-dihydroxy 12-keto 5beta-cholaanzuur of een alkali- of aardalkalimetaalzout hiervan, alsmede micro-organismen ten gebruike bij de werkwijze. |
| CA000368547A CA1169795A (en) | 1980-06-17 | 1981-01-15 | Microbial process for producing cholanic acid derivatives and microbes used therein |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8347880A JPS578795A (en) | 1980-06-19 | 1980-06-19 | Preparation of 3-substituted-7alpha-hydroxy-12-keto-5beta-cholanic acid and/or its salt |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS578795A JPS578795A (en) | 1982-01-18 |
| JPH0120874B2 true JPH0120874B2 (ja) | 1989-04-18 |
Family
ID=13803567
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8347880A Granted JPS578795A (en) | 1979-08-21 | 1980-06-19 | Preparation of 3-substituted-7alpha-hydroxy-12-keto-5beta-cholanic acid and/or its salt |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS578795A (ja) |
-
1980
- 1980-06-19 JP JP8347880A patent/JPS578795A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS578795A (en) | 1982-01-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2719377B2 (ja) | 9α―ヒドロキシ―17―ケトステロイドの微生物学的製法 | |
| WO2000075355A1 (en) | Novel process for producing l-epi-2-inosose and novel process for producing epi-inositol | |
| JP3630344B2 (ja) | イノシトール立体異性体の製造方法 | |
| JPS6314950B2 (ja) | ||
| JPH0120874B2 (ja) | ||
| JPH046359B2 (ja) | ||
| JPS5910197B2 (ja) | 3α,7α−ジヒドロキシ−12−ケト−5β−コラン酸の製造方法 | |
| JPH04211386A (ja) | 3α,12α−ジヒドロキシ−7−ケト−5β−ビスノルコラン酸及び/又はその塩の製造方法 | |
| JPS5910198B2 (ja) | 7α−ヒドロキシ−3,12−ジケト−5β−コラン酸の製造方法 | |
| JPS5951277B2 (ja) | 新規な微生物 | |
| JP2744843B2 (ja) | 新規なコナゲニン誘導体 | |
| EP0169614A2 (en) | Process for the preparation of L-carnitine | |
| JPH0120873B2 (ja) | ||
| JPS5910199B2 (ja) | 7α,12α−ジヒドロキシ−3−ケト−5β−コラン酸の製造方法 | |
| JPS637795A (ja) | 7α−ヒドロキシアンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンの製造方法 | |
| JPH0262234B2 (ja) | ||
| JPS5863397A (ja) | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法 | |
| JPH0120875B2 (ja) | ||
| JPH0429356B2 (ja) | ||
| JP3112343B2 (ja) | Ucn−01の製造法 | |
| JPH0662576B2 (ja) | マイコトリエニン系化合物 | |
| JPS6336790A (ja) | リン脂質の塩基交換反応法 | |
| JPH0439461B2 (ja) | ||
| JPH0420600B2 (ja) | ||
| JPH0227996A (ja) | 光学活性なシクロペンテノール誘導体の製造方法 |