JPH0121760B2 - - Google Patents
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- JPH0121760B2 JPH0121760B2 JP1786682A JP1786682A JPH0121760B2 JP H0121760 B2 JPH0121760 B2 JP H0121760B2 JP 1786682 A JP1786682 A JP 1786682A JP 1786682 A JP1786682 A JP 1786682A JP H0121760 B2 JPH0121760 B2 JP H0121760B2
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Description
本発明はデオキシコール酸及び/又はその塩か
ら微生物により12α―ヒドロキシプレグナ―1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及び/
又はその塩を製造する方法に関し、詳しくはデオ
キシコール酸及び/又はその塩を基質として12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生産す
るアルカリゲネス属に属する細菌を、デオキシコ
ール酸及び/又はその塩を含む培地に培養して
12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生
成せしめ、これを採取することを特徴とする12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩の製造方
法に関する。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルボン酸を得る方法はいくつか
知られている。まずバルネス(P.J.Barnes)らに
よつて、シユードモナス・エスピーNCIB10590
(Pseudomonas sp.NCIB10590)菌株を用いる方
法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun、(1974年)、115〜116頁及び
Tetrahedron,32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸を0.1%含む無機
塩培地10でシユードモナス・エスピー
NCIB10590菌株を14時間好気的に培養し、デオ
キシコール酸10gから12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
657mg及び12β―ヒドロキシアンドロスター1,
4―ジエン―3,17―ジオン960mgを主生産物と
して得、さらに12α―ヒドロキシアンドロスタ―
1,4―ジエン―3,17―ジオン、12β―ヒドロ
キシー4―アンドロステン―3,17―ジオン及び
12ξ,17ξ―ジヒドロキシ―4―アンドロステン
―3―オンを微量成分として得るものである。こ
の方法は12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルボン酸の収率が7%
未満と低い点、アンドロスタン系の副生物が多い
点、及び基質であるデオキシコール酸の濃度が
0.1%と低い点で実用的ではない。また、テネソ
ン(M.E.Tenneson)らによる、嫌気性大腸菌を
用いてデオキシコール酸から12α―ヒドロキシプ
レグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ボン酸及び12β―ヒドロキシアンドロスター1,
4―ジエン―3,17―ジオンを得る方法
〔Biochem.Soc.Trans.,5巻、1758〜1760頁
(1977年)参照〕;オーエン(R.W.OWen)らに
よる、バクテロイデス・フラギリスXF23
(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバクテロ
イデス・フラギリス・サブスピーシーズ・セタイ
オタオミクロンE59(Bacteroides fragilis subsp.
thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデオキシ
コール酸から12α―ヒドロキシプレグナ―1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸、12β―
ヒドロキシアンドロスター1,4―ジエン―3,
17―ジオン、12α―ヒドロキシアンドロスタ―
1,4―ジエン―3,17―ジオン及び12β―ヒド
ロキシ―4―アンドロステン―3,17―ジオンを
得る方法〔Biochem.Soc.Trans.,5巻、1711〜
1713頁(1977年)参照〕が知られているが、これ
らの方法はいずれも嫌気性菌を用いており、用い
る基質が低濃度となること、培養に長期間を要す
ること、目的物の収率が低いことなど工業的に発
酵生産するに当り種々の問題点を有する。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12α―ヒドロキシプレグナ―1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及び/
又はその塩を工業的に有利に生産する微生物の探
索を長期間行なつた結果、アルカリゲネス属に属
する特定の細菌がデオキシコール酸及び/又はそ
の塩を基質として12α―ヒドロキシプレグナ―
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及
び/又はその塩を高選択率、高収率で生産するこ
とを見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のアルカリゲネス属に属
する細菌としては、アルカリゲネス・フエカリス
D4020(Alcaligenes faecalis D4020)菌株(微工
研条寄第182号)及びアルカリゲネス・フエカリ
スD4020―H405(Alcaligenes faecalis D4020―
H405)菌株(微工研条寄第183号)がある。アル
カリゲネス・フエカリスD4020菌株は土壌中から
取得した野生株であり、アルカリゲネス・フエカ
リスD4020―H405菌株はアルカリゲネス・フエ
カリスD4020菌株に突然変異処理を施して得られ
た変異株である。これら菌株の菌学的性質を列挙
すると次表のとおりである。
ら微生物により12α―ヒドロキシプレグナ―1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及び/
又はその塩を製造する方法に関し、詳しくはデオ
キシコール酸及び/又はその塩を基質として12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生産す
るアルカリゲネス属に属する細菌を、デオキシコ
ール酸及び/又はその塩を含む培地に培養して
12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生
成せしめ、これを採取することを特徴とする12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩の製造方
法に関する。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3
―オン―20α―カルボン酸を得る方法はいくつか
知られている。まずバルネス(P.J.Barnes)らに
よつて、シユードモナス・エスピーNCIB10590
(Pseudomonas sp.NCIB10590)菌株を用いる方
法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun、(1974年)、115〜116頁及び
Tetrahedron,32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸を0.1%含む無機
塩培地10でシユードモナス・エスピー
NCIB10590菌株を14時間好気的に培養し、デオ
キシコール酸10gから12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
657mg及び12β―ヒドロキシアンドロスター1,
4―ジエン―3,17―ジオン960mgを主生産物と
して得、さらに12α―ヒドロキシアンドロスタ―
1,4―ジエン―3,17―ジオン、12β―ヒドロ
キシー4―アンドロステン―3,17―ジオン及び
12ξ,17ξ―ジヒドロキシ―4―アンドロステン
―3―オンを微量成分として得るものである。こ
の方法は12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルボン酸の収率が7%
未満と低い点、アンドロスタン系の副生物が多い
点、及び基質であるデオキシコール酸の濃度が
0.1%と低い点で実用的ではない。また、テネソ
ン(M.E.Tenneson)らによる、嫌気性大腸菌を
用いてデオキシコール酸から12α―ヒドロキシプ
レグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ボン酸及び12β―ヒドロキシアンドロスター1,
4―ジエン―3,17―ジオンを得る方法
〔Biochem.Soc.Trans.,5巻、1758〜1760頁
(1977年)参照〕;オーエン(R.W.OWen)らに
よる、バクテロイデス・フラギリスXF23
(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバクテロ
イデス・フラギリス・サブスピーシーズ・セタイ
オタオミクロンE59(Bacteroides fragilis subsp.
thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデオキシ
コール酸から12α―ヒドロキシプレグナ―1,4
―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸、12β―
ヒドロキシアンドロスター1,4―ジエン―3,
17―ジオン、12α―ヒドロキシアンドロスタ―
1,4―ジエン―3,17―ジオン及び12β―ヒド
ロキシ―4―アンドロステン―3,17―ジオンを
得る方法〔Biochem.Soc.Trans.,5巻、1711〜
1713頁(1977年)参照〕が知られているが、これ
らの方法はいずれも嫌気性菌を用いており、用い
る基質が低濃度となること、培養に長期間を要す
ること、目的物の収率が低いことなど工業的に発
酵生産するに当り種々の問題点を有する。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12α―ヒドロキシプレグナ―1,
4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及び/
又はその塩を工業的に有利に生産する微生物の探
索を長期間行なつた結果、アルカリゲネス属に属
する特定の細菌がデオキシコール酸及び/又はそ
の塩を基質として12α―ヒドロキシプレグナ―
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸及
び/又はその塩を高選択率、高収率で生産するこ
とを見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のアルカリゲネス属に属
する細菌としては、アルカリゲネス・フエカリス
D4020(Alcaligenes faecalis D4020)菌株(微工
研条寄第182号)及びアルカリゲネス・フエカリ
スD4020―H405(Alcaligenes faecalis D4020―
H405)菌株(微工研条寄第183号)がある。アル
カリゲネス・フエカリスD4020菌株は土壌中から
取得した野生株であり、アルカリゲネス・フエカ
リスD4020―H405菌株はアルカリゲネス・フエ
カリスD4020菌株に突然変異処理を施して得られ
た変異株である。これら菌株の菌学的性質を列挙
すると次表のとおりである。
【表】
【表】
【表】
上記の表に示した菌学的性質に基づき、アルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株及びアルカリゲ
ネス・フエカリスD4020―H405菌株の同定を行
なつた。アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株
は、桿菌であること、周鞭毛を有していること、
グラム染色が陰性であることなどの顕微鏡的所見
並びにオキシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がと
もに陽性であること、好気性であること、O―F
テストの結果が酸化的(Oxidative)であること
などの生理学的性質からバージエイズ・マニユア
ル・オブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロ
ジー第7版及び第8版に基づき、アルカリゲネス
属に属する細菌であると同定した。さらにアルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株は、ゼラチンを
液化しない点、ミルクがアルカリ性となる以外に
変化しない点及び脱窒反応がない点から、アルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
同定した。また、一般に突然変異株はその親株と
同じ種に属するものと考えられており、アルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―H405菌株はアルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
判定した。 本発明の方法による12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
及び/又はその塩の生産は、デオキシコール酸及
び/又はその塩を基質として12α―ヒドロキシプ
レグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ボン酸及び/又はその塩を生産するアルカリゲネ
ス属に属する細菌を、デオキシコール酸及び/又
はその塩を含む培地に培養することにより行なわ
れる。デオキシコール酸の塩としては具体的には
デオキシコール酸のナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属の塩又はカルシウム、マグネシウム
などのアルカル土類金属の塩である。デオキシコ
ール酸及び/又はその塩の濃度は通常約1〜200
g/の範囲でよいが、生産される12α―ヒドロ
キシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルボン酸及び/又はその塩の収量、培養条件
及び操作性などの経済的観点から約10〜100g/
の範囲が好ましい。培養方法は原則的には一般
微生物の好気培養で採用される方法と同じである
が、通常は液体培地による振盪培養法又は通気撹
拌培養法が用いられる。培地としては上記のデオ
キシコール酸及び/又はその塩を基質として12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生産す
るアルカリゲネス属に属する細菌が資化利用でき
る栄養源を含有するものであればよい。炭素源と
してはデオキシコール酸及び/又はその塩を単一
炭素源としてもよく、或いはデオキシコール酸及
び/又はその塩にグルコース、グリセリン、ペプ
トン、肉エキス、酵母エキスなどを併用してもよ
い。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムな
どの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプトン、
肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。また、
この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加され
る。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で10
時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された12α―ヒ
ドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸及び/又はその塩は、既知の方
法により分離採取することができる。例えば、培
養液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分
離などにより分離除去して得られた培養濾液又は
上清に、塩酸、硫酸などの酸を加えて酸性とした
のち、上記カルボン酸を溶解しかつ水と相分離す
る有機溶媒、例えば酢酸エチル、クロロホルム、
クロロホルムとメタノールの混合液などを用いて
抽出する。得られた抽出液を集め、これにより溶
媒を溜去することによつて目的とする12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸を回収することができる。この
有機溶媒による抽出操作は培養濾液又は上清につ
いてのみでなく、培養液そのものについて行なう
ことができ、またこれらの培養液、培養濾液又は
上清に予め酸を加えることなしに行なうこともで
きる。上記において培養濾液又は上清を酸性とし
た場合には12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸が沈澱物と
して得られるため、これをそのまま濾過又は遠心
分離などにより回収することもできる。上記の方
法で得られた抽出物又は沈澱物中には12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸の他に残存基質のデオキシコー
ル及び/又はその塩並びに副生物がほとんど含ま
れておらず、例えば水/メタノールからの再結晶
により容易に高純度の12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
を取得することができる。 本発明の方法により得られる12α―ヒドロキシ
プレグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルボン酸は、その20位のカルボン酸を脱離させる
ことによつてプレドニゾンなどのホルモン系ステ
ロイドの合成原料となる12α―ヒドロキシプレグ
ナ―1,4―ジエン―3,20―ジオンに誘導する
ことができる〔H.Ruschig et al.,Chem.Ber.,
88巻、883頁(1955年)参照〕。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 参考例 変異株の取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたアルカリゲネス・フエカリス
D4020菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、リン
酸1カリウム0.1%、リン酸2カリウム0.6%、硫
酸マグネシウム・7水和物0.02%及び酵母エキス
0.02%)の10mlに植菌し、30℃で8〜10時間振盪
培養した。この培養液の0.3mlを予め試験管に準
備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5%、水
酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、硝酸
アンモニウム0.2%、リン酸1カリウム0.1%、リ
ン酸2カリウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水
和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10mlに加
え、30℃で10〜15時間培養した。ついで、この対
数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレンフイル
ターで無菌的に濾過集菌し、0.1Mリン酸塩緩衝
液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25mlに
懸濁させた。これに終濃度が20μg/mlになるよ
うにN―メチル―N′―ニトロ―N―ニトロソグ
アニジンを添加し、30℃で10〜15分間振盪するこ
とにより突然変異処理を行なつた。突然変異処理
を施した菌体を0.4μのメンブレンフイルターで濾
過集菌し、0.1Mリン酸塩緩衝液(PH:7.0)20ml
で洗滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得られた
菌懸濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを培地
4(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナトリ
ウム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、リン酸1
カリウム0.1%、リン酸2カリウム0.6%、硫酸マ
グネシウム・7水和物0.02%、酵母エキス0.02%
及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜1000個のコ
ロニーを出現させるように塗布したのち、30℃で
3〜4日間培養した。出現したコロニー中の極小
コロニーを培地1のスラントに単離したのち、そ
の一白金耳を予め試験管に準備した培地5(組
成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナトリウム
0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニウム0.2
%、リン酸1カリウム0.1%、リン酸2カリウム
0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%及び
酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で24時
間振盪培養した。得られたそれぞれの培養液中の
生産物を薄層クロマトグラフイーにより検定し、
目的とする12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸を選択的に
蓄積している一菌株を見い出し、これをアルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―H405菌株と命名し
た。 実施例 1 アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株(微工
研条寄第182号)を次に示す方法で培養した。デ
オキシコール酸2.0g、硝酸アンモニウム0.2g、
燐酸2水素カリウム0.12g、燐酸水素2カリウム
0.61g、硫酸マグネシウム・7水和物0.02g、酵
母エキス0.02g及び水酸化ナトリウム0.2gに水
道水を加えて容量を100ml(PH:8.4)に調整し、
これを培地とした。この培地を500ml容坂口フラ
スコに入れ、120℃で15分間、蒸気殺菌を行なつ
た。予め上記の培地と同じ培地で試験管振盪機に
て1日間増殖させた種菌10mlを上記の500ml容坂
口フラスコに添加し、30℃で3日間振盪培養し
た。培養後、この培養液を集め、遠心分離機で菌
体を除去後、得られた培養液上清に塩酸を加える
ことにより、この培養液上清のPHを3とした。生
じた沈澱を濾過し、充分水洗後、乾燥させること
により、12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルボン酸を950mg得た。 得られた12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸の一部を取
り、これにメタノールを加えて1%溶液とし、こ
の溶液10μをミクロボンダパツクC―18カラム
を備えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオ
ーターズ社製、HLC―GPC―244型)に注入し
た。移動相としてPH4.0に調整した水/メタノー
ルの25/75容量比の混合液を流速1ml/分で流
し、検出を屈折率方式で行なつた。得られた液体
クロマトグラムにおける各ピークの面積比を積分
計(島津製作所製、島津クロマトパツクC―
R1A)で求め、この面積比から上記の12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸の純度を求めたところ、93%で
あつた。 また、液体クロマトグラフのメインピークに相
当する物質を薄層クロマトグラフイーにより分取
し、下記の方法で12α―ヒドロキシプレグナ―
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸と
同定した。 マススペクトルm/z:358〔M〕+
リゲネス・フエカリスD4020菌株及びアルカリゲ
ネス・フエカリスD4020―H405菌株の同定を行
なつた。アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株
は、桿菌であること、周鞭毛を有していること、
グラム染色が陰性であることなどの顕微鏡的所見
並びにオキシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がと
もに陽性であること、好気性であること、O―F
テストの結果が酸化的(Oxidative)であること
などの生理学的性質からバージエイズ・マニユア
ル・オブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロ
ジー第7版及び第8版に基づき、アルカリゲネス
属に属する細菌であると同定した。さらにアルカ
リゲネス・フエカリスD4020菌株は、ゼラチンを
液化しない点、ミルクがアルカリ性となる以外に
変化しない点及び脱窒反応がない点から、アルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
同定した。また、一般に突然変異株はその親株と
同じ種に属するものと考えられており、アルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―H405菌株はアルカ
リゲネス属のフエカリス種に属する細菌であると
判定した。 本発明の方法による12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
及び/又はその塩の生産は、デオキシコール酸及
び/又はその塩を基質として12α―ヒドロキシプ
レグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カル
ボン酸及び/又はその塩を生産するアルカリゲネ
ス属に属する細菌を、デオキシコール酸及び/又
はその塩を含む培地に培養することにより行なわ
れる。デオキシコール酸の塩としては具体的には
デオキシコール酸のナトリウム、カリウムなどの
アルカリ金属の塩又はカルシウム、マグネシウム
などのアルカル土類金属の塩である。デオキシコ
ール酸及び/又はその塩の濃度は通常約1〜200
g/の範囲でよいが、生産される12α―ヒドロ
キシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α
―カルボン酸及び/又はその塩の収量、培養条件
及び操作性などの経済的観点から約10〜100g/
の範囲が好ましい。培養方法は原則的には一般
微生物の好気培養で採用される方法と同じである
が、通常は液体培地による振盪培養法又は通気撹
拌培養法が用いられる。培地としては上記のデオ
キシコール酸及び/又はその塩を基質として12α
―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オ
ン―20α―カルボン酸及び/又はその塩を生産す
るアルカリゲネス属に属する細菌が資化利用でき
る栄養源を含有するものであればよい。炭素源と
してはデオキシコール酸及び/又はその塩を単一
炭素源としてもよく、或いはデオキシコール酸及
び/又はその塩にグルコース、グリセリン、ペプ
トン、肉エキス、酵母エキスなどを併用してもよ
い。また窒素源としては、例えば硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムな
どの無機窒素源、又はポリペプトン、ペプトン、
肉エキスなどの有機窒素源が用いられる。また、
この他に燐酸水素2カリウム、燐酸2水素カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類が添加され
る。培養条件に特徴はないが、通常25〜35℃で10
時間〜7日間振盪培養又は通気撹拌培養を行な
う。 このようにして培養液中に蓄積された12α―ヒ
ドロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸及び/又はその塩は、既知の方
法により分離採取することができる。例えば、培
養液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分
離などにより分離除去して得られた培養濾液又は
上清に、塩酸、硫酸などの酸を加えて酸性とした
のち、上記カルボン酸を溶解しかつ水と相分離す
る有機溶媒、例えば酢酸エチル、クロロホルム、
クロロホルムとメタノールの混合液などを用いて
抽出する。得られた抽出液を集め、これにより溶
媒を溜去することによつて目的とする12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸を回収することができる。この
有機溶媒による抽出操作は培養濾液又は上清につ
いてのみでなく、培養液そのものについて行なう
ことができ、またこれらの培養液、培養濾液又は
上清に予め酸を加えることなしに行なうこともで
きる。上記において培養濾液又は上清を酸性とし
た場合には12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸が沈澱物と
して得られるため、これをそのまま濾過又は遠心
分離などにより回収することもできる。上記の方
法で得られた抽出物又は沈澱物中には12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸の他に残存基質のデオキシコー
ル及び/又はその塩並びに副生物がほとんど含ま
れておらず、例えば水/メタノールからの再結晶
により容易に高純度の12α―ヒドロキシプレグナ
―1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸
を取得することができる。 本発明の方法により得られる12α―ヒドロキシ
プレグナ―1,4―ジエン―3―オン―20α―カ
ルボン酸は、その20位のカルボン酸を脱離させる
ことによつてプレドニゾンなどのホルモン系ステ
ロイドの合成原料となる12α―ヒドロキシプレグ
ナ―1,4―ジエン―3,20―ジオンに誘導する
ことができる〔H.Ruschig et al.,Chem.Ber.,
88巻、883頁(1955年)参照〕。 以下実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 参考例 変異株の取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたアルカリゲネス・フエカリス
D4020菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、リン
酸1カリウム0.1%、リン酸2カリウム0.6%、硫
酸マグネシウム・7水和物0.02%及び酵母エキス
0.02%)の10mlに植菌し、30℃で8〜10時間振盪
培養した。この培養液の0.3mlを予め試験管に準
備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5%、水
酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、硝酸
アンモニウム0.2%、リン酸1カリウム0.1%、リ
ン酸2カリウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水
和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10mlに加
え、30℃で10〜15時間培養した。ついで、この対
数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレンフイル
ターで無菌的に濾過集菌し、0.1Mリン酸塩緩衝
液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25mlに
懸濁させた。これに終濃度が20μg/mlになるよ
うにN―メチル―N′―ニトロ―N―ニトロソグ
アニジンを添加し、30℃で10〜15分間振盪するこ
とにより突然変異処理を行なつた。突然変異処理
を施した菌体を0.4μのメンブレンフイルターで濾
過集菌し、0.1Mリン酸塩緩衝液(PH:7.0)20ml
で洗滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得られた
菌懸濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを培地
4(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナトリ
ウム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、リン酸1
カリウム0.1%、リン酸2カリウム0.6%、硫酸マ
グネシウム・7水和物0.02%、酵母エキス0.02%
及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜1000個のコ
ロニーを出現させるように塗布したのち、30℃で
3〜4日間培養した。出現したコロニー中の極小
コロニーを培地1のスラントに単離したのち、そ
の一白金耳を予め試験管に準備した培地5(組
成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナトリウム
0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニウム0.2
%、リン酸1カリウム0.1%、リン酸2カリウム
0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%及び
酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で24時
間振盪培養した。得られたそれぞれの培養液中の
生産物を薄層クロマトグラフイーにより検定し、
目的とする12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸を選択的に
蓄積している一菌株を見い出し、これをアルカリ
ゲネス・フエカリスD4020―H405菌株と命名し
た。 実施例 1 アルカリゲネス・フエカリスD4020菌株(微工
研条寄第182号)を次に示す方法で培養した。デ
オキシコール酸2.0g、硝酸アンモニウム0.2g、
燐酸2水素カリウム0.12g、燐酸水素2カリウム
0.61g、硫酸マグネシウム・7水和物0.02g、酵
母エキス0.02g及び水酸化ナトリウム0.2gに水
道水を加えて容量を100ml(PH:8.4)に調整し、
これを培地とした。この培地を500ml容坂口フラ
スコに入れ、120℃で15分間、蒸気殺菌を行なつ
た。予め上記の培地と同じ培地で試験管振盪機に
て1日間増殖させた種菌10mlを上記の500ml容坂
口フラスコに添加し、30℃で3日間振盪培養し
た。培養後、この培養液を集め、遠心分離機で菌
体を除去後、得られた培養液上清に塩酸を加える
ことにより、この培養液上清のPHを3とした。生
じた沈澱を濾過し、充分水洗後、乾燥させること
により、12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジ
エン―3―オン―20α―カルボン酸を950mg得た。 得られた12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―
ジエン―3―オン―20α―カルボン酸の一部を取
り、これにメタノールを加えて1%溶液とし、こ
の溶液10μをミクロボンダパツクC―18カラム
を備えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオ
ーターズ社製、HLC―GPC―244型)に注入し
た。移動相としてPH4.0に調整した水/メタノー
ルの25/75容量比の混合液を流速1ml/分で流
し、検出を屈折率方式で行なつた。得られた液体
クロマトグラムにおける各ピークの面積比を積分
計(島津製作所製、島津クロマトパツクC―
R1A)で求め、この面積比から上記の12α―ヒド
ロキシプレグナ―1,4―ジエン―3―オン―
20α―カルボン酸の純度を求めたところ、93%で
あつた。 また、液体クロマトグラフのメインピークに相
当する物質を薄層クロマトグラフイーにより分取
し、下記の方法で12α―ヒドロキシプレグナ―
1,4―ジエン―3―オン―20α―カルボン酸と
同定した。 マススペクトルm/z:358〔M〕+
Claims (1)
- 1 デオキシコール酸及び/又はその塩を基質と
して12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン
―3―オン―20α―カルボン酸及び/又はその塩
を生産するアルカリゲネス属に属する細菌を、デ
オキシコール酸及び/又はその塩を含む培地に培
養して12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエ
ン―3―オン―20α―カルボン酸及び/又はその
塩を生成せしめ、これを採取することを特徴とす
る12α―ヒドロキシプレグナ―1,4―ジエン―
3―オン―20α―カルボン酸及び/又はその塩の
製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1786682A JPS58134999A (ja) | 1982-02-05 | 1982-02-05 | 12α−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸及び/又はその塩の製造方法 |
| US06/434,560 US4520102A (en) | 1981-10-20 | 1982-10-15 | Microbial process for producing 12α-hydroxypregna-1,4-dien-3-one-20α-carboxylic acid |
| DE8282109555T DE3273215D1 (en) | 1981-10-20 | 1982-10-15 | Microbial process for producing 12-alpha-hydroxypregna-1,4-dien-3-one-20-alpha-carboxylic acid |
| EP82109555A EP0077544B1 (en) | 1981-10-20 | 1982-10-15 | Microbial process for producing 12-alpha-hydroxypregna-1,4-dien-3-one-20-alpha-carboxylic acid |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1786682A JPS58134999A (ja) | 1982-02-05 | 1982-02-05 | 12α−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸及び/又はその塩の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58134999A JPS58134999A (ja) | 1983-08-11 |
| JPH0121760B2 true JPH0121760B2 (ja) | 1989-04-24 |
Family
ID=11955579
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1786682A Granted JPS58134999A (ja) | 1981-10-20 | 1982-02-05 | 12α−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カルボン酸及び/又はその塩の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58134999A (ja) |
-
1982
- 1982-02-05 JP JP1786682A patent/JPS58134999A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58134999A (ja) | 1983-08-11 |
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