JPH0147156B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0147156B2 JPH0147156B2 JP57030898A JP3089882A JPH0147156B2 JP H0147156 B2 JPH0147156 B2 JP H0147156B2 JP 57030898 A JP57030898 A JP 57030898A JP 3089882 A JP3089882 A JP 3089882A JP H0147156 B2 JPH0147156 B2 JP H0147156B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- strain
- culture
- deoxycholic acid
- pseudomonas putida
- hydroxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明はデオキシコール酸及び/又はその塩か
ら微生物により12α−ヒドロキシアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオンを製造する方法
に関し、詳しくはシユードモナス・プチダD4014
−A1099(Pseudomonas putida D4014−A1099)
菌株(微工研条寄第207号)を、デオキシコール
酸及び/又はその塩を含む培地に培養して12α−
ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,
17−ジオンを生成せしめ、これを採取することを
特徴とする12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法に関す
る。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン
−3,17−ジオン(以下、12α−ヒドロキシADD
と称す)を得る方法として次に示す報告が見られ
る。まずバルネス(P.J.Barnes)らによつてシユ
ードモナス・エスピーNCIB 10590
(Pseudomonas sp.NCIB 10590)菌株を用いる
方法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun,(1974年),115〜116頁及び
Tetrahedron,32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸を0.1%含む無機
塩培地10でシユードモナス・エスピーNCIB
10590菌株を14時間好気的に培養しデオキシコー
ル酸10gから12β−ヒドロキシアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオン960mg及び12α
−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オ
ン−20α−カルボン酸657mgを主生産物としてお
り、微量成分として12α−ヒドロキシADDを得て
いるにすぎない。なお、この方法で使用されてい
るシユードモナス・SPーNCIB 10590菌株につい
ては、この菌株が動物糞便から採取されたシユー
ドモナス属に属する細菌であること以外には全く
報告されていない。また、オーエン(R.W.
Owen)らによる、バクテロイデス・フラギリス
XF23(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバ
クテロイデス・フラギリス・サブスピーシーズ・
セタイオタオミクロンE59(Bacteroides fragilis
subsp. thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデ
オキシコール酸から12α−ヒドロキシADD、12β
−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−
3,17−ジオン、12β−ヒドロキシ−4−アンド
ロステン−3,17−ジオン及び12α−ヒドロキシ
プレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カ
ルボン酸を得る方法〔Biochem.Soc.Trans,5
巻、1711〜1713頁(1977年)参照〕が知られてい
るが、これらの方法はいずれも嫌気性菌を用いて
おり、用いる基質が低濃度となること、培養に長
期間を要すること、目的物の収率が低いことなど
工業的に発酵生産するに当り種々の問題点を有す
る。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12α−ヒドロキシADDを生産する
微生物の探索を長期間行なつた結果、シユードモ
ナス・プチダに属する特定の細菌がデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を基質として12α−ヒドロ
キシADDを高選択率、高収率で生産することを
見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のシユードモナス・プチ
ダに属する細菌としては、シユードモナス・プチ
ダD4014−A1099(Pseudomonas putida D4014
−A1099)菌株(微工研条寄第207号)がある。
この菌株は土壌中より採取したシユードモナス・
プチダD4014(Pseudomonas putida D4014)菌
株(微工研条寄第205号)に突然変異処理を施し
て得られた変異株である。 本発明者らが得たシユードモナス・プチダ
D4014菌株及びシユードモナス・プチダD4014−
A1099菌株の菌学的性質を列挙すると次表のとお
りである。
ら微生物により12α−ヒドロキシアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオンを製造する方法
に関し、詳しくはシユードモナス・プチダD4014
−A1099(Pseudomonas putida D4014−A1099)
菌株(微工研条寄第207号)を、デオキシコール
酸及び/又はその塩を含む培地に培養して12α−
ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,
17−ジオンを生成せしめ、これを採取することを
特徴とする12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法に関す
る。 従来、デオキシコール酸に微生物を作用させて
12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン
−3,17−ジオン(以下、12α−ヒドロキシADD
と称す)を得る方法として次に示す報告が見られ
る。まずバルネス(P.J.Barnes)らによつてシユ
ードモナス・エスピーNCIB 10590
(Pseudomonas sp.NCIB 10590)菌株を用いる
方法が報告されている〔J.Chem.Soc.Chem.
Commun,(1974年),115〜116頁及び
Tetrahedron,32巻、89〜93頁(1976年)参照〕。
この方法は、デオキシコール酸を0.1%含む無機
塩培地10でシユードモナス・エスピーNCIB
10590菌株を14時間好気的に培養しデオキシコー
ル酸10gから12β−ヒドロキシアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオン960mg及び12α
−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3−オ
ン−20α−カルボン酸657mgを主生産物としてお
り、微量成分として12α−ヒドロキシADDを得て
いるにすぎない。なお、この方法で使用されてい
るシユードモナス・SPーNCIB 10590菌株につい
ては、この菌株が動物糞便から採取されたシユー
ドモナス属に属する細菌であること以外には全く
報告されていない。また、オーエン(R.W.
Owen)らによる、バクテロイデス・フラギリス
XF23(Bacteroides fragilis XF23)菌株又はバ
クテロイデス・フラギリス・サブスピーシーズ・
セタイオタオミクロンE59(Bacteroides fragilis
subsp. thetaiotaomicron E59)菌株を用いてデ
オキシコール酸から12α−ヒドロキシADD、12β
−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−
3,17−ジオン、12β−ヒドロキシ−4−アンド
ロステン−3,17−ジオン及び12α−ヒドロキシ
プレグナ−1,4−ジエン−3−オン−20α−カ
ルボン酸を得る方法〔Biochem.Soc.Trans,5
巻、1711〜1713頁(1977年)参照〕が知られてい
るが、これらの方法はいずれも嫌気性菌を用いて
おり、用いる基質が低濃度となること、培養に長
期間を要すること、目的物の収率が低いことなど
工業的に発酵生産するに当り種々の問題点を有す
る。 本発明者らはデオキシコール酸及び/又はその
塩を基質として12α−ヒドロキシADDを生産する
微生物の探索を長期間行なつた結果、シユードモ
ナス・プチダに属する特定の細菌がデオキシコー
ル酸及び/又はその塩を基質として12α−ヒドロ
キシADDを高選択率、高収率で生産することを
見出し、本発明を完成するに至つた。 本発明者らが得た上記のシユードモナス・プチ
ダに属する細菌としては、シユードモナス・プチ
ダD4014−A1099(Pseudomonas putida D4014
−A1099)菌株(微工研条寄第207号)がある。
この菌株は土壌中より採取したシユードモナス・
プチダD4014(Pseudomonas putida D4014)菌
株(微工研条寄第205号)に突然変異処理を施し
て得られた変異株である。 本発明者らが得たシユードモナス・プチダ
D4014菌株及びシユードモナス・プチダD4014−
A1099菌株の菌学的性質を列挙すると次表のとお
りである。
【表】
【表】
上記の表に示した菌学的性質の基づき、シユー
ドモナス・プチダD4014菌株及びシユードモナ
ス・プチダD4014−A1099菌株の同定を行なつ
た。シユードモナス・プチダD4014菌株は、桿菌
であること、極鞭毛を有していること、グラム染
色が陰性であることなどの顕微鏡的所見並びにオ
キシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がともに陽性
であること、好気性であること、O−Fテストの
結果が酸化的(Oxidative)であることなどの生
理学的性質からバージエイズ・マニユアル・オ
ブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロジー第
7版及び第8版に基づき、シユードモナス属に属
する細菌であると同定した。さらにシユードモナ
ス・プチダD4014菌株は、培養液が蛍光色を帯び
る点、ゼラチンを液化しない点、37℃で生育する
点、アルギニン・ジヒドラーゼを生成する点など
からシユードモナス属のプチダ種に属する細菌で
あると同定した。また、一般に突然変異株はその
親株と同じ種に属するものと考えられており、シ
ユードモナス・プチダD4014−A1099菌株はシユ
ードモナス属のプチダ種に属する細菌であると判
定した。 本発明の方法による12α−ヒドロキシADDの生
産は、デオキシコール酸及び/又はその塩を基質
として12α−ヒドロキシADDを生産するシユード
モナス・プチダに属する細菌を、デオキシコール
酸及び/又はその塩を含む培地に培養することに
より行なわれる。デオキシコール酸の塩としては
具体的にはデオキシコール酸のナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属の塩が挙げられる。デオ
キシコール酸及び/又はその塩の濃度は通常約1
〜100g/の範囲でよいが、生産される12α−
ヒドロキシADDの収量、培養条件及び操作性な
どの経済的観点から約2〜50g/の範囲が好ま
しい。培養方法は原則的には一般微生物の好気培
養で採用される方法と同じであるが、通常は液体
培地による振盪培養法又は通気撹拌培養法が用い
られる。培地は上記のデオキシコール酸及び/又
はその塩を基質として12α−ヒドロキシADDを生
産するシユードモナス・プチダに属する細菌が資
化利用できる栄養源を含有するものであればよ
い。炭素源としてはデオキシコール酸及び/又は
その塩を単一炭素源としてもよいが好ましくはデ
オキシコール酸及び/又はその塩にグルコース、
グリセリン、ペプトン、肉エキス、麦芽エキス、
酵母エキスなどを併用するのがよい。また窒素源
としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの無機窒素
源、又はポリペプトン、ペプトン、肉エキスなど
の有機窒素源が用いられる。また、この他に燐酸
水素2カリウム、燐酸2水素カリウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機塩類が添加される。培養条件
に特徴はないが、通常25〜35℃で10時間〜7日間
振盪培養又は通気撹拌培養を行なう。 このようにして培養液中に蓄積された12α−ヒ
ドロキシADDを分離、採取するには、培養液を
アルカリ性にしたのち、12α−ヒドロキシADDを
溶解しかつ水と相分離する有機溶媒、例えば酢酸
エチル、クロロホルム、クロロホルムとメタノー
ルの混合液などを用いて抽出する方法が採られ
る。この有機溶媒による抽出は、菌体を含んだ状
態の培養液について行なつてもよいし、予め培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清について行なつてもよい。後者の抽出方法を採
る場合には、必要に応じて濾過又は遠心分離など
によつて分離除去される不溶成分について上記の
有機溶媒による抽出操作を行なうことにより、培
養液中に析出又は沈澱している12α−ヒドロキシ
ADDを回収することができる。このようにして
得られた抽出液を集め、これより溶媒を溜去する
ことによつて目的とする12α−ヒドロキシADDを
ほぼ全量回収することができる。得られた抽出物
中には12α−ヒドロキシADDの他に残存基質のデ
オキシコール及び/又はその塩並びに副生物がほ
とんど含まれておらず、例えば酢酸エチル、ジク
ロルメタン/メタノールなどから再結晶すること
により高純度の12α−ヒドロキシADDを取得する
ことができる。 本発明の方法により得られる12α−ヒドロキシ
ADDは、そのA環を部分水添し12位のヒドロキ
シ基を化学的に除去することによつて利尿剤とし
て有用なスピロノラクトンなどのステロイドの合
成原料となる4−アンドロステン−3,17−ジオ
ンに誘導することができる。例えば、12α−ヒド
ロキシADDをトリス(トリフエニルホスフイン)
クロロロジウムを用いて部分水添することにより
12α−ヒドロキシ−4−アンドロステン−3,17
−ジオンを得〔C.Djerassi and J.Gutzwiller,J.
Am.Chem.Soc.,88巻.4538〜4539頁(1966年)
参照〕、この12α−ヒドロキシ−4−アンドロス
テン−3,17−ジオンを2−メチル−2−エチル
−1,3−ジオキソランと反応させることにより
3位と17位のケト基が保護された12α−ヒドロキ
シ−5−アンドロステン−3,17−ジオン−3,
17−ビス(エチレンアセタール)を得る〔G.
Rosenkranz et al.,J.Am.Chem.Soc.,76巻.
5024〜5026頁(1954年)参照〕。このアセタール
をp−トルエンスルホニルクロリドでトシル化
し、水素化トリエチルホウ素リチウムで還元して
12位のヒドロキシル基を脱離後、鉱酸/アセトン
で処理して3位と17位の保護基を脱離させること
により4−アンドロステン−3,17−ジオンとす
ることができる。 以下実施例及び参考例によつて本発明をさらに
詳細に説明する。 参考例 シユードモナス・プチダD4014−A1099菌株の
取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたシユードモナス・プチダ
D4014菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸グネシウム・7水和物0.02%及び酵母エ
キス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で14〜15時間
振盪培養した。この培養液の0.3mlを予め試験管
に準備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5
%、水酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、
硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1
%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10
mlに加え、30℃で8〜9時間培養した。ついで、
この対数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレン
フイルターで無菌的に濾過集菌し、0.1M燐酸塩
緩衝液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25
mlに懸濁させた。これに終濃度が50μg/mlにな
るようにN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロ
ソグアニジンを添加し、3〜4分放置することに
より突然変異処理を行なつた。突然変異処理を施
した菌体を0.45μのメンブレンフイルターで濾過
集菌し、0.1M燐酸塩緩衝液(PH:7.0)20mlで洗
滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得られた菌懸
濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを培地4
(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナトリウ
ム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素
カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸
マグネシウム・7水和物0.02%、酵母エキス0.02
%及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜1000個の
コロニーを出現させるように塗布したのち、30℃
で3〜4日間培養した。出現したコロニー中の極
小コロニーを培地1のスラントに単離したのち、
その一白金耳を予め試験管に準備した培地5(組
成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナトリウム
0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニウム0.2
%、燐酸2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリ
ウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%
及び酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で
24時間振盪培養した。得られたそれぞれの培養液
中の生産物を薄層クロマトグラフイーにより検定
し、目的とする12α−ヒドロキシADDを選択的に
蓄積している一菌株を見い出し、これをシユード
モナス・プチダD4014−A1099と命名した。 実施例 1 シユードモナス・プチダD4014−A1099菌株
(微工研条寄第207号)を次に示す方法で培養し
た。デオキシコール酸0.5g、グルコース0.1g、
硝酸アンモニウム0.2g、燐酸2水素カリウム0.1
g、燐酸水素2カリウム0.6g、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02g、酵母エキス0.02g及び水酸
化ナトリウム0.05gに水道水を加えて容量を100
ml(PH:8.4)に調整し、これを培地とした。こ
の培地を500ml容坂口フラスコに入れ、120℃で15
分間、蒸気殺菌を行なつた。予め上記の培地と同
じ培地で試験管振盪機にて15時間増殖させた種菌
の10mlを上記の500ml容坂口フラスコに添加し、
30℃で28時間振盪培養した。培養後、この培養液
を集め、遠心分離機で菌体を除去後、得られた培
養液上清に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加
えることにより、この培養液上清のPHを12附近に
調整した。ついで、培養液上清を酢酸エチル300
mlで抽出し、抽出液から酢酸エチルをロータリ
ー・エバポレーターで溜去することにより12α−
ヒドロキシADDを360mgを得た。 得られた12α−ヒドロキシADDの一部を取り、
これにメタノールを加えて2%溶液とし、この溶
液25μをミクロボンダパツクC−18カラムを備
えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオータ
ーズ社製、HLC−GPC−244型)に注入した。移
動相としてPH4.0に調整した水/メタノールの
30/70容量比の混合液を流速1ml/分で流し、検
出を屈折率方式で行なつた。得られた液体クロマ
トグラムにおける各ピークの面積比を積分計(島
津製作所製、島津クロマトパツクC−R1A)で
求め、この面積比から上記の12α−ヒドロキシ
ADDの純度を求めたところ、99.5%であつた。 また、上記で得られた12α−ヒドロキシADDの
確認を下記の方法で行なつた。 マススペクトルm/z:300〔M〕+
ドモナス・プチダD4014菌株及びシユードモナ
ス・プチダD4014−A1099菌株の同定を行なつ
た。シユードモナス・プチダD4014菌株は、桿菌
であること、極鞭毛を有していること、グラム染
色が陰性であることなどの顕微鏡的所見並びにオ
キシダーゼ反応及びカタラーゼ反応がともに陽性
であること、好気性であること、O−Fテストの
結果が酸化的(Oxidative)であることなどの生
理学的性質からバージエイズ・マニユアル・オ
ブ・デイターミネイテイブ・バクテリオロジー第
7版及び第8版に基づき、シユードモナス属に属
する細菌であると同定した。さらにシユードモナ
ス・プチダD4014菌株は、培養液が蛍光色を帯び
る点、ゼラチンを液化しない点、37℃で生育する
点、アルギニン・ジヒドラーゼを生成する点など
からシユードモナス属のプチダ種に属する細菌で
あると同定した。また、一般に突然変異株はその
親株と同じ種に属するものと考えられており、シ
ユードモナス・プチダD4014−A1099菌株はシユ
ードモナス属のプチダ種に属する細菌であると判
定した。 本発明の方法による12α−ヒドロキシADDの生
産は、デオキシコール酸及び/又はその塩を基質
として12α−ヒドロキシADDを生産するシユード
モナス・プチダに属する細菌を、デオキシコール
酸及び/又はその塩を含む培地に培養することに
より行なわれる。デオキシコール酸の塩としては
具体的にはデオキシコール酸のナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属の塩が挙げられる。デオ
キシコール酸及び/又はその塩の濃度は通常約1
〜100g/の範囲でよいが、生産される12α−
ヒドロキシADDの収量、培養条件及び操作性な
どの経済的観点から約2〜50g/の範囲が好ま
しい。培養方法は原則的には一般微生物の好気培
養で採用される方法と同じであるが、通常は液体
培地による振盪培養法又は通気撹拌培養法が用い
られる。培地は上記のデオキシコール酸及び/又
はその塩を基質として12α−ヒドロキシADDを生
産するシユードモナス・プチダに属する細菌が資
化利用できる栄養源を含有するものであればよ
い。炭素源としてはデオキシコール酸及び/又は
その塩を単一炭素源としてもよいが好ましくはデ
オキシコール酸及び/又はその塩にグルコース、
グリセリン、ペプトン、肉エキス、麦芽エキス、
酵母エキスなどを併用するのがよい。また窒素源
としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの無機窒素
源、又はポリペプトン、ペプトン、肉エキスなど
の有機窒素源が用いられる。また、この他に燐酸
水素2カリウム、燐酸2水素カリウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機塩類が添加される。培養条件
に特徴はないが、通常25〜35℃で10時間〜7日間
振盪培養又は通気撹拌培養を行なう。 このようにして培養液中に蓄積された12α−ヒ
ドロキシADDを分離、採取するには、培養液を
アルカリ性にしたのち、12α−ヒドロキシADDを
溶解しかつ水と相分離する有機溶媒、例えば酢酸
エチル、クロロホルム、クロロホルムとメタノー
ルの混合液などを用いて抽出する方法が採られ
る。この有機溶媒による抽出は、菌体を含んだ状
態の培養液について行なつてもよいし、予め培養
液中の菌体その他の不溶成分を濾過又は遠心分離
などにより分離除去し、得られた培養濾液又は上
清について行なつてもよい。後者の抽出方法を採
る場合には、必要に応じて濾過又は遠心分離など
によつて分離除去される不溶成分について上記の
有機溶媒による抽出操作を行なうことにより、培
養液中に析出又は沈澱している12α−ヒドロキシ
ADDを回収することができる。このようにして
得られた抽出液を集め、これより溶媒を溜去する
ことによつて目的とする12α−ヒドロキシADDを
ほぼ全量回収することができる。得られた抽出物
中には12α−ヒドロキシADDの他に残存基質のデ
オキシコール及び/又はその塩並びに副生物がほ
とんど含まれておらず、例えば酢酸エチル、ジク
ロルメタン/メタノールなどから再結晶すること
により高純度の12α−ヒドロキシADDを取得する
ことができる。 本発明の方法により得られる12α−ヒドロキシ
ADDは、そのA環を部分水添し12位のヒドロキ
シ基を化学的に除去することによつて利尿剤とし
て有用なスピロノラクトンなどのステロイドの合
成原料となる4−アンドロステン−3,17−ジオ
ンに誘導することができる。例えば、12α−ヒド
ロキシADDをトリス(トリフエニルホスフイン)
クロロロジウムを用いて部分水添することにより
12α−ヒドロキシ−4−アンドロステン−3,17
−ジオンを得〔C.Djerassi and J.Gutzwiller,J.
Am.Chem.Soc.,88巻.4538〜4539頁(1966年)
参照〕、この12α−ヒドロキシ−4−アンドロス
テン−3,17−ジオンを2−メチル−2−エチル
−1,3−ジオキソランと反応させることにより
3位と17位のケト基が保護された12α−ヒドロキ
シ−5−アンドロステン−3,17−ジオン−3,
17−ビス(エチレンアセタール)を得る〔G.
Rosenkranz et al.,J.Am.Chem.Soc.,76巻.
5024〜5026頁(1954年)参照〕。このアセタール
をp−トルエンスルホニルクロリドでトシル化
し、水素化トリエチルホウ素リチウムで還元して
12位のヒドロキシル基を脱離後、鉱酸/アセトン
で処理して3位と17位の保護基を脱離させること
により4−アンドロステン−3,17−ジオンとす
ることができる。 以下実施例及び参考例によつて本発明をさらに
詳細に説明する。 参考例 シユードモナス・プチダD4014−A1099菌株の
取得方法 培地1(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化
ナトリウム0.05%、ペプトン0.5%、酵母エキス
0.5%、塩化ナトリウム0.5%及び寒天1.5%)のス
ラントに生育させたシユードモナス・プチダ
D4014菌株の一白金耳を、予め試験管内に準備し
た培地2(組成:デオキシコール酸2%、水酸化
ナトリウム0.2%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸
2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6
%、硫酸グネシウム・7水和物0.02%及び酵母エ
キス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で14〜15時間
振盪培養した。この培養液の0.3mlを予め試験管
に準備した培地3(組成:デオキシコール酸0.5
%、水酸化ナトリウム0.05%、グルコース0.1%、
硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素カリウム0.1
%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02%及び酵母エキス0.02%)の10
mlに加え、30℃で8〜9時間培養した。ついで、
この対数増殖期にある菌体を0.45μのメンブレン
フイルターで無菌的に濾過集菌し、0.1M燐酸塩
緩衝液(PH:7.0)20mlで洗滌後、同じ緩衝液25
mlに懸濁させた。これに終濃度が50μg/mlにな
るようにN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロ
ソグアニジンを添加し、3〜4分放置することに
より突然変異処理を行なつた。突然変異処理を施
した菌体を0.45μのメンブレンフイルターで濾過
集菌し、0.1M燐酸塩緩衝液(PH:7.0)20mlで洗
滌後、同じ緩衝液20mlに懸濁した。得られた菌懸
濁液を滅菌生理食塩水で希釈し、それを培地4
(組成:デオキシコール酸0.5%、水酸化ナトリウ
ム0.05%、硝酸アンモニウム0.2%、燐酸2水素
カリウム0.1%、燐酸水素2カリウム0.6%、硫酸
マグネシウム・7水和物0.02%、酵母エキス0.02
%及び寒天1.5%)の寒天平板上に500〜1000個の
コロニーを出現させるように塗布したのち、30℃
で3〜4日間培養した。出現したコロニー中の極
小コロニーを培地1のスラントに単離したのち、
その一白金耳を予め試験管に準備した培地5(組
成:デオキシコール酸0.2%、水酸化ナトリウム
0.02%、グルコース0.1%、硝酸アンモニウム0.2
%、燐酸2水素カリウム0.1%、燐酸水素2カリ
ウム0.6%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%
及び酵母エキス0.02%)の10mlに植菌し、30℃で
24時間振盪培養した。得られたそれぞれの培養液
中の生産物を薄層クロマトグラフイーにより検定
し、目的とする12α−ヒドロキシADDを選択的に
蓄積している一菌株を見い出し、これをシユード
モナス・プチダD4014−A1099と命名した。 実施例 1 シユードモナス・プチダD4014−A1099菌株
(微工研条寄第207号)を次に示す方法で培養し
た。デオキシコール酸0.5g、グルコース0.1g、
硝酸アンモニウム0.2g、燐酸2水素カリウム0.1
g、燐酸水素2カリウム0.6g、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.02g、酵母エキス0.02g及び水酸
化ナトリウム0.05gに水道水を加えて容量を100
ml(PH:8.4)に調整し、これを培地とした。こ
の培地を500ml容坂口フラスコに入れ、120℃で15
分間、蒸気殺菌を行なつた。予め上記の培地と同
じ培地で試験管振盪機にて15時間増殖させた種菌
の10mlを上記の500ml容坂口フラスコに添加し、
30℃で28時間振盪培養した。培養後、この培養液
を集め、遠心分離機で菌体を除去後、得られた培
養液上清に1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加
えることにより、この培養液上清のPHを12附近に
調整した。ついで、培養液上清を酢酸エチル300
mlで抽出し、抽出液から酢酸エチルをロータリ
ー・エバポレーターで溜去することにより12α−
ヒドロキシADDを360mgを得た。 得られた12α−ヒドロキシADDの一部を取り、
これにメタノールを加えて2%溶液とし、この溶
液25μをミクロボンダパツクC−18カラムを備
えた高速液体クロマトグラフイー(米国ウオータ
ーズ社製、HLC−GPC−244型)に注入した。移
動相としてPH4.0に調整した水/メタノールの
30/70容量比の混合液を流速1ml/分で流し、検
出を屈折率方式で行なつた。得られた液体クロマ
トグラムにおける各ピークの面積比を積分計(島
津製作所製、島津クロマトパツクC−R1A)で
求め、この面積比から上記の12α−ヒドロキシ
ADDの純度を求めたところ、99.5%であつた。 また、上記で得られた12α−ヒドロキシADDの
確認を下記の方法で行なつた。 マススペクトルm/z:300〔M〕+
Claims (1)
- 1 シユードモナス・プチダD4014−A1099
(Pseudomonas putida D4014−A1099)菌株
(微工研条寄第207号)を、デオキシコール酸及
び/又はその塩を含む培地に培養して12α−ヒド
ロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオンを生成せしめ、これを採取することを特徴
とする12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−
ジエン−3,17−ジオンの製造法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3089882A JPS58149698A (ja) | 1982-02-26 | 1982-02-26 | 12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
| EP83400341A EP0088007B1 (en) | 1982-02-26 | 1983-02-18 | Microbial process for producing 12-hydroxyandrosta-1,4-diene-3,17-dione |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3089882A JPS58149698A (ja) | 1982-02-26 | 1982-02-26 | 12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58149698A JPS58149698A (ja) | 1983-09-06 |
| JPH0147156B2 true JPH0147156B2 (ja) | 1989-10-12 |
Family
ID=12316545
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3089882A Granted JPS58149698A (ja) | 1982-02-26 | 1982-02-26 | 12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58149698A (ja) |
-
1982
- 1982-02-26 JP JP3089882A patent/JPS58149698A/ja active Granted
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| TETRAGEDRON=1976 * |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58149698A (ja) | 1983-09-06 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2719377B2 (ja) | 9α―ヒドロキシ―17―ケトステロイドの微生物学的製法 | |
| EP0011235B1 (en) | 9-alpha-hydroxy-3-oxopregna-4,17(20)-diene-20-carboxylic acid and its methyl ester and methods for the microbiological production thereof | |
| US4520102A (en) | Microbial process for producing 12α-hydroxypregna-1,4-dien-3-one-20α-carboxylic acid | |
| JPH0215197B2 (ja) | ||
| US4867914A (en) | Pregnane derivatives and method of producing the same | |
| JPS6155953B2 (ja) | ||
| US4592868A (en) | 11-hydroxypregn-4-en-3-one-20-carbaldehyde and a method for its production | |
| US3481974A (en) | 3-alkoxy - 14-oxo-17beta-ol-8,14-secoestra-1,3,5(10),9(11) - tetraenes and ester derivatives | |
| JPH0121760B2 (ja) | ||
| JPH0359915B2 (ja) | ||
| EP0518661A1 (en) | Microbial conversion of bile acids | |
| JPH0120878B2 (ja) | ||
| JPS5856693A (ja) | ステロイド生物変換方法及び生成物 | |
| JPH0420600B2 (ja) | ||
| EP0088007B1 (en) | Microbial process for producing 12-hydroxyandrosta-1,4-diene-3,17-dione | |
| JPS58149698A (ja) | 12α−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造法 | |
| US5275936A (en) | Process for the preparation of 1-methyl-1,4-androstadiene-3,17-dione | |
| JP3862277B2 (ja) | 新規な胆汁酸変換微生物 | |
| JPH0573394B2 (ja) | ||
| JP3917069B2 (ja) | 7α−ヒドロキシ−プレグナ−4−エン−3−オン−20−カルバルデヒドの製造方法 | |
| JPS5863396A (ja) | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法 | |
| JPS5863397A (ja) | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法 | |
| JPH0262234B2 (ja) | ||
| JPS5886096A (ja) | 12β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法 | |
| JPH0614875B2 (ja) | ステロイド類の11β位の水酸化法 |