JPH0586941B2 - - Google Patents
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- JPH0586941B2 JPH0586941B2 JP62053519A JP5351987A JPH0586941B2 JP H0586941 B2 JPH0586941 B2 JP H0586941B2 JP 62053519 A JP62053519 A JP 62053519A JP 5351987 A JP5351987 A JP 5351987A JP H0586941 B2 JPH0586941 B2 JP H0586941B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
本発明は第一菊酸類のラセミ化方法に関し、さ
らに詳しくは一般式()
らに詳しくは一般式()
【化】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。) で示される光学活性な第一菊酸類を過酸化物また
はアゾ化合物の存在下に、臭素を作用させること
を特徴とする光学活性第一菊酸類のラセミ化方法
に関する。 <従来の技術、発明が解決しようとする問題点> 第一菊酸は、低毒速効性殺虫剤として有用なピ
レトリン、アレスリン、フタルスリンなどのいわ
ゆるピレスロイド系殺虫剤としてよく知られてい
るエステル類の酸成分を構成するものであり、前
記一般式()で示される第一菊酸類は、これら
のピレスロイド系殺虫剤の原料として有用であ
る。 前記一般式()で示される第一菊酸類にはシ
ス、トランスの幾何異性体があり、またその各々
に(+)および(−)の光学異性体があることか
ら、合計4種の異性体が存在する。一般に、これ
らの異性体の中、トランス体から導びかれるピレ
スロイド系エステル類は対応するシス体から導び
れるピレスロイド系エステル類よりも強い殺虫活
性を示し、さらに(+)体のエステル類が対応す
る(−)体のエステル類よりも遥かに高い活性を
示すことが知られている。 第一菊酸は通常シス体、トランス体の混合した
ラセミ体、即ち(±)体として製造され、これを
光学活性な有機塩基を用いて光学分割することに
より(+)体が得られ、より高活性な殺虫性化合
物の製造に使用されている。ここで光学分割され
た残りの(−)体はそのピレスロイド系のエステ
ルとしての活性が効率よくラセミ化し、上記の光
学分割の原料として供し得るようにすることは、
特に工業的期模での(+)体の生産時においては
大きな課題となる。 しかしながら、前記のように、一般式()で
示されるシクロプロパンカルボン酸にはC1位と
C3位に2個の不斉炭素を有するため、そのセラ
ミ化には種々の困難を伴なう。 第一菊酸類のラセミ化方法として本発明者らは
先に、光学活性第一菊酸を酸ハライドとして、こ
れにルイス酸を触媒として作用させることによる
ラセミ化方法(特公昭58−37858号公報、特開昭
52−144651号公報)、光学活性なシクロプロパン
カルボン酸の無水物にヨウ素を作用させることに
よるラセミ化方法(特開昭57−163341号公報)、
および第一菊酸誘導体に臭化ホウ素や臭化アルミ
という特殊な触媒を作用させることによるラセミ
化方法(特開昭60−174744号公報、特開昭61−
5045号公報)を提案している。 本発明者らはその後さらに種々検討を重ねた結
果、臭素は一般式()で示される光学活性第一
菊酸類に対しそれ単独でほとんどラセミ化作用を
示さないにもかかわらず、これを過酸化物または
アゾ化合物と共用することにより意外にも極めて
好都合に、ラセミ化が進行することを見出し、こ
れに種々の検討を加えて、本発明を完成するに至
つた。 <問題点を解決するための手段> すなわち本発明は一般式()
ル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。) で示される光学活性な第一菊酸類を過酸化物また
はアゾ化合物の存在下に、臭素を作用させること
を特徴とする光学活性第一菊酸類のラセミ化方法
に関する。 <従来の技術、発明が解決しようとする問題点> 第一菊酸は、低毒速効性殺虫剤として有用なピ
レトリン、アレスリン、フタルスリンなどのいわ
ゆるピレスロイド系殺虫剤としてよく知られてい
るエステル類の酸成分を構成するものであり、前
記一般式()で示される第一菊酸類は、これら
のピレスロイド系殺虫剤の原料として有用であ
る。 前記一般式()で示される第一菊酸類にはシ
ス、トランスの幾何異性体があり、またその各々
に(+)および(−)の光学異性体があることか
ら、合計4種の異性体が存在する。一般に、これ
らの異性体の中、トランス体から導びかれるピレ
スロイド系エステル類は対応するシス体から導び
れるピレスロイド系エステル類よりも強い殺虫活
性を示し、さらに(+)体のエステル類が対応す
る(−)体のエステル類よりも遥かに高い活性を
示すことが知られている。 第一菊酸は通常シス体、トランス体の混合した
ラセミ体、即ち(±)体として製造され、これを
光学活性な有機塩基を用いて光学分割することに
より(+)体が得られ、より高活性な殺虫性化合
物の製造に使用されている。ここで光学分割され
た残りの(−)体はそのピレスロイド系のエステ
ルとしての活性が効率よくラセミ化し、上記の光
学分割の原料として供し得るようにすることは、
特に工業的期模での(+)体の生産時においては
大きな課題となる。 しかしながら、前記のように、一般式()で
示されるシクロプロパンカルボン酸にはC1位と
C3位に2個の不斉炭素を有するため、そのセラ
ミ化には種々の困難を伴なう。 第一菊酸類のラセミ化方法として本発明者らは
先に、光学活性第一菊酸を酸ハライドとして、こ
れにルイス酸を触媒として作用させることによる
ラセミ化方法(特公昭58−37858号公報、特開昭
52−144651号公報)、光学活性なシクロプロパン
カルボン酸の無水物にヨウ素を作用させることに
よるラセミ化方法(特開昭57−163341号公報)、
および第一菊酸誘導体に臭化ホウ素や臭化アルミ
という特殊な触媒を作用させることによるラセミ
化方法(特開昭60−174744号公報、特開昭61−
5045号公報)を提案している。 本発明者らはその後さらに種々検討を重ねた結
果、臭素は一般式()で示される光学活性第一
菊酸類に対しそれ単独でほとんどラセミ化作用を
示さないにもかかわらず、これを過酸化物または
アゾ化合物と共用することにより意外にも極めて
好都合に、ラセミ化が進行することを見出し、こ
れに種々の検討を加えて、本発明を完成するに至
つた。 <問題点を解決するための手段> すなわち本発明は一般式()
【化】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。) で示される光学活性第一菊酸類を、過酸化物また
はアゾ化合物の存在下に、臭素を作用させること
を特徴とする光学活性第一菊酸類の工業的に優れ
たラセミ化方法を提供するものである。 本発明方法によれば、他の誘導体に導くことな
しに、光学活性第一菊酸そのもの、あるいはその
エステルのままでラセミ化させることができるこ
とから極めて有利であり、さらに種々の光学分割
法によつて分離除去される菊酸類、例えば光学分
割剤を用いる物理化学的分割法によりり分離され
る無効な(−)−第一菊酸、あるいは酵素等によ
る生化学的分割法において分離除去される(−)
−第一菊酸エステルなどを直接、効率よく有効利
用することが可能となる。 更に、本発明によれば工業原料として一般的で
しかも水分に対しても安定で取り扱い易い臭素を
利用することができるので殊に工業的な実施時に
おいて有利になる。 以下に本発明方法について詳細に説明する。 本発明の原料である一般式()で示される光
学活性第一菊酸類としては、例えば第一菊酸、第
一菊酸メチル、第一菊酸エチル、第一菊酸プロピ
ル、第一菊酸ブチル、第一菊酸シクロヘキシル、
第一菊酸シクロヘキシルメチル、第一菊酸ベンジ
ル等の光学活性体が挙げられる。 第一菊酸類にはそれぞれ4種の異性体が存在す
るが、その中の1種単独、またはこれらの任意の
割合の混合物を用いることができ、また光学純度
はどの程度のものでも差しつかえないが、本発明
の目的から考えて(−)体または(−)体に富む
カルボン酸類を用いる時に、その意義を発揮する
ことは言うまでもない。 本発明方法において使用される臭素の使用量は
被処理第一菊酸類1モルに対し通常1/1000〜1/4
モルの範囲である。 アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4′−アゾ
ビス−4−シアノペンタノイツクアシツド、2−
フエニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシ
バレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾ
ホルムアミドなどのアゾニトリル類、アゾビスイ
ソブタノールジアセテート、アゾビスイソ酪酸メ
チル、アゾビスイソ酪酸エチルなどのアゾエステ
ル類、アゾ−t−ブタンなどのアルキルアゾ類等
が挙げられる。好ましくはアゾニトリル類、アゾ
エステル類が用いられる。 またその使用量は前記臭素1モルに対して通常
1/20〜5モル、好ましくは/10〜2モルの範囲で
ある。 また過酸化物としては例えば、過酸化水素、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類の酸化によつて生成するハイドロパーオキサ
イド、キユメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの
ハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド類、t−ブチルパーベンゾエー
ト、t−ブチルパーアセテート、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパ
ーオキシジカーボネートなどのパーオキシエステ
ル類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオ
キサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類、過酢酸などの過酸類等が挙げられる。
これらの中ではジアシルパーオキサイド類、パー
オキシエステル類が好ましく用いられる。 過酸化物の使用量は臭素1モルに対して通常1/
20〜5モル、好ましくは1/10〜2モルの範囲であ
る。 反応を行なう際しては不活性溶媒を使用するこ
とが好ましく、そのような溶媒としては飽和炭化
水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン化
物、エーテル類などを挙げることができる。 反応温度は用いる過酸化物、アゾ化合物により
異なり、−20℃〜当該第一菊酸エステルの沸点
(溶媒を使用する場合は用いる溶媒の沸点)の範
囲で任意であるが、通常40℃〜100℃の範囲であ
る。 反応に要する時間は臭素および過酸化物、アゾ
化合物の使用量や反応温度によつても変わり得る
が通常数分〜7時間で充分その目的を達成するこ
とができる。 本発明方法を実施するに際しては、通常、溶媒
の存在下に被処理第一菊酸類と過酸化物、または
アゾ化合物を混合し、次いでこれに臭素を加える
か、あるいは、被処理第一菊酸類を溶媒に溶解
し、次いでこれに過酸化物またはアゾ化合物と臭
素とを併注する操作により行なわれる。 尚、反応の進行度は反応液の一部をサンプリン
グして施光度と測定するかガスクロマトグラフイ
ー等による分析で求めることができる。 <発明の効果> 本発明方法によれば、他の誘導体に導くことな
しに、光学活性第一菊酸そのもの、あるいはその
エステルのままでラセミ化させることができるこ
とから極めて有利であり、さらに種々の光学分割
法によつて分離除去される菊酸類、例えば光学分
割剤を用いる物理化学的分割法により分離される
無効な(−)−第一菊酸あるいは酵素等による生
化学的分割法において分離除去される(−)−第
一菊酸エステルなどを直接、効率よく有効利用す
ることが可能となる。 更に、本発明によれば工業原料としてより一般
的な臭素を利用することができることから、殊に
工業的な実施時において有利になる。 また、本発明方法において得られるラセミ体
は、より有効なトランス体に富み、この点におい
ても本発明方法は有利である。 <実施例> 次に、実施例によつて、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるも
のではない。 実施例 1 左旋性第一菊酸((+)−シス体1.8%、(−)−
シス体17.6%、(+)−トランス体10.1%、(−)−
トランス体70.5%からなる)10.0gをトルエン20
mlに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル97mgを
加え、80℃で撹拌しながら臭素0.48gの四塩化炭
素溶液を15分で滴下した。 反応後、希塩酸を加えて撹拌、分液後、有機層
を27gの10%カセイソーダ水溶液で2回抽出し、
得られる水層を塩酸酸性にしてトルエンで2回抽
出した。トルエン層を水洗し、硫酸ソーダで乾燥
したのち減圧下に溶媒を留去し、次で残留液を蒸
留して沸点110〜119℃/2.5mmHgの留分8.78gを
得た。このものは赤外線吸収スペクトルより菊酸
であることが確認された。 該留出液の一部を(+)−2−オクチルエステ
ルに誘導し、ガスクロマトグラフイーで光学異性
体比率を測定したところ(+)−シス体3.1%、
(−)−シス体8.2%、(+)−トランス体44.5%、
(−)−トランス体49.2%であつた。 実施例 2 窒素雰囲気下で、100mlフラスコに実施例1で
用いたのと同じ第一菊酸10.0g、トルエン20ml及
びt−ブチル過安息香酸0.58gを加え100℃で撹拌
しながら臭素0.58gの四塩化炭素溶液を滴下し、
同温度で20分撹拌した。 反応後、水を加えて洗浄し、得られた有機層に
10%水酸化ナトリウム水溶液28.6gを加え約40℃
に加温しながら撹拌し分液した。 水層を希硫酸で中和し、トルエンで抽出後、有
機層を水洗した。このトルエン溶液を濃縮後蒸留
し、沸点110〜119℃/2.5mmHgの留出液8.1gを得
た。このものの赤外線吸収スペクトルは第一菊酸
のそれと一致した。 該留出液の一部を実施例1と同様にして第一菊
酸の光学異性体比率を測定したところ、(+)−シ
ス体3.3%、(−)−シス体3.3%、(+)−トランス
体44.5%、(−)−シス体48.9%であつた。 実施例 3 実施例1で用いたのと同じ第一菊酸10.0gアゾ
ビスイソブチロニトリル0.24gをクロルベンゼン
20mlに溶解し、80℃で撹拌しながら、臭素0.48g
の四塩化炭素溶液を滴下した。 反応後実施例1と同様に処理して第一菊酸8.2g
を得た。光学異性体比率は(+)−シス体3.1%、
(−)−シス体3.1%、(+)−トランス体46.0%、
(−)−トランス体47.8%であつた。 実施例 4 反応溶媒にジオキサンを用いた他は実施例3と
同様に行ない、第一菊酸8.1gを得た。光学異性体
比率は(+)−シス体3.1%、(−)−シス体3.1%、
(+)−トランス体44.4%、(−)−トランス体49.4
%であつた。 実施例 5 実施例1で用いたのと同じ第一菊酸10.0gと過
酸化ベンゾイル0.31gをトルエン20mlに溶解し、
80℃で撹拌しながら、臭素0.95gの四塩化炭素溶
液を滴下した。 反応後は実施例1と同様に処理して第一菊酸
8.2gを得た。光学異性体比率は(+)−シス体3.3
%、(−)−シス体3.3%、(+)−トランス体44.4
%、(−)−トランス体49.0%であつた。 実施例 6 100ml容のフラスコに窒素気流中で(+)−シス
体1.8%、(−)−シス体18.3%、(+)−トランス
体11.1%、(−)−トランス体68.8%からなる第一
菊酸のエチルエステル5.0g、トルエン20mlおよび
過酸化ベンゾイル0.49gを入れこれに80℃で撹拌
しながら臭素0.41gの四塩化炭素溶液を滴下し、
0.5時間撹拌した。反応後、2%水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え抽出を行い、有機層を水洗した。
得られた有機層を減圧下に濃縮後蒸留し、沸点85
〜88℃/mmHgの留出液4.1gを得た。 このものは赤外線吸収スペクトルより第一菊酸
のエチルエステルであることが確認され、その一
部を常法により加水分解し得られたカルボン酸を
(+)−2−オクタノールとのエステルに導いた
後、ガスクロマトグラフイーによりその光学異性
体比率を求めたところ(+)−シス体3.8%、(−)
−シス体3.8%、(+)トランス体44.8%、(−)
トランス体47.5%であつた。
ル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。) で示される光学活性第一菊酸類を、過酸化物また
はアゾ化合物の存在下に、臭素を作用させること
を特徴とする光学活性第一菊酸類の工業的に優れ
たラセミ化方法を提供するものである。 本発明方法によれば、他の誘導体に導くことな
しに、光学活性第一菊酸そのもの、あるいはその
エステルのままでラセミ化させることができるこ
とから極めて有利であり、さらに種々の光学分割
法によつて分離除去される菊酸類、例えば光学分
割剤を用いる物理化学的分割法によりり分離され
る無効な(−)−第一菊酸、あるいは酵素等によ
る生化学的分割法において分離除去される(−)
−第一菊酸エステルなどを直接、効率よく有効利
用することが可能となる。 更に、本発明によれば工業原料として一般的で
しかも水分に対しても安定で取り扱い易い臭素を
利用することができるので殊に工業的な実施時に
おいて有利になる。 以下に本発明方法について詳細に説明する。 本発明の原料である一般式()で示される光
学活性第一菊酸類としては、例えば第一菊酸、第
一菊酸メチル、第一菊酸エチル、第一菊酸プロピ
ル、第一菊酸ブチル、第一菊酸シクロヘキシル、
第一菊酸シクロヘキシルメチル、第一菊酸ベンジ
ル等の光学活性体が挙げられる。 第一菊酸類にはそれぞれ4種の異性体が存在す
るが、その中の1種単独、またはこれらの任意の
割合の混合物を用いることができ、また光学純度
はどの程度のものでも差しつかえないが、本発明
の目的から考えて(−)体または(−)体に富む
カルボン酸類を用いる時に、その意義を発揮する
ことは言うまでもない。 本発明方法において使用される臭素の使用量は
被処理第一菊酸類1モルに対し通常1/1000〜1/4
モルの範囲である。 アゾ化合物としては、例えばアゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4′−アゾ
ビス−4−シアノペンタノイツクアシツド、2−
フエニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシ
バレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾ
ホルムアミドなどのアゾニトリル類、アゾビスイ
ソブタノールジアセテート、アゾビスイソ酪酸メ
チル、アゾビスイソ酪酸エチルなどのアゾエステ
ル類、アゾ−t−ブタンなどのアルキルアゾ類等
が挙げられる。好ましくはアゾニトリル類、アゾ
エステル類が用いられる。 またその使用量は前記臭素1モルに対して通常
1/20〜5モル、好ましくは/10〜2モルの範囲で
ある。 また過酸化物としては例えば、過酸化水素、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類の酸化によつて生成するハイドロパーオキサ
イド、キユメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの
ハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド類、t−ブチルパーベンゾエー
ト、t−ブチルパーアセテート、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパ
ーオキシジカーボネートなどのパーオキシエステ
ル類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオ
キサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキ
サイド類、過酢酸などの過酸類等が挙げられる。
これらの中ではジアシルパーオキサイド類、パー
オキシエステル類が好ましく用いられる。 過酸化物の使用量は臭素1モルに対して通常1/
20〜5モル、好ましくは1/10〜2モルの範囲であ
る。 反応を行なう際しては不活性溶媒を使用するこ
とが好ましく、そのような溶媒としては飽和炭化
水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン化
物、エーテル類などを挙げることができる。 反応温度は用いる過酸化物、アゾ化合物により
異なり、−20℃〜当該第一菊酸エステルの沸点
(溶媒を使用する場合は用いる溶媒の沸点)の範
囲で任意であるが、通常40℃〜100℃の範囲であ
る。 反応に要する時間は臭素および過酸化物、アゾ
化合物の使用量や反応温度によつても変わり得る
が通常数分〜7時間で充分その目的を達成するこ
とができる。 本発明方法を実施するに際しては、通常、溶媒
の存在下に被処理第一菊酸類と過酸化物、または
アゾ化合物を混合し、次いでこれに臭素を加える
か、あるいは、被処理第一菊酸類を溶媒に溶解
し、次いでこれに過酸化物またはアゾ化合物と臭
素とを併注する操作により行なわれる。 尚、反応の進行度は反応液の一部をサンプリン
グして施光度と測定するかガスクロマトグラフイ
ー等による分析で求めることができる。 <発明の効果> 本発明方法によれば、他の誘導体に導くことな
しに、光学活性第一菊酸そのもの、あるいはその
エステルのままでラセミ化させることができるこ
とから極めて有利であり、さらに種々の光学分割
法によつて分離除去される菊酸類、例えば光学分
割剤を用いる物理化学的分割法により分離される
無効な(−)−第一菊酸あるいは酵素等による生
化学的分割法において分離除去される(−)−第
一菊酸エステルなどを直接、効率よく有効利用す
ることが可能となる。 更に、本発明によれば工業原料としてより一般
的な臭素を利用することができることから、殊に
工業的な実施時において有利になる。 また、本発明方法において得られるラセミ体
は、より有効なトランス体に富み、この点におい
ても本発明方法は有利である。 <実施例> 次に、実施例によつて、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるも
のではない。 実施例 1 左旋性第一菊酸((+)−シス体1.8%、(−)−
シス体17.6%、(+)−トランス体10.1%、(−)−
トランス体70.5%からなる)10.0gをトルエン20
mlに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル97mgを
加え、80℃で撹拌しながら臭素0.48gの四塩化炭
素溶液を15分で滴下した。 反応後、希塩酸を加えて撹拌、分液後、有機層
を27gの10%カセイソーダ水溶液で2回抽出し、
得られる水層を塩酸酸性にしてトルエンで2回抽
出した。トルエン層を水洗し、硫酸ソーダで乾燥
したのち減圧下に溶媒を留去し、次で残留液を蒸
留して沸点110〜119℃/2.5mmHgの留分8.78gを
得た。このものは赤外線吸収スペクトルより菊酸
であることが確認された。 該留出液の一部を(+)−2−オクチルエステ
ルに誘導し、ガスクロマトグラフイーで光学異性
体比率を測定したところ(+)−シス体3.1%、
(−)−シス体8.2%、(+)−トランス体44.5%、
(−)−トランス体49.2%であつた。 実施例 2 窒素雰囲気下で、100mlフラスコに実施例1で
用いたのと同じ第一菊酸10.0g、トルエン20ml及
びt−ブチル過安息香酸0.58gを加え100℃で撹拌
しながら臭素0.58gの四塩化炭素溶液を滴下し、
同温度で20分撹拌した。 反応後、水を加えて洗浄し、得られた有機層に
10%水酸化ナトリウム水溶液28.6gを加え約40℃
に加温しながら撹拌し分液した。 水層を希硫酸で中和し、トルエンで抽出後、有
機層を水洗した。このトルエン溶液を濃縮後蒸留
し、沸点110〜119℃/2.5mmHgの留出液8.1gを得
た。このものの赤外線吸収スペクトルは第一菊酸
のそれと一致した。 該留出液の一部を実施例1と同様にして第一菊
酸の光学異性体比率を測定したところ、(+)−シ
ス体3.3%、(−)−シス体3.3%、(+)−トランス
体44.5%、(−)−シス体48.9%であつた。 実施例 3 実施例1で用いたのと同じ第一菊酸10.0gアゾ
ビスイソブチロニトリル0.24gをクロルベンゼン
20mlに溶解し、80℃で撹拌しながら、臭素0.48g
の四塩化炭素溶液を滴下した。 反応後実施例1と同様に処理して第一菊酸8.2g
を得た。光学異性体比率は(+)−シス体3.1%、
(−)−シス体3.1%、(+)−トランス体46.0%、
(−)−トランス体47.8%であつた。 実施例 4 反応溶媒にジオキサンを用いた他は実施例3と
同様に行ない、第一菊酸8.1gを得た。光学異性体
比率は(+)−シス体3.1%、(−)−シス体3.1%、
(+)−トランス体44.4%、(−)−トランス体49.4
%であつた。 実施例 5 実施例1で用いたのと同じ第一菊酸10.0gと過
酸化ベンゾイル0.31gをトルエン20mlに溶解し、
80℃で撹拌しながら、臭素0.95gの四塩化炭素溶
液を滴下した。 反応後は実施例1と同様に処理して第一菊酸
8.2gを得た。光学異性体比率は(+)−シス体3.3
%、(−)−シス体3.3%、(+)−トランス体44.4
%、(−)−トランス体49.0%であつた。 実施例 6 100ml容のフラスコに窒素気流中で(+)−シス
体1.8%、(−)−シス体18.3%、(+)−トランス
体11.1%、(−)−トランス体68.8%からなる第一
菊酸のエチルエステル5.0g、トルエン20mlおよび
過酸化ベンゾイル0.49gを入れこれに80℃で撹拌
しながら臭素0.41gの四塩化炭素溶液を滴下し、
0.5時間撹拌した。反応後、2%水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え抽出を行い、有機層を水洗した。
得られた有機層を減圧下に濃縮後蒸留し、沸点85
〜88℃/mmHgの留出液4.1gを得た。 このものは赤外線吸収スペクトルより第一菊酸
のエチルエステルであることが確認され、その一
部を常法により加水分解し得られたカルボン酸を
(+)−2−オクタノールとのエステルに導いた
後、ガスクロマトグラフイーによりその光学異性
体比率を求めたところ(+)−シス体3.8%、(−)
−シス体3.8%、(+)トランス体44.8%、(−)
トランス体47.5%であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 【化】 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を
表わし、*は不斉炭素を表わす。) で表わされる光学活性第一菊酸類を、過酸化物ま
たはアゾ化合物の存在下に、臭素を作用させるこ
とを特徴とする光学活性第一菊酸類のラセミ化方
法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62053519A JPS63218641A (ja) | 1987-03-09 | 1987-03-09 | 光学活性第一菊酸類のラセミ化方法 |
| EP88301792A EP0282221B1 (en) | 1987-03-09 | 1988-03-01 | Method for racemization of optically active chrysanthemic acid or its ester |
| DE8888301792T DE3867658D1 (de) | 1987-03-09 | 1988-03-01 | Verfahren zur racemisierung von optisch aktiver chrysanthemumsaeure oder ihren estern. |
| HU881122A HU203067B (en) | 1987-03-09 | 1988-03-08 | Process for racemization and isomeric transformation of optically active chrysanthemic acid and of its ester |
| US07/166,014 US4820864A (en) | 1987-03-09 | 1988-03-09 | Method for racemization of optically active chrysanthemic acid or its ester |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62053519A JPS63218641A (ja) | 1987-03-09 | 1987-03-09 | 光学活性第一菊酸類のラセミ化方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63218641A JPS63218641A (ja) | 1988-09-12 |
| JPH0586941B2 true JPH0586941B2 (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=12945071
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62053519A Granted JPS63218641A (ja) | 1987-03-09 | 1987-03-09 | 光学活性第一菊酸類のラセミ化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63218641A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0617333B2 (ja) * | 1987-04-22 | 1994-03-09 | 住友化学工業株式会社 | ラセミ―トランス第一菊酸類の製造方法 |
-
1987
- 1987-03-09 JP JP62053519A patent/JPS63218641A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63218641A (ja) | 1988-09-12 |
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