JPH0688024A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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Publication number
JPH0688024A
JPH0688024A JP15427892A JP15427892A JPH0688024A JP H0688024 A JPH0688024 A JP H0688024A JP 15427892 A JP15427892 A JP 15427892A JP 15427892 A JP15427892 A JP 15427892A JP H0688024 A JPH0688024 A JP H0688024A
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JP
Japan
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pas
amino group
olefin elastomer
formula
group
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Application number
JP15427892A
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English (en)
Inventor
Naohiro Mikawa
直浩 三川
Satoshi Inoue
井上  敏
Ichigen Watanabe
一玄 渡辺
Tadao Ikeda
忠生 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)オレフィン系エラストマーに次式
(1): 【化1】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
の整数を表す)で表されるグリシジル化合物をグラフト
した変性オレフィン系エラストマーと(B)側鎖にアミ
ノ基をもつポリアリーレンサルファイドとからなる樹脂
組成物。 【効果】 ポリアリーレンサルファイドの特性である良
好な耐熱性、機械的強度などを維持したまま、耐衝撃性
が著しく向上した成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性
その他の機械的物性に優れていて、構造材料用または機
械部品などとして有用な、変性オレフィン系ポリマーを
含むポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンサルファイド(以下、
「PPS」という)によって代表されるポリアリーレン
サルファイド(以下、「PAS」という)は、他の汎用
エンジニアリングプラスチックと比較して高い耐熱性、
耐薬品性、剛性を有しているが、耐衝撃性に劣るという
欠点がある。従って、構造材料用および機械部品として
使用するにはガラス繊維などの補強材を多量に添加しな
ければならない。
【0003】一般に、耐衝撃性に劣る樹脂の耐衝撃性を
改良する目的でエラストマーを添加してアロイ化する手
法が採られているが、PASの場合多くのエラストマー
との相溶性が高くないため、エラストマーによるアロイ
化は不十分である。PASの耐衝撃性その他の特性を改
善する目的で、PASにα−オレフィン−グリシジルメ
タクリレート共重合体をブレンドすることが提案されて
いる(特開昭61−21156号)が、PAS本来の優
れた特性を損うことなく、耐衝撃性を大巾に改良するこ
とは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PA
S本来の良好な耐熱性、機械的強度などを維持したま
ま、耐衝撃性が著しく改良されたPAS樹脂組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、側鎖にア
ミノ基をもつPASに、高い相溶性を示す特定の変性オ
レフィン系エラストマーを配合することによって達成さ
れる。すなわち、本発明は、(A)オレフィン系エラス
トマーに次の一般式(1):
【化2】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
の整数を表す)で表されるグリシジル化合物をグラフト
した変性オレフィン系エラストマーと(B)側鎖にアミ
ノ基をもつPASとからなることを特徴とする、変性オ
レフィン系エラストマーを含むポリアリーレンサルファ
イド樹脂組成物を提供する。
【0006】本発明のPAS樹脂組成物の調製に使用す
る側鎖にアミノ基をもつPASは、その骨格が次の式
(2)で表されるアリーレンサルファイド結合、または
該アリーレンサルファイド結合(2)を主成分とし、
【0007】
【化3】 次の式(3)で示されるエーテル結合、次の式(4)で
示されるスルホン結合、次の式(5)で示されるビフェ
ニル結合、次の式(6)で示される置換フェニルスルフ
ィド結合(但し、式(6)中、R1 はアルキル、ニト
ロ、フェニル、アルコキシ、カルボキシル基を示
す。)、次の式(7)で示される3官能結合で例示され
るような共重合成分から導かれる結合を劣成分として含
有した結合からなり、かつその側鎖にアミノ基が結合し
た構造からなる。但し、当該共重合成分は、30モル%
未満であることが好ましい。
【0008】
【化4】 本発明の組成物においては、側鎖にアミノ基をもつPA
Sは次の(a)成分と(b)成分とを反応させることに
より合成することができる。 (a)アルカリ金属サルファイド(代表的には硫化ソー
ダ) (b)アミノ基を置換基として有するハロゲン化物 上記において、原料として使用されるアミノ基を置換基
として有するハロゲン化物の例としては、次式で示され
るハロゲン化アミノベンゼンが挙げられる。
【化7】 (式中、R2 およびnは前述したものと同一意義を有
し、R2 は水素原子または炭素原子1〜3個のアルキル
基を示し、Yはハロゲン原子を示し、mは1または2を
示す)
【0009】かかるハロゲン化アミノベンゼンの具体例
としては、下記の式で示されるハロゲン化アミノベンゼ
ン化合物が挙げられる。但し、これらの式において、Y
1 の例としては、C1またはBrが挙げられる。
【0010】
【化8】
【0011】本発明の樹脂組成物における(B)成分は
側鎖にアミノ基をもつPASからなるが、(B)成分が
該アミノ基をもつPASのみからなる場合、樹脂組成物
がPAS本来の性質を発現できない場合があるので、ア
ミノ基をもたないPASを併用することが好ましい。
(B)成分には、PAS側鎖に結合したアミノ基が0.
03モル%以上、好ましくは0.1〜25モル%含まれ
るべきである。該アミノ基含有量が0.03モル%未満
では(A)成分の変性オレフィン系エラストマーとの高
い相溶性が得られず、耐衝撃性その他の機械的性質に優
れた成形品を得ることが困難となる。
【0012】上記において、アミノ基をもたないPAS
を併用する方法としては、(1)側鎖にアミノ基をもつ
PASとアミノ基をもたないPASを混合して用いる方
法、(2)側鎖にアミノ基をもつPASを製造する上記
の方法において、(b)成分のアミノ基を置換基として
有するハロゲン化物にジハロゲン化物を混合した混合体
を用いて得られるPASを用いる方法が採用され得る。
もちろん、上記(2)の方法によって得られるPAS
に、さらにアミノ基をもたないPASを混合することも
可能である。
【0013】アミノ基をもたないPASおよび側鎖にア
ミノ基をもつPASは、いずれも、前記のように式
(2)で表わされる結合、またはこの結合を主成分と
し、前記式(3)〜(7)のいずれかで例示されるよう
な結合を劣成分として含む基本骨格をもつ構造であれば
よい。アミノ基をもたないPASは、(a)アルカリ金
属サルファイド(代表的には硫化ソーダ)と(c)ジハ
ロゲン化物とを反応させることにより合成することがで
きる。ここで、原料として使用されるジハロゲン化物の
例としては、下記の式で示されるジハロゲン化ベンゼン
が挙げられる。
【0014】
【化5】 (式中R2 は炭素原子1〜3個のアルキルもしくはアル
コキシ基を示し、nは0〜3の整数を示し、Xはハロゲ
ン原子を示す)。
【0015】かかるジハロゲン化ベンゼンの具体例とし
ては、次の式で示される化合物が挙げられる。但し、こ
れらの式において、X1 はハロゲン原子であって、その
例としてClまたはBrが挙げられる。
【0016】
【化6】
【0017】また、前記アミノ基をもたないPASを併
用する場合の(2)の方法において、ジハロゲン化物
(c)とアミノ基を置換基として有するハロゲン化物
(b)の混合体中のジハロゲン化物(c)とアミノ基を
置換基として有するハロゲン化物(b)との割合は格別
限定されるものではないが、変性オレフィン系エラスト
マーとの相溶性の向上という見地から、該混合体中に
(b)が0.2〜25モル%含まれることが望ましい。
また、この混合体中に2つのハロゲンがパラ位にある化
合物(bおよびc)が85モル%以上含まれることが好
ましい。
【0018】アルカリ金属サルファイドと、ジハロゲン
化物、またはジハロゲン化物とアミノ置換基含有ハロゲ
ン化物との混合体との反応に際して、必要に応じて、ジ
ハロゲン化物に対し5モル%以下の範囲内で、トリクロ
ルベンゼンなどのトリハロゲン化物を反応系に添加して
もよい。
【0019】重合反応は、極性溶媒中で、好ましくは、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド系溶媒やスルホランなどのスルホ
ン系溶媒中で行なうとよい。この際に、重合度を調節す
るために、カルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩、
水酸化アルカリなどを添加するのが望ましい。好ましい
重合反応の温度および時間は、およそ120〜300℃
で2〜10時間である。反応は不活性ガスの雰囲気下に
行なうのが望ましい。反応終了後、固体生成物をろ別
し、脱イオン水で十分洗浄、乾燥して側鎖にアミノ基を
もつ、または、もたないPASが得られる。
【0020】アミノ基をもたないPASは重合後酸素雰
囲気において加熱することにより、あるいは過酸化物な
どの架橋剤を添加して加熱することにより架橋して、よ
り高分子量化したうえ使用することも可能である。本発
明で使用するアミノ基をもたないPASは上記のように
種々のタイプのものが広く使用可能であるが、脱イオン
処理して得たナトリウム含有量が900ppm以下、特
に500ppm以下のPASを用いるのが好ましい。脱
イオン処理としては酸処理が挙げられる。
【0021】酸処理の代表的な方法は、酸またはその水
溶液にアミノ基をもたないPASを浸漬せしめる方法で
ある。酸処理に際し、適宜撹拌または加熱することも可
能である。酸処理方法の具体例としては、pH4の酢酸
水溶液にPAS粉末を浸漬し、約30分間撹拌する方法
が挙げられる。酸処理を施されたPASは残留している
酸または塩を除去するため、水または温水で数回洗浄す
ることが必要である。洗浄に用いる水は、酸処理による
変性効果を損わぬよう蒸留水または脱イオン水であるこ
とが好ましい。酸処理に用いる酸は、アミノ基をもつ、
または、もたないPASを分解する作用を有しないもの
であれば特に制限はなく、その具体例としては酢酸、塩
酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸、プロピオン酸が挙げら
れる。なかでも、酢酸および塩酸が好ましく、また、硝
酸はPASを分解劣化させるので好ましくない。
【0022】本発明において使用する変性オレフィン系
エラストマーとは、(i)オレフィン系エラストマー
を、(ii)アクリルアミド基とエポキシ基とを有する特
定のグリシジル化合物により変性してなるものである。
上記(i)オレフィン系エラストマーとは、エチレン
と、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテンなどのエチレン以外のα−オレフィン
の1種または2種以上との共重合体ゴムを意味する。上
記エチレンとエチレン以外のα−オレフィンの1種また
は2種以上との共重合体ゴムとしては、典型的にはエチ
レン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム(EPR)およびエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)などが挙げられ
る。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)中のジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,
4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノル
ボルネンなどの非共役ジエンまたはブタジエン、イソプ
レンなどの共役ジエンを使用することができる。
【0023】上記オレフィン系エラストマー中のエチレ
ンの含有量は、概して5〜95重量%であり、好ましく
は10〜90重量%である。エチレンの含有量が5重量
%未満、あるいは95重量%を超えると、エラストマー
としての性質の発現が困難となる。このようなオレフィ
ン系エラストマーの結晶化度は、通常40重量%以下で
ある。
【0024】本発明において使用するオレフィン系エラ
ストマーの代表的一例であるエチレン−プロピレン共重
合体ゴム(EPR)は、エチレンから誘導される繰り返
し単位の含有率が50〜80モル%、プロピレンから誘
導される繰り返し単位の含有率が20〜50モル%であ
ることが好ましい。より好ましい範囲は、エチレン系繰
り返し単位が60〜70モル%、プロピレン系繰り返し
単位が30〜40モル%である。また、EPRのメルト
フローレート(MFR、230℃、2.16kg荷重)
は0.01〜50g/10分の範囲内にあるのが好まし
く、より好ましくは0.5〜30g/10分である。
【0025】オレフィン系エラストマーの他の代表的一
例であるエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)は、
エチレンから誘導される繰り返し単位の含有率が50〜
90モル%、ブテンから誘導される繰り返し単位の含有
率が10〜50モル%であることが好ましい。より好ま
しい範囲は、エチレン系繰り返し単位が60〜80モル
%、ブテン系繰り返し単位が20〜40モル%である。
また、EBRのメルトフローレート(MFR、230
℃、2.16kg荷重)は0.01〜50g/10分の
範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは0.5〜3
0g/10分である。
【0026】また、オレフィン系エラストマーのさらに
他の代表的一例であるエチレン−プロピレン−ジエン共
重合体(EPDM)は、エチレンから誘導される繰り返
し単位の含有率が40〜70モル%、プロピレンから誘
導される繰り返し単位の含有率が30〜60モル%、お
よびジエンから誘導される繰り返し単位の含有率が1〜
10モル%であることが好ましい。より好ましい範囲
は、エチレン系繰り返し単位が50〜60モル%、プロ
ピレン系繰り返し単位が40〜50モル%、およびジエ
ン系繰り返し単位が3〜6モル%である。さらに、EP
DMのメルトフローレート(MFR、230℃、2.1
6kg荷重)は0.01〜50g/10分の範囲内にあ
るのが好ましく、より好ましくは0.1〜30g/10
分である。
【0027】オレフィン系エラストマーの代表的例であ
るエチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン
−ブテン共重合体ゴム(EBR)及びエチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体(EPDM)は、基本的には上記
の繰り返し単位からなるものであるが、これらの共重合
体の特性を損なわない範囲内で、たとえば4−メチル−
1−ペンテンなどの他のα−オレフィンから誘導される
繰り返し単位などの他の繰り返し単位を10モル%以下
の割合で含んでもよい。
【0028】本発明においては、所望により、上述した
(i)オレフィン系エラストマーにポリオレフィンを8
0重量%以下混合したオレフィン系エラストマー組成物
も用いることができる。オレフィン系エラストマーに加
えて使用し得るポリオレフィンとしては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ベンテンなどのα−オレフィンの単独重合体、エチレ
ンとプロピレンもしくは他のα−オレフィンとの非エラ
ストマー性共重合体、またはこれらのα−オレフィンの
2種以上の非エラストマー性共重合体、またはこれらの
単独重合体どうし、共重合体どうし、さらには単独重合
体と共重合体とをブレンドしたものを用いることができ
る。
【0029】ポリオレフィンを混合する場合、その混合
量はオレフィン系エラストマー+ポリオレフィンを10
0重量%として、80重量%以下、好ましくは50重量
%以下である。ポリオレフィンの混合量が80重量%を
超えると、エラストマーとしての特性が失われる。
【0030】また、本発明において、オレフィン系ポリ
マーの変性に用いる(ii)変性用モノマーは、下記一般
式(1):
【化9】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
の整数を表す)で表されるグリシジル化合物である。
【0031】好ましいグリシジル化合物としては、下記
一般式(8)で表わされるものが挙げられる。
【化10】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0032】このようなグリシジル化合物は、例えば特
開昭60−130580号に示されるように、以下のよ
うな方法により製造することができる。まず、少なくと
も1つのフェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素
と、N−メチロールアクリルアミドまたはN−メチロー
ルメタアクリルアミド、あるいはN−メチロールメタア
クリルアミドのアルキルエーテル誘導体(以下、これら
をN−メチロールアクリルアミド類という)を酸触媒を
用いて縮合させることにより、下記一般式(9):
【化11】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
り、Ar′は少くとも1つの水酸基を有する炭素数6〜
20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4の整数を表
す。)で表される化合物を製造する。
【0033】上記の少なくとも1つのフェノール性水酸
基を有する芳香族炭化水素としては特に制限はないが、
例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、2,6−キシレノール、2,4−キシ
レノ−ル、o−クロルフェノール、m−クロルフェノー
ル、o−フェニルフェノール、p−クロルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノールなどのフェノール性化合
物、ヒドロキノン、カテコール、フロログルシノールな
どのポリフェノール性化合物、1−ナフトール、2−ナ
フト−ル、9−ヒドロキシアントラセンなどの多環式ヒ
ドロキシ化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノール−A)、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタンなどのビスフェノール類などが
挙げられる。
【0034】次に、上記一般式(9)で表される化合物
の水酸基をグリシジル化することにより、一般式(1)
で表されるグリシジル化合物を得ることができる。この
グリシジル化は、一般式(9)で表される化合物とエピ
ハロヒドリンとの付加反応を行った後、苛性アルカリに
より脱ハロゲン化水素化することにより行うのが好まし
い。上記エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリ
ン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリンなどを用
いることができる。
【0035】エピハロヒドリンとの付加反応は、相間移
動触媒を用いて行う。相間移動触媒としては、例えばテ
トラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、テトラ
フェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチル
ホスホニウムクロライドなどの第4級ホスニウム塩など
を用いることができる。上記相間移動触媒の使用量は、
一般式(9)で表される化合物を100モル%として、
0.01〜100モル%の範囲であるのが好ましい。特
に好ましい相間移動触媒の使用量は、0.05〜10モ
ル%である。また反応温度および反応時間は50〜12
0℃で5分〜2時間、より好ましくは80〜110℃で
10〜30分である。
【0036】エピハロヒドリンの付加に続いて、苛性ア
ルカリにより脱ハロゲン化水素化を行う。苛性アルカリ
としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウムなど
が使用できる。これらは固体のままか、または水溶液と
して用いることができる。また、脱ハロゲン化水素化の
触媒としては上述の相間移動触媒と同様のものを用いる
ことができる。また上記相間移動触媒以外の触媒も使用
でき、そのような触媒としては、クラウンエーテル類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどが挙げられる。
【0037】上記苛性アルカリの使用量は、一般式
(9)で表される化合物に対して等モル量を使用するの
が好ましい。より好ましくは、1.1〜1.5倍モルを
使用する。また反応温度および反応時間は20〜90℃
で10分〜3時間、より好ましくは40〜70℃で30
分〜20時間である。
【0038】このようなグリシジル化合物によるオレフ
ィン系エラストマー(またはオレフィン系エラストマー
組成物)の変性(グラフト重合)は、溶液法または溶融
混練法のいずれでも行うことができる。溶融混練法の場
合、オレフィン系エラストマーと上述した変性用のグリ
シジル化合物、および必要に応じて触媒を、押出機や二
軸混練機などに投入し、180〜300℃の温度に加熱
して溶融しながら0.1〜20分混練する。また、溶液
法の場合、キシレンなどの有機溶剤に上記出発物質を溶
解し、90〜200℃の温度で0.1〜100時間撹拌
しながら行う。いずれの場合にも、触媒として通常のラ
ジカル重合用触媒を用いることができ、その具体例とし
ては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ
ターシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブ
チルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ
安息香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオ
キシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジターシ
ャリーブチルペルオキシヘキシンなどの過酸化物類や、
アゾビスイソブチロニトリルなどのジアゾ化合物類等が
挙げられる。触媒の添加量は変性のグリシジル化合物1
00重量部に対して0.1〜10重量部程度である。な
お、上記グラフト反応時にフェノール系酸化防止剤を添
加することができる。ただし、ラジカル重合用触媒を添
加しない場合には、添加しない方が好ましい。
【0039】前記(ii)グリシジル化合物の配合割合
は、前記(i)オレフィン系エラストマー(またはオレ
フィン系エラストマー組成物)100重量部に対して、
0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部
である。グリシジル化合物の配合量が0.01重量部未
満では、高グラフト率の達成が困難であり、また30重
量部を超えると得られる変性オレフィン系エラストマー
の分子量が低下する。
【0040】上述したような(a)変性オレフィン系エ
ラストマーと(b)側鎖にアミノ基をもつPAS(アミ
ノ基をもたないPASを併用する場合も含む、以下同
じ)との配合割合は、両者の合計重量に基づき、(a)
変性オレフィン系エラストマーが2〜70重量%、好ま
しくは10〜40重量%であり、(b)該PASが98
〜30重量%、好ましくは90〜60重量%である。
(a)変性オレフィン系エラストマーが2重量%未満で
は(すなわち、(b)側鎖にアミノ基をもつPASを含
むPASが98重量%を越えると)、その配合によるP
ASの耐衝撃性等の物性の改善の効果が充分でなく、ま
た(a)変性オレフィン系エラストマーが70重量%を
越えると(すなわち、(b)上記PASが30重量%未
満では)、PASの特性が損なわれる。
【0041】本発明のPAS樹脂組成物には、無機フィ
ラー、カーボンブラックなどの充填剤や、その他その改
質を目的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、光安定
剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡剤、核剤などを
添加することができる。
【0042】このような(a)変性オレフィン系エラス
トマーと(b)PASとからなる本発明の組成物は、
(a)変性オレフィン系エラストマーと(b)側鎖にア
ミノ基をもつPASと必要に応じて添加される各種添加
剤とを、一軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサー、
混練ロール、ブラベンダー・プラストグラフ(登録商
標)などの混練機を用いて220〜300℃、好ましく
は240〜280℃で加熱溶融状態で混練することによ
り得ることができる。
【0043】
〔ブテン含有量80%、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)1.5g/10分〕
(ロ)エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR) 〔プロピレン含有量70%、メルトフローレート(23
0℃、2.16kg荷重)1.7g/10分〕
【0044】〔2〕変性用モノマー AXE:下記化学式(8)で表されるグリシジル化合物
(鐘淵化学工業(株)製〕 〔3〕ラジカル発生剤 POX:パーヘキシン2−5B〔日本油脂(株)製〕 〔4〕ポリアリーレンサルファイド (イ)アミノ基をもたないポリ(p−フェニレン)サル
ファイド((株)トープレン製 T−4AG)、Na含
有量1,800ppm (ロ)アミノ基をもたないポリ(p−フェニレン)サル
ファイド((株)トープレン製 T−2に酸処理を施し
たもの、Na含有量290ppm (ハ)側鎖にアミノ基をもつポリ(p−フェニレン)サ
ルファイド 次の方法によって合成した。容量100リットルの撹拌
機付の耐圧反応容器中に、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)80リットルとNa2 S(含水量40重量
%)40.64kg(313.6モル)とNaOH9
9.2gを仕込み、窒素雰囲気中で撹拌しながら約2時
間かけて205℃にまで徐々に昇温させて脱水した。そ
の後、反応系を150℃にまで冷却し、反応系に、パラ
ジクロルベンゼン44.8kg(304モル)と−p−
ジクロルアニリン2.56kg(16モル)と1,2,
4−トリクロルベンゼン160g(0.96モル)を2
5.6kgのNMP中に溶解した溶液を加え、更に1時
間かけて250℃にまで昇温し、2時間反応を行った。
反応終了後、オートクレーブを室温にまで冷却し、内容
物を濾別し、反応生成物である濾過ケーキを50℃で脱
イオン水で3回洗浄し、副生した食塩やその他の未反応
物を除き、100℃で乾燥してPPSを得た。このPP
Sは側鎖にアミノ基をもち、その含有率は3モル%であ
った。
【0045】実施例1〜20、比較例1〜12 オレフィン系エラストマーと、表1、表2および表3に
示す各種の変性用モノマーと、さらに表1、表2および
表3に示す量のラジカル発生剤とをヘンシェルミキサー
により、ドライブレンドし、その後30mmφ、L/D
=25の単軸押出機中で、200℃、30rpmで溶融
混練してグラフト重合させた。このようにして得られた
変性オレフィン系エラストマーのメルトフローレート、
変性用モノマーのグラフト率を測定した。結果を表1、
表2および表3に示す。
【0046】次に上記変性オレフィン系エラストマー
と、表1、表2および表3に示す各種PPSとを表1、
表2および表3に示す割合で混合し、20mmφの二軸
押出機により、300℃、400rpmで混練し、樹脂
組成物を得た。このようにして得られた熱可塑性樹脂組
成物の23℃でのデュポン衝撃強度、アイゾット衝撃強
度、曲げ弾性率、曲げ強度、引張降伏強度、引張破断伸
びを測定した。結果を表1、表2および表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】(1)MFR:JIS K7210により
測定。(温度190℃、荷重1.05kg) (2)変性用モノマーのグラフト率:変性オレフィン系
エラストマーを沸騰キシレンに溶解し、不溶分を除去し
た後、メタノールにより溶解成分を沈澱させ、これを5
0μm程度の厚さにプレスし、IRスペクトルを測定
し、AXEのC=O結合の伸縮のピーク(1648cm
-1)と、アイソタクティックPPに特有のピークの一つ
(840cm-1)との比から、算出した。 (3)デュポン衝撃試験:JIS K7211により測
定。 (4)アイゾット衝撃強度:JIS K7110により
測定。 (5)曲げ弾性率および曲げ強度:JIS K7203
により測定。 (6)引張降伏強度:JIS K7113により測定。 (7)引張破断伸び:JIS K7113により測定。
【0051】表1、表2および表3から明らかなよう
に、本発明のPAS樹脂組成物は、耐衝撃性、曲げ弾性
率、引張降伏強度、引張破断伸びのすべてが良好であっ
た。特に、酸処理をしたPPSを用いた場合には、酸処
理をしないPPSを用いた場合と比較して、著しく衝撃
強度に優れていた。これに対し、側鎖にアミノ基をもつ
PPSを含むPPSと未変性のオレフィン系エラストマ
ーとをブレンドした比較例1〜6の熱可塑性樹脂組成物
は、耐衝撃性が悪かった。また、アミノ基をもたない通
常のPPSと変性オレフィン系エラストマーとをブレン
ドした比較例7〜12の熱可塑性樹脂組成物は、PPS
単体と比較すると耐衝撃性は改良されているものの充分
に満足できる水準には到達していなかった。これは、未
変性のオレフィン系エラストマーやアミノ基をもたない
通常のPPSが本発明で用いる変性オレフィン系エラス
トマーや側鎖にアミノ基をもつPPSと比較して、相溶
性の点で劣るためである考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のPAS
樹脂組成物は、互に相溶性に優れた、アクリルアミド基
とエポキシ基とを有する特定のグリシジル化合物により
変性したオレフィン系エラストマーと、側鎖にアミノ基
をもつPASとからなるため、PASの特性である耐熱
性、機械的強度などを損なうことなく、耐衝撃性の大幅
に向上したものとなっている。このような特性をもつ本
発明のPAS樹脂組成物は、各種エンジニアリングプラ
スチックとして、特に自動車部品、家電部品、工業材料
部品、包装材料など用の成形原料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 忠生 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オレフィン系エラストマーに次の
    一般式(1): 【化1】 (式中、RはHまたは炭素数1〜6のアルキル基であ
    り、Arは少くとも一つのグリシジルオキシ基を有する
    炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、mは1〜4
    の整数を表す)で表されるグリシジル化合物をグラフト
    した変性オレフィン系エラストマーと(B)側鎖にアミ
    ノ基をもつポリアリーレンサルファイドとからなること
    を特徴とするポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
JP15427892A 1992-05-21 1992-05-21 ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 Pending JPH0688024A (ja)

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