JPH0743342B2 - リチウムイオンセンサ - Google Patents

リチウムイオンセンサ

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JPH0743342B2
JPH0743342B2 JP62234956A JP23495687A JPH0743342B2 JP H0743342 B2 JPH0743342 B2 JP H0743342B2 JP 62234956 A JP62234956 A JP 62234956A JP 23495687 A JP23495687 A JP 23495687A JP H0743342 B2 JPH0743342 B2 JP H0743342B2
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昇 小山
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はリチウムイオンセンサ、特に躁欝病の治療に用
いられる炭酸リチウムの投与により変化する、体内の循
環器系でのリチウムイオン濃度を測定するリチウムイオ
ンセンサに関するものである。
[従来の技術] 躁欝病の病体生理に関しては、脳内モノアミンを枯渇さ
せるレセルピンによつて欝状態が生じること、および欝
状態の治療(抗欝薬)がモノアミンの作用を増強する性
質があることから、欝病はノルアドレナリンまたはセロ
トニンが単独あるいは、共に低下した状態であり、逆に
これらが、上昇した場合が躁状態であろうとするモノア
ミン仮説が生まれた。しかし、患者の血液,尿,骨髄液
および脳組織の分析から、この仮説を支持する確実な証
拠は未だ得られていない。そこで、躁状態の治療には炭
酸リチウムがよく用いられ、脳内ノルアドレナリン,セ
ロトニンの作用を抑制すると予想されている。
この炭酸リチウムによる体内の循環器系でのリチウムイ
オン濃度及びその変化を知ることは、躁欝病の原因研究
や治療方法の進歩にかかせない。ところが、応答が速く
精度の良いリチウムイオンセンサは現在ない。又、循環
器系あるいは体内での長時間に渡る継続的な測定にも安
全であり、その特性が安定しているセンサが必要とされ
ている。
[発明が解決しようとする課題] 本願出願人に譲渡された特開昭61−266952号には、導電
性炭素の表面にキノン−ヒドロキノン型あるいはアミン
−キノイド型の酸化還元膜を被覆し、更にその表面にカ
リウムイオンキヤリア膜を被覆したカリウムイオンセン
サが開示されている。
また、本出願人に譲渡された特願昭61−15344号には
(特開昭62−254050号に公報)、MOSFETのゲート絶縁膜
表面あるいはそれを導電性炭素等の導電性層で被覆した
表面を酸化還元機能層で被覆し、更にその表面を種々の
イオン選択性層で被覆したイオン選択性FETセンサが、
特願昭61−275250号(特開昭63−131056号公報には、半
導体基盤上へのカーボン薄膜の被覆、またMOSFETののゲ
ート絶縁膜表面を有機薄膜で被覆したFET電極、更にそ
の表面に水素イオン選択性層で被覆したFET電極が報告
されている。
しかしながら、応答速度が速く精度の良い、且つ長時間
の継続測定にも安全で特性の安定したリチウムイオンセ
ンサの構成、すなわち好適なリチウムイオン感応層とこ
のリチウムイオン感応層を電気的あるいは物理的接着性
を良好に保ちFETのゲート絶縁膜あるいは導電性材料の
表面を被覆する構成とは、共に言及されていない。
本発明は、応答が速く測定精度の良いリチウムイオンセ
ンサを提供する。
又、体内でも安全であり、長時間安定して測定のできる
リチウムイオンセンサを提供する。
又、長時間の保存が可能なリチウムイオンセンサを提供
する。
[課題を解決するための手段] この課題を解決するために、、本発明のリチウムイオン
センサは、FETと、該FETのゲート絶縁膜上を被覆する酸
化還元機能を発現する酸化還元機能層と、該酸化還元機
能層を被覆し、ジベンジル−14−クラウン−4またはジ
オキサヘプチル−ドデシル−14−クラウン−4またはジ
エトキシホスホリオキシエチル−ドデシル−14−クラウ
ン−4、および/またはその誘導体を含むポリ塩化ビニ
ル層からなり、リチウムイオンに選択的に感応するリチ
ウムイオン感応層とを備えることを特徴とする。
また、少なくとも表面が導電性材料から成る導電性基体
と、該導電性基体の表面を被覆する酸化還元機能を発現
する酸化還元機能層と、該酸化還元機能層を被覆し、ジ
ベンジル−14−クラウン−4またはジオキサヘプチル−
ドデシル−14−クラウン−4またはジエトキシホスホリ
オキシエチル−ドデシル−14−クラウン−4、および/
またはその誘導体を含むポリ塩化ビニル層からなり、リ
チウムイオンに選択的に感応するリチウムイオン感応層
とを備えることを特徴とする。
[実施例] 本発明に使用されるFETとしては、MOSFETがある。
特に本発明において使用されるMOSFETとしては、公知の
ISFETに使用されるもので、ゲート絶縁層(以下、ゲー
ト絶縁膜ということがある)が利用できるものであれ
ば、いずれも使用することができ[松尾、江刺「電気化
学と工業物理化学」50,64(1982)]、例えばシリコン
又はサフアイア基板上にSi−SiO2ゲート絶縁層を有する
FETを形成したものが挙げられ、更に分離ゲートタイプ
のものが好適に使用される。シリコン基板を用いたもの
は、比較的安価であることから汎用性があり、サフアイ
ア基板のものは、マルチ化が容易、絶縁が取り易い、小
型化が容易である等、機能面で優れている。
MOSFETは、従来のプレナー技術やイオン注入技術等を利
用して作成することができる。MOSFETのゲート絶縁層の
表面にSi3N4等よりなる絶縁膜をCVD法(化学的気相蒸着
法)又はスパツタリング法を用いて形成することによ
る、ゲート部の絶縁性能を更に向上させることができ
る。
又、本発明のイオンセンサに使用される導電性基体とし
ては、例えばベーサル・プレーン・ピロリテイツク・グ
ラフアイト(basal plane pyrolytic graphite;以下BPG
という),グラツシーカーボン等の導電性炭素材料;
金,白金,銅,パラジウム,ニツケル,鉄等の金属、特
に貴金属又はこれらの金属の表面に酸化イリジウム,酸
化スズ等の半導体を被覆したものが挙げられる。就中、
導電性炭素材料が好ましく、BPGが特に好ましい。
導電性基体は、イオンセンサを小型のものとするため、
ステイツク状のものが使用され、その外周面あるいは外
周面及び先端面の1〜2mm2に酸化還元機能を有する酸化
還元機能層が被着される。これより面積が小さいと膜抵
抗が50MΩを越えてしまうので好ましくなく、また大き
いとイオンセンサが小型でなくなつてしまう。ステイツ
クとしては、円柱状,角柱状等のいずれを問わないが、
成形性及び膜の被着性の点で先端を丸めた円柱形のもの
が特に好ましい。
従来、BPGは主としてベーサル面が電極面として利用さ
れてきた。しかし、本発明者は、BPGのエツジ面をも有
効に利用しうること、従つてBPGではあつてもステイツ
ク状の電極を作成できることを見出した。BPGはセンサ
の動作の安定性の点で特に優れている。BPGのステイツ
クは、例えば円柱形の場合、強度の点から直径0.1〜2mm
とするのが好ましい。
更に導電性基体としては、金属,半導体基板をベースと
したもの、又は分離ゲート型の電解効果型トランジスタ
(FET)と組み合わせたものの上に、炭素材料を含む炭
素膜を被覆したもの、又、プリント基板の導線上を炭素
材料で被覆したもの等、その用途に応じて種々の材料が
使用される。プリント基板の使用等により、複合センサ
も作成できる。
酸化還元機能層とは、それを表面に被着してなるFETの
ゲート絶縁膜あるいは導電性基体に酸化還元反応によつ
て一定電位を発生しうる性質を有するものであり、本発
明においては特に酸素ガス分圧によつて電位が変動しな
いものが好ましい。斯かる酸化還元機能層としては、例
えばキノン−ヒドロキノン型の酸化還元反応を行なう
ことができる有機化合物膜若しくは高分子膜、アミン
−キノイド型の酸化還元反応を行なうことができる有機
化合物膜若しくは高分子膜、ポリ(ピロール),ポリ
(チエニレン)等の導電性物質等が好適なものとして挙
げられる。
なお、ここでキノン−ヒドロキノン型の酸化還元反応と
は、重合体の場合を例にとれば、例えば次の反応式で表
わされるものをいう。
(式中、R1,R2は例えば芳香族含有構造の化合物を示
す) また、アミン−キノイド型の酸化還元反応とは、前記同
様重合体の場合を例にとれば、例えば、次の反応式で表
わされるものをいう。
(式中、R3,R4は例えば芳香族含有構造の化合物を示
す) このような酸化還元機能を有する層を形成しうる化合物
としては、例えば次の(a)〜(d)の化合物が挙げら
れる。
(式中、Ar1は芳香核、各R5は置換基、m2は1ないしAr1
の有効原子価数、n2は0ないしAr1有効原子価数−1を
示す)で表わされるヒドロキシ芳香族化合物。
Ar1の芳香核は、例えばベンゼン核のように単環のもの
であつても、アントラセン核、ピレン核、クリセン核、
ペリレン核、コロネン核等のように多環のものであつて
もよく、またベンゼン骨核のみならず複素環骨核のもの
であつてもよい。置換基R5としては、例えばメチル基等
のアルキル基、フエニル基等のアリール基、およびハロ
ゲン原子等が挙げられる。
具体的には、例えば、ジメチルフエノール、フエノー
ル、ヒドロキシピリジン、o−またはm−ベンジルアル
コール、o−、m−またはp−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、o−またはm−ヒドロキシアセトフエノン、o
−、m−またはp−ヒドロキシプロピオフエノン、o
−、m−またはp−ヒドロキシベンゾフエノン、o−、
m−またはp−カルボキシフエノール、ジフエニルフエ
ノール、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、5−ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノン、4−(p−ヒドロキシ
フエニル)2−ブタノン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタレン、ビスフエノールA、サリチ
ルアニリド、5−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシ
キノリン、1,8−ジヒドロキシアントラキノン、5−ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
(b)次式 (式中、Ar2は芳香核、各R6は置換基、m3は1ないしAr2
の有効原子価数、n3は0ないしAr2の有効原子価数−1
を示す)で表わされるアミノ芳香族化合物。
Ar2の芳香核、置換基R6としては化合物(a)におけ
る、Ar1,置換基R5と夫々同様のものが使用される。アミ
ノ芳香族化合物の具体例を挙げると、アニリン、1,2−
ジアミノベンゼン、アミノピレン、ジアミノピレン、ア
ミノクリセン、ジアミノクリセン、1−アミノフエナン
トレン、9−アミノフエナントレン、9,10−ジアミノフ
エナントレン、1−アミノアントラキノン、p−フエノ
キシアニリン、o−フエニレンジアミン、p−クロロア
ニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,6−トリクロロア
ニリン、N−メチルアニリン、N−フエニル−p−フエ
ニレンジアミン等である。
(c)1,6−ピレンキノン、1,2,5,8−テトラヒドロキシ
アリザリン、フエナントレンキノン、1−アミノアント
ラキノン、プルプリン、1−アミノ−4−ヒドロキシア
ントラキノン、アントラルフイン等のキノン類。
これらの化合物のうち、特に2,6−キシレノール、1−
アミノピレンが好ましい。
(d)ピロールおよびその誘導体(例えばN−メチルピ
ロール)、チオフエンおよびその誘導体(例えば、メチ
ルチオフエン)等である。
更に、本発明に係る酸化還元機能を形成しうる化合物と
しては、ポリ(N−メチルアニリン)[大貫、松田、小
山、日本化学会誌、1801−1809(1984)],ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フエニレンエーテル)、ポリ(o−
フエニレンジアミン)、ポリ(フエノール)、ポリキシ
レノール;ピラゾロキノン系ビニルモノマーの重合体、
イソアロキサジン系ビニルモノマーの重合体等のキノン
系ビニルポリマー縮重合化合物のような(a)〜(d)
の化合物を含有する有機化合物、(a)〜(d)の化合
物の低重合度高分子化合物(オリゴマー)、あるいは、
(a)〜(d)をポリビニル化合物、ポリアミド化合物
の高分子化合物に固定したもの等の当該酸化還元反応性
を有するものが挙げられる。なお、本明細書において、
重合体という語は単独重合体及び共重合体等の相互重合
体の双方を含む。
本発明において、叙上の酸化還元機能層を形成しうる化
合物をFETのゲート絶縁膜上あるいは導電性基体上に被
着するためには、アミノ芳香族化合物,ヒドロキシ芳香
族化合物等を電解酸化重合法または電解析出法によつ
て、FETのゲート絶縁膜あるいは導電性炭素,貴金属等
の導電性基体上で合成した重合体あるいは電子線照射,
光,熱などの適用によつて合成した重合体を溶媒に溶解
したものを、FETのゲート絶縁膜上あるいは導電性基体
上に塗布または浸漬により被着させる方法、真空下気相
中で反応させ直接FETのゲート絶縁膜上あるいは導電性
基体上に析出させ被着する方法、光・熱・放射線等を照
射して直接FETのゲート絶縁膜上あるいは導電性基体上
に被着する方法等を取ることができる。これらの方法の
中では特に、電解酸化重合法によるのが好ましい。電解
酸化重合法は、溶媒中で適当な支持電解質の存在下、ア
ミノ芳香族化合物、ヒドロキシ芳香族化合物等を電解酸
化重合させ、FETのゲート絶縁膜上あるいは導電性基体
の表面に重合体層が被覆されることにより実施される。
溶媒としては、例えばアセトニトリル、水、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボ
ネートメタノール等が使用される。
また支持電解質としては、例えば過塩素酸ナトリウム、
硫酸、硫酸二ナトリウム、リン酸、ホウ酸、テトラフル
オロリン酸カリウム、4級アンモニウム塩などが好適な
ものとして挙げられる。
酸化還元機能層の膜厚は、0.01μm〜1.0mm、特に0.1μ
m〜0.1mmとなるようにするのが好ましい。0.01μmよ
り薄い場合には、本発明の効果を十分奏さず、また、1.
0mmより厚くすることはセンサを小型化する上で好まし
くない。
また、本発明に使用される酸化還元機能層は、これに電
解質を含侵させて使用することができる。電解質として
は、例えばリン酸、リン酸水素二カリウム、過塩素酸ナ
トリウム、硫酸、テトラフルオロホウ酸塩、テトラフエ
ニルホウ酸塩等が挙げられる。酸化還元機能層に電解質
を含侵させるには、酸化還元機能層が導電性基体に被覆
された後、これを電解質溶液に浸漬する方法が簡便であ
る。
より好適には、リチウムイオン感応層の可塑剤への移行
を防ぎ、センサの安定性を高めるため、電解反応をモノ
マーから出発せずに2量体以上から出発して重合反応を
生起することにより、緻密で溶媒耐久性の高い、酸化還
元機能層を得られる。
このような2量体以上の多量体としては、 ヒドロキシ化合物、あるいは、アミノ化合物の多量体を
重合したものであつて、特に次の構造 但し、R11,R12はOHまたはNH2を示す。
または、 但し、R11,R12,R13,R14はOHまたは/およびNH2を示す。
または、 但し、R11,R12はOHまたはNH2を示し、 で表わせるものが良い。
特にo,o′−ビフエノール重合体、p,p′−ビフエノール
重合体が良い。
次にリチウムイオン感応層4としては、ジベンジル−14
−クラウン−4および/またはその誘導体を含むポリ塩
化ビニル膜,あるいはジオキサヘプチル−ドデシル−14
−クラウン−4またはジエトキシホスホリオキシエチル
−ドデシル−14−クラウン−4および/またはその誘導
体を含むポリ塩化ビニル層が使用される。
以下の実施例では、導電性基板としてベーサルプレーン
ピロリテイツクグラフアイト(以下BPG:ユニオンカーバ
イト社製)を使用し、この表面を電解ポリ(p,p′−ビ
フエノール)重合体層、更に、その表面をリチウムイオ
ン感応層であるジベンジル−14−クラウン−4を含むポ
リ塩化ビニル層で被覆し、このBPG電極をMOSFETのゲー
ト端子部に接続して、リチウムイオンセンサを作成し
た。又、電解ポリ(p,p′−ビフエノール)重合体層を
被覆せず、直接リチウムイオン感応層を被覆したリチウ
ムイオンセンサも作成した。
<実施例> 導電性炭素電極上への膜被覆の例を示す。
第1図に本実施例のリチウムイオンセンサの構造模式図
を示す。尚、第1図においては、寸法は考慮されていな
い。
ベーサルプレーンプロリテイツクグラフアイト(BPC:ユ
ニオンカーバイト社製)の板から、直径1mm、長さ3mmの
円柱1を切り出し(0.2cm2)、その片方の底面にリード
線3(0.1mmφのウレメツト線)を導電性接着剤2(ア
ミコン社製:C−850−6)を用いて接着したのち、テフ
ロンチユーブ6(内径1.3mm)内に挿入し、絶縁性接着
剤7(スリーボンド社製:TB2067)で絶縁した、BPG電極
を作成した。
この導電性BPG電極を作用電極とし、基準極を飽和塩化
ナトリウムカロメル電極(SSCE)、対極を白金網とする
3電極セルを用いて、以下の電解酸化条件の電解重合反
応により、酸化還元機能層そしてp,p′−ビフエノール
重合体膜5を作成した。
(電解酸化反応条件) 電解液: 0.05M p,p′−ビフエノール 0.2M 過塩素酸ナトリウム 溶媒 アセトニトリル溶液 電解温度:23℃ 電解条件:−0.2〜+1.5ボルト(対SSCE),掃引速度50
mV/秒で、27回掃引して、30分間にわたり電解反応を行
つた。
電解反応のサイクリツクボルタモグラムを第6図(a)
に示す。
第6図(b)にはポリ(p,p′−ビフエノール)膜厚が1
0μmの時に、0.2M過塩素酸ナトリウム溶液中でpHを変
化させ、200mV/sで掃引した場合の応答を示す。
次いで、このポリ(p,p′−ビフエノール)重合体膜5
にリチウムイオン感応層4を、次の条件でデイツピング
した。膜厚は500μmとした。
(リチウムイオン感応層組成) ジベンジル−14−クラウン−4(6,6−ジベンジル−1,
4,,8,11−テトラオキサシクロ・テトラデカン) … 1.1
重量部 オー−ニトロフエニルオクチルエーテル …70.2重量部 カリウムテトラキス(p−クロロフエニル)ボレート
(K−TCPB) …0.7重量部 ポリ塩化ビニル(PVC) …28.0重量部 THF溶液 … 3ml 次いで、リード線3の他端をMOSFET8のゲート部に接続
し、リチウムイオン感応性電解効果トランジスタ(以下
Li−ISFET)を作成した。これをPBP/LSM被覆センサと呼
ぶ。
<比較例> 実施例ポリ(p,p′−ビフエノール)重合体膜5を被覆
せずに、直接実施例と同じ組成のリチウムイオン感応層
を被覆したLi−ISFETを作成した。これをLSM被覆センサ
と呼ぶ。
<実験例1> 実施例及び比較例で作成されLi−ISFETの応答を150mMの
NaCl溶液中で、Liの濃度を1.86mMから3.00mMに変化させ
てテストした。
結果を第2図に示す。実施例では90%応答まで10秒、比
較例では90%応答まで2〜3秒であり、共に応答速度と
しては十分である。
<実験例2> 実施例及び比較例で作成されたLi−ISFETのLi+イオン濃
度と出力電圧との関係とをNaClを150mMで一定にし、窒
素雰囲気下、室温25℃でpLiを−5.2から−1.9まで変え
てテストした。
結果を第3図に示す。結果からpLiが1.9〜2.7の範囲で
直線性を示し、このときの勾配はどちらも52mV/pLiであ
つた。躁欝病の人にかかわるLi+イオン濃度は10-3M前後
であるので、直線部での測定が可能であり、精度良い測
定結果が期待できる。
<実験例3> 実施例及び比較例で作成したLi−ISFETのナトリウムイ
オンあるいはカリウムイオンに対する選択係数▲KPot
Li・Na▼,▲KPot Li・k▼を測定した。
結果は、▲KPot Li.Na▼が3.3×10-10,▲KPot Li・k▼が
6.2×10-3であつた。更に他のイオンに対してはナトリ
ウムイオン,カリウムイオン以下であると考えられる。
<実験例4> 実施例及び比較例で作成したLi−ISFETの溶存酸素ガス
の影響を1mMのLiClを含むNaCl150mM(pH5.55±0.03)溶
液にO2ガスとN2ガスを交互に注入してテストした。
結果を第4図に示す。図から実施例のポリ(p,p′−ビ
フエノール)重合体膜を被覆したLi−ISFETの方が酸素
ガスの影響を受けないことが分かる。
<実験例5> 実施例及び比較例のLi−ISFETの150mMのNaCl溶液中でLi
イオン濃度を増加させたときの傾きの経時変化をテスト
した。これらの実験の間、電極部は150mMNaClに1mMのLi
Clを含む水溶液中に保存した。
結果を第5図に示す。経時変化の点でもポリ(p,p′−
ビフエノール)重合体膜で被覆したものが十分安定した
特性を示した。尚、ジベンジル−14−クラウン−4のか
わりに、その誘導体を用いても同様の効果が得られた。
以上、説明したように、本実施例のリチウムイオンセン
サは、体内のリチウム濃度を正確に検出,測定できる。
又、ナトリウムイオン,カリウムイオン等の他イオンに
よる影響が小さい。
又、太さを髪の毛よりはるかに細かくでき、生体内に苦
痛なくさしこむことが出来る。
又、酸素ガスによる影響がなく、一ケ月以上安定して使
用できる。
又、固体形のセンサなので加熱蒸気で滅菌ができ、取り
扱いも簡単である。
又、リチウムイオン感応層が有機薄膜であり生体中の血
液の凝固などの影響を受けにくく、そのための対策も容
易である。
尚、本実施例で作成したリチウムセンサの構造は、好適
な一例を示したものであり、本明細書の実施例の項の始
めで述べたように、FETのゲート絶縁膜上を直接被覆し
たもの、他例の導電性基体を使用したもの、又酸化還元
機能層とリチウムイオン感応層においても、他に示した
材料の使用により、本実施例同様の効果が達成されるの
は明らかである。
[発明の効果] 本発明により応答が速く測定精度の良いリチウムイオン
センサを提供できる。
又、体内でも安全であり、長時間安定して測定のできる
リチウムイオンセンサを提供できる。
又、長時間の保存が可能なリチウムイオンセンサを提供
できる。
更に詳細には、生体のリチウム濃度を正確に検出,測定
できる。又、ナトリウムイオン,カリウムイオン等の他
イオンによる影響が小さい。
又、太さを髪の毛よりはるかに細かくでき、生体内に苦
痛なくさしこむことが出来る。
又、酸素ガスによる影響がなく、一ケ月以上安定して使
用できる。
又、固体形のセンサなので滅菌ができ、取り扱いも簡単
である。
又、リチウムイオン感応層が有機薄膜であり生体中の血
液の凝固などの影響を受けにくく、そのための対策も容
易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例のリチウムイオンセンサの構成を示す
模式図、 第2図は本実施例のリチウムイオンセンサの応答速度の
測定を示す図、 第3図は本実施例のリチウムイオンセンサのリチウム濃
度対出力電位を示す図、 第4図は本実施例のリチウムイオンセンサの酸素ガスに
よる影響を示す図、 第5図は本実施例のリチウムイオンセンサの経時変化を
示す図、 第6図(a)はサイクリツクボルタノグラムを示す図、 第6図(b)はポリ(p,p′−ビフエノール)膜の電位
応答を示す図である。 図中、1……BPG、2……導電性接着剤、3……リード
線、4……リチウムイオン感応層、5……ポリ(p,p′
−ビフエノール)重合体膜、6……テフロンチユーブ、
7……絶縁性接着剤、8……MOSFETである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/30 331 A 331 J

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FETと、 該FETのゲート絶縁膜上を被覆する酸化還元機能を発現
    する酸化還元機能層と、 該酸化還元機能層を被覆し、ジベンジル−14−クラウン
    −4−またはジオキサヘプチル−ドデシル−14−クラウ
    ン−4またはジエトキシホスホリオキシエチル−ドデシ
    ル−14−クラウン−4、および/またはその誘導体を含
    むポリ塩化ビニル層からなり、リチウムイオンに選択的
    に感応するリチウムイオン感応層とを備えることを特徴
    とするリチウムイオンセンサ。
  2. 【請求項2】FETはMOSFETであることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載のリチウムイオンセンサ。
  3. 【請求項3】酸化還元機能層は、ヒドロキシ化合物ある
    いはアミノ化合物の多量体を重合したものであつて、 特に次の構造 但し、R11,R12はOHまたはNH2を示す。 または、 但し、R11,R12,R13,R14はOHまたは/およびNH2を示す。 または、 但し、R11,R12はOHまたはNH2を示し、 で表わせるものから選ばれることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載のリチウムイオンセンサ。
  4. 【請求項4】酸化還元機能層は、o,o′−ビフエノール
    重合体、p,p′−ビフエノール重合体から選ばれること
    を特徴とする特許請求の範囲第3項記載のリチウムイオ
    ンセンサ。
  5. 【請求項5】酸化還元機能層は、キノン−ヒドロキノン
    型の酸化還元反応を行う物質のグループから選ばれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のリチウムイ
    オンセンサ。
  6. 【請求項6】酸化還元機能層は、アミン−キノイド型の
    酸化還元反応を行う物質のグループから選ばれることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のリチウムイオン
    センサ。
  7. 【請求項7】酸化還元機能層は、ポリ(ピロール)、ポ
    リ(チエニレン)等の導電性物質のグループから選ばれ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のリチウ
    ムイオンセンサ。
  8. 【請求項8】少なくとも表面が導電性材料から成る導電
    性基体と、 該導電性基体の表面を被覆する酸化還元機能を発現する
    酸化還元機能層と、 該酸化還元機能層を被覆し、ジベンジル−14−クラウン
    −4またはジオキサヘプチル−ドデシル−14−クラウン
    −4またはジエトキシホスホリオキシエチル−ドデシル
    −14−クラウン−4、および/またはその誘導体を含む
    ポリ塩化ビニル層からなり、リチウムイオンに選択的に
    感応するリチウムイオン感応層とを備えることを特徴と
    するリチウムイオンセンサ。
  9. 【請求項9】導電性基体は、金属、半導体基板をベース
    としたものの上に炭素材料を含む炭素膜を被覆したも
    の、又は分離ゲート型の電解効果型トランジスタ(FE
    T)でゲート表面から導電性材料により延長された分離
    ゲート上に炭素材料を含む炭素膜を被覆したものである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のリチウム
    イオンセンサ。
  10. 【請求項10】導電性基体は、導電性の炭素材料である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のリチウム
    イオンセンサ。
  11. 【請求項11】酸化還元機能層は、ヒドロキシ化合物あ
    るいはアミノ化合物の多量体を重合したものであつて、 特に次の構造 但し、R1,R2はOHまたはNH2を示す。 または、 但し、R1,R2,R3,R4はOHまたは/およびNH2を示す。 または、 但し、R1,R2はOHまたはNH2を示し、 で表わせるものから選ばれることを特徴とする特許請求
    の範囲第8項記載のリチウムイオンセンサ。
  12. 【請求項12】酸化還元機能層は、o,o′−ビフエノー
    ル重合体、p,p′−ビフエノール重合体から選ばれるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第11項記載のリチウムイ
    オンセンサ。
  13. 【請求項13】酸化還元機能層は、キノン−ヒドロキノ
    ン型の酸化還元反応を行う物質のグループから選ばれる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のリチウム
    イオンセンサ。
  14. 【請求項14】酸化還元機能層は、アミン−キノイド型
    の酸化還元反応を行う物質のグループから選ばれること
    を特徴とする特許請求の範囲第8項記載のリチウムイオ
    ンセンサ。
  15. 【請求項15】酸化還元機能層は、ポリ(ピロール)、
    ポリ(チエニレン)等の導電性物質のグループから選ば
    れることを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のリチ
    ウムイオンセンサ。
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