JPH1036603A - 非ハロゲン難燃化電子機器材料 - Google Patents

非ハロゲン難燃化電子機器材料

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JPH1036603A
JPH1036603A JP19765296A JP19765296A JPH1036603A JP H1036603 A JPH1036603 A JP H1036603A JP 19765296 A JP19765296 A JP 19765296A JP 19765296 A JP19765296 A JP 19765296A JP H1036603 A JPH1036603 A JP H1036603A
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JP
Japan
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resin
weight
flame
retardant
parts
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Withdrawn
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JP19765296A
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English (en)
Inventor
Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を含有しない流動性と耐熱
性の優れた難燃スチレン系樹脂組成物を用いた電子機器
材料の提供。 【解決手段】 ASTM−D1525に規定するビカッ
ト軟化温度が90〜150℃である非ハロゲン難燃スチ
レン系樹脂を用いた電子機器材料において、上記樹脂の
溶融温度200℃、せん断速度1000sec~11のせ
ん断溶融粘度が1〜300(Pa・s)であることを特
徴とする非ハロゲン難燃化電子機器材料、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器材料に関す
る。更に詳しくは、ハロゲン系難燃剤を含有しない流動
性と耐熱性の優れた難燃スチレン系樹脂組成物を用いた
電子機器材料に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂を用いた電子機器部品
は、耐熱性、耐衝撃性、及び剛性に優れていることか
ら、自動車部品、家電部品、OA機器部品を始めとする
多岐の分野で使用されているが、スチレン系樹脂の易燃
性のためにその用途が制限されている。
【0003】スチレン系樹脂の難燃化の方法としては、
ハロゲン系、リン系、無機系の難燃剤をスチレン系樹脂
に添加することが知られており、それによりある程度難
燃化が達成されている。しかしながら、ハロゲン系難燃
剤は環境問題を残しており、また無機系難燃剤は難燃性
発現のためには多量添加が必要となり、衝撃強度の低下
が著しい。そして、リン系難燃剤は上記問題を有さない
が、難燃化のためにエンジニアリングプラスッチクスが
用いられるために本来のスチレン系樹脂の優れた特性、
特に流動性が損なわれる。例えば、ポリフェニレンエー
テル/ポリスチレン/赤リン(米国特許366365
4)、ポリフェニレンエーテル/リン酸エステル/熱可
塑性エラストマー(米国特許4684682)、ポリフ
ェニレンエーテル/ポリスチレン/有機リン化合物(特
開昭57−153035号公報)が開示されている。上
記公報の樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルが主成
分である場合には、難燃性及び耐熱性は優れているもの
の、流動性が著しく低く、またポリスチレンが主成分の
場合には、流動性は優れているものの、耐熱性及び難燃
性が劣る。このように従来の難燃スチレン系樹脂を用い
た電子機器材料は不充分なものであった。
【0004】その上、リン系難燃剤、特に有機リン化合
物を使用する場合の問題点として、一般的に有機リン化
合物は揮発性が高く、成形時に揮発性有機リン化合物に
よる金型汚染、いわゆるモールドディポジットが発生す
るために生産性を低下させたり、または金型汚染物が成
形品に転写しストレスクラックを引き起こすために、有
機リン化合物を用いた電子機器材料の工業的使用が狭め
られている。
【0005】揮発性を改良する技術として、フェノール
樹脂と特定のアルキル基置換リン酸エステル単量体から
なる積層板用樹脂組成物(特開平1−95149、特開
平1−242633、特開平1−193328号公報)
が開示されている。該公報の難燃剤の対象は熱硬化樹脂
であり、本発明の難燃化電子機器材料とは異なる。
【0006】また、スチレン系樹脂の難燃化技術とし
て、ポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂、リン酸
の金属塩、トリス(ノニルフェニル)フォスフェート等
のフォスフェートからなる難燃樹脂組成物(特開昭63
−305161号公報)、ポリフェニレンエーテル、高
分子量ポリエチレンを必須成分とし、必要に応じてトリ
ス(ノニルフェニル)フォスフェート等のフォスフェー
トからなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物(EP5
50204)、芳香族ポリカーボネート、ABS樹脂、
AS樹脂、トリス(ノニルフェニル)フォスフェート等
のフォスフェート、芳香族スルホン酸塩、及び繊維状補
強材からなる難燃性樹脂組成物(特開平6−29906
0号公報)が開示されている。上記3公報には、特定の
樹脂組成物により優れた流動性、難燃性、耐揮発性等の
樹脂特性が発現すること及び電子機器材料としての使用
は開示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、電子機器材料、特にテレビ,OA機器(事
務機器、電子情報処理機器)のハウジング、内部部品材
料について検討を重ねてきた。軽量化、大型化、一体成
形化、成形サイクルの短縮化のために、これらの電子機
器材料に対して、複雑な薄肉形状金型を用いても、より
低温で成形できるだけの高せん断速度での流動性が求め
られている。一方で、電子機器の長時間使用による内部
発熱や高温使用に耐えるだけの耐熱性が要求されるが、
一般的に流動性の改良を図った場合は、必然的に耐熱性
が低下する二律背反の技術的制約を克服しなければなら
ない。そして、もし火災に遭遇した場合には、その本質
的な易燃性、発生ガス等の環境に与える影響にも配慮し
なければならない。すなわち、電子機器材料は単に、耐
熱性、難燃性に優れるだけでなく、環境に優しい材料で
なければならない。
【0008】本発明は、このような要件をすべて満足す
る樹脂材料を提供することを目的とするものである。即
ち、本発明は、ハロゲン系難燃剤を含有しない流動性と
耐熱性の優れた難燃スチレン系樹脂組成物を用いた電子
機器材料を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電子機器
材料の技術開発を鋭意検討した結果、新規な非ハロゲン
難燃スチレン系樹脂が、特定の特性を満足することによ
り、驚くべきことに、難燃性、流動性、及び耐熱性が飛
躍的に向上することを見出し、本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明は、ASTM−D1525に
規定するビカット軟化温度が90〜150℃である非ハ
ロゲン難燃スチレン系樹脂を用いた電子機器材料におい
て、上記樹脂の溶融温度200℃、せん断速度1000
sec~1のせん断溶融粘度が1〜300(Pa・s)で
あることを特徴とする非ハロゲン難燃化電子機器材料、
とりわけ、非ハロゲン難燃スチレン系樹脂が、(A)樹
脂部分の還元粘度ηsp/Cが0.4〜0.6であるゴ
ム変性スチレン系樹脂 100重量部、(B)下記式
(1)で示される難燃剤 1〜100重量部、(C)還
元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6であるポリフェニレ
ンエーテル 1〜100重量部からなる上記記載の非ハ
ロゲン難燃化電子機器材料を提供するものである。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、a、b、cは1から3、R1
2、R3は水素または炭素数が1から30のアルキル基
であり、化合物全体として、置換基R1、R2、R3の炭
素数の合計が平均12から30である。ここで、異なっ
た置換基を有する、複数の芳香族リン酸エステルからな
る場合には、上記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素
数の合計は、数平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リ
ン酸エステル成分の重量分率と、各成分の置換基の炭素
数の合計との積の和である。) 以下、本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明の電子機器材料は、上記規定の特定
のビカット軟化温度を有し、かつ高せん断速度溶融条件
での特定のせん断溶融粘度を有する。
【0014】上記ビカット軟化温度は、耐熱性の指標で
あり、90〜150℃であることが必須である。90℃
未満では長期間の使用による内部発熱や高温雰囲気下で
の使用時に変形することがあり、一方、150℃を越え
ると、流動性が低下する。
【0015】また、溶融温度200℃、せん断速度10
00sec~1のせん断溶融粘度が1〜300(Pa・
s)であることが必須である。特に2mm以下の薄肉成
形品を無理なく成形するためには、または200℃の成
形温度を設定して成形サイクルの短縮化を図るためには
上記溶融条件でせん断粘度が300Pa・s以下である
ことが重要である。一方、上記せん断粘度が1Pa・s
未満では、成形時に充填過剰となったり、耐熱性が低下
するために好ましくないことを見出し、本発明を完成し
た。
【0016】本発明の非ハロゲン難燃スチレン系樹脂
は、上記特性を満足する樹脂であれば、特に制限されな
いが、例えば(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)芳
香族リン酸エステル単量体、(C)ポリフェニレンエー
テルからなる難燃樹脂組成物が好ましい。
【0017】上記(A)は成形用樹脂組成物の主成分を
なし、成形品の強度保持の役割を担い、(B)はスチレ
ン系樹脂に難燃性を付与するための成分であり、(C)
は(A)に衝撃強度、耐熱性及び難燃性を付与するため
の成分である。
【0018】本発明において、特にUL−94規定のV
−2ランキングに相当する滴下型難燃スチレン系樹脂
は、(A)樹脂部分の還元粘度ηsp/Cが0.4〜
0.6であるゴム変性スチレン系樹脂100重量部、
(B)上記式(1)で示される難燃剤1〜100重量
部、(C)還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6である
ポリフェニレンエーテル1〜100重量部を組み合わせ
ることにより達成することができる。本発明の還元粘度
の要件を満足することにより、火種の滴下性と流動性、
衝撃強度のバランス特性が向上する。
【0019】本発明において、(A)スチレン系樹脂
は、ゴム変性スチレン系樹脂及び/またはゴム非変性ス
チレン系樹脂であり、特にゴム変性スチレン系樹脂単独
またはゴム変性スチレン系樹脂とゴム非変性スチレン系
樹脂からなることが好ましく、(B)〜(C)と相溶も
しくは均一分散し得るものであれば特に制限はない。ま
た、ゴム変性スチレン系樹脂は、ビニル芳香族系重合体
よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散
してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族
ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニ
ル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、乳化
重合、懸濁重合等の重合方法により得られる。
【0020】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。
【0021】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、
−30℃を越えると耐衝撃性が低下する。
【0022】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0023】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好ま
しいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体
を共重合してもよい。
【0024】また、(A)の中のゴム変性スチレン系樹
脂の成分として必要に応じて、芳香族ビニル単量体に共
重合可能な単量体成分を一種以上導入することができ
る。耐油性を高める必要のある場合は、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体を用
いることができる。
【0025】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香
族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40
重量%である。
【0026】ゴム変性スチレン系樹脂におけるゴム状重
合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは1
0〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合物は、
好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは90〜5
0重量%の範囲にある。この範囲内では、目的とする樹
脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上する。更に
は、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1〜5.0
μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好適であ
る。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。
【0027】ゴム変性スチレン系樹脂の分子量の尺度で
ある樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、
30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場合は
トルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル−芳
香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)は、
0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好まし
く、0.40〜0.60dl/gの範囲にあることがよ
り好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度ηsp
/cに関する上記要件を満たすための手段としては、重
合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げる
ことができる。
【0028】本発明において前記(B)として使用する
難燃剤は、リン系または無機系難燃剤である。
【0029】上記(B)としてのリン系難燃剤として
は、有機リン化合物、赤リン、無機系リン酸塩等が挙げ
られる。
【0030】上記有機リン化合物の例としては、ホスフ
ィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウ
ム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル等である。より具体的には、トリフェニルフォスフ
ェート、メチルネオベンチルフォスファイト、ペンタエ
リスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペ
ンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォス
フェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフ
ェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジ
ネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテ
コールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフ
ェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートであ
る。
【0031】ここで、特に有機リン化合物として、下記
式(2)で表わされる芳香族系リン酸エステル単量体、
下記式(3)で表わされる芳香族系リン酸エステル縮合
体が好ましい。
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】(但し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、A
5、Ar6はフェニル基、キシレニル基、エチルフェニ
ル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、
4,4’−ジオキシジアリールアルカン基から選ばれる
芳香族基である。また、nは0〜3の整数を表わし、m
は1以上の整数を表わす。) 上記芳香族系リン酸エステル単量体の中でも、特にヒド
ロキシル基含有芳香族系リン酸エステル単量体、例え
ば、上記式(2)に示したトリクレジルフォスフェート
やトリフェニルフォスフェート等に1個または2個以上
のフェノール性水酸基を含有したリン酸エステル単量
体、または下記式(1)に示した芳香族リン酸エステル
単量体が好ましい。
【0035】
【化5】
【0036】(式中、a、b、cは1から3、R1
2、R3は水素または炭素数が1から30のアルキル基
であり、化合物全体として、置換基R1、R2、R3の炭
素数の合計が平均12から30である。ここで、異なっ
た置換基を有する、複数の芳香族リン酸エステルからな
る場合には、上記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素
数の合計は、数平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リ
ン酸エステル成分の重量分率と、各成分の置換基の炭素
数の合計との積の和である。) 本発明において、芳香族リン酸エステル単量体の中で
も、置換基R1、R2、R3の炭素数合計の数平均は、1
5〜30が好ましく、さらには20〜30が好ましく、
25〜30が最も好ましい。
【0037】具体的な置換基として、ノニル基、t−ブ
チル基等のブチル基、t−アミル基、ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オタデシル基、ノナデシル基、オクタドデシル基等
が挙げられ、一つまたは複数個の置換基が一つの芳香環
にオルト、メタ、パラの何れの位置にも置換することが
できるが、パラ置換体が好ましい。一つのリン酸エステ
ル単量体に置換するアルキル基の炭素数の合計が12〜
30の範囲にあることが最も好ましいが、長鎖アルキル
基が一つだけ置換した芳香環を一つだけ有するリン酸エ
ステル単量体よりも、アルキル基が一つだけ置換した芳
香環が複数個有するリン酸エステル単量体の方が耐熱性
及び耐水性が優れている。例えば、置換するアルキル基
の炭素数の合計が18でも、オクタデシルフェニルジフ
ェニルフォスフェートよりも、ビス(ノニルフェニル)
フェニルフォスフェートの方が耐熱性が高く好ましい。
【0038】本発明において、有機リン化合物の中で
も、特にR1、R2、R3の少なくとも1つはノニル基で
あるリン酸エステル単量体が好ましく、R1、R2、R3
がノニル基である芳香族リン酸エステル単量体〔トリス
(ノニルフェニル)フェニルフォスフェート〕が流動性
と耐揮発性の観点から最も好ましい。上記リン酸エステ
ル単量体は、難燃剤中に50重量%以上含有する場合に
特に大きな難燃性効果が発現する。そして、上記リン酸
エステル単量体は火種の滴下性に優れ、UL−94に準
拠した難燃性基準において、V−2ランクの難燃剤とし
て極めて優れている。この事実は従来知られていなかっ
た。
【0039】また、耐揮発性の観点から、置換基の炭素
数の合計が本発明の要件を満たす必要があるが、置換基
の炭素数の合計が12未満のものの割合が1重量%以下
である場合には、さらに優れた耐揮発性が発現する。
【0040】そして、難燃剤の熱安定性、特に耐熱変色
性の観点から、残存酸性物質の指標としてJIS−K6
751に規定する酸価が1mgKOH/g以下さらには
0.5mgKOH/g、及び/またはアルキルフェノー
ルが1重量%以下さらには0.5重量%以下であること
が好ましく、更にアルミニウム、マグネシウム、ナトリ
ウム、アンチモンが1000ppm以下であることがよ
り好ましい。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
が難燃剤中に1〜1000重量ppm含有すると熱安定
性が飛躍的に向上する。
【0041】次いで、耐光性の観点からは、置換基
1、R2、R3はアリール基でなく、アルキル基の場合
でも、アルキル基は枝分かれが少ない方が好ましく、特
に直鎖または枝分かれが1箇所のアルキル基が特に好ま
しい。
【0042】さらに、芳香族リン酸エステルの1つの芳
香環に置換する置換基の数は、1つが好ましい。1つの
芳香環に複数個の置換基が置換した芳香族リン酸エステ
ル単量体の粘度は高く、その粘度は置換基数と共に上昇
する。芳香族リン酸エステル単量体の粘度が高くなる
と、取り扱い上の問題だけでなく、高粘度のために精製
が困難となり前述の不純物が残存することにより、耐光
性、耐熱変色性が低下する。
【0043】本発明の中でも最も好ましい芳香族リン酸
エステル単量体の組み合わせは、トリス(ノニルフェニ
ル)フォスフェート(TNPP)を主体に、ビス(ノニ
ルフェニル)フェニルフォスフェート(BNPP)を少
量含有し、置換基R1、R2、R3の炭素数合計の数平均
が20〜27であり、好ましくは25〜27であり、さ
らに好ましくは26〜27であり、26.5〜27が最
も好ましい。上記の炭素数合計の数平均を満足するため
には、例えばBNPPが78〜0重量%、好ましくは2
2〜0重量%、さらに好ましくは11〜0重量%、最も
好ましくは5〜0重量%であり、TNPPが22〜10
0重量%、好ましくは78〜100重量%、さらに好ま
しくは89〜100重量%、最も好ましくは95〜10
0重量%の範囲にある。このような組み合わせの難燃剤
は特に難燃性、流動性、耐熱性、衝撃強さ、耐水光沢保
持性、及び得られた成形体の表面硬度のバランス特性が
優れている。TNPPは耐揮発性、耐熱性付与効果が高
いだけでなく、構造的に対称であるために、耐水光沢保
持性が極めて優れている。このようにTNPPは特異的
効果を発現し、従来の知見では予想できない。
【0044】本発明において使用する芳香族リン酸エス
テル単量体は、特開平1−95149号公報、特開平3
−294284号公報等に開示された公知の方法により
製造することができる。例えば、アルキルフェノールと
オキシ塩化リンと触媒の無水塩化アルミニウムを加熱下
に反応する方法、または亜リン酸トリエステルを酸素で
酸化して、対応する芳香族リン酸エステルに転換する方
法がある。
【0045】また前記芳香族リン酸エステル縮合体の中
でも、特にビスフェノールA ビス(ジフェニルフォス
フェート)、ビスフェノールA ビス(ジクレジルフォ
スフェート)等が好ましい。
【0046】前記(B)において、リン系難燃剤の一つ
の赤リンは、一般の赤リンの他に、その表面をあらかじ
め、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
亜鉛、水酸化チタンよりえらばれる金属水酸化物の被膜
で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金
属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理さ
れたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の
被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理された
ものなどである。
【0047】前記(B)において、リン系難燃剤の一つ
の無機系リン酸塩は、ポリリン酸アンモニウムが代表的
である。
【0048】そして、前記(B)としての無機系難燃剤
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマ
イト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウ
ム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、ホ
ウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸
亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカルシウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種で
も2種以上を併用してもよい。この中で特に、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれたもの
が難燃効果が良く、経済的にも有利である。
【0049】本発明における前記(B)の添加量は,ゴ
ム変性スチレン系樹脂100重量部に対して、1〜10
0重量部であり、好ましくは1〜50重量部、更に好ま
しくは、3〜20重量部、最も好ましくは、5〜15重
量部である。
【0050】本発明において、ポリフェニレンエーテル
(C)は、下記式(4)で示される結合単位からなる単
独重合体及び/又は共重合体である。
【0051】
【化6】
【0052】但し、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。
【0053】このポリフェニレンエーテルの具体的な例
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、
中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)が好ましい。かかるポリフェニレンエーテルの
製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、米国
特許第3,306,874号明細書記載の方法による第
一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例
えば2,6キシレノールを酸化重合することにより容易
に製造でき、そのほかにも米国特許第3,306,87
5号明細書、米国特許第3,257,357号明細書、
米国特許3,257,358号明細書、及び特公昭52
−17880号公報、特開昭50−51197号公報に
記載された方法で容易に製造できる。本発明にて用いる
上記ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/c
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、前記ポリフェニレンエーテルの製造の際の触媒量の
調整などを挙げることができる。
【0054】本発明における前記(C)の添加量は,ス
チレン系樹脂100重量部に対して、1〜100重量部
であり、好ましくは1〜50重量部、更に好ましくは、
3〜20重量部、最も好ましくは、5〜15重量部であ
る。
【0055】本発明において、必要に応じて、飽和高級
脂肪族のカルボン酸またはそれらの金属塩、カルボン酸
エステル系ワックス、オルガノシロキサン系ワックス、
ポリオレフィンワックス、ポリカプロラクトンから選ば
れる一種または二種以上の離型剤(D)を配合すること
ができる。
【0056】上記(D)の中でも、飽和高級脂肪族のカ
ルボン酸またはそれらの金属塩から選ばれた1種または
2種以上の化合物が好ましい。
【0057】飽和高級脂肪酸のカルボン酸としては炭素
数12〜42の直鎖飽和モノカルボン酸が好ましい。例
えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられる。これ
らの金属塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜
鉛等があり、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウムが特に好ましい。
【0058】(D)の量は、スチレン系樹脂100重量
部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、更に好ま
しくは、0.1〜5重量部、最も好ましくは、0.3〜
1重量部である。
【0059】本発明において、必要に応じて、トリアジ
ン骨格含有化合物、ノボラック樹脂、含金属化合物、シ
リコーン樹脂、シリコーンオイル、シリカ、アラミド繊
維、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル繊維から選ば
れる一種以上の難燃助剤(E)を配合することができ
る。
【0060】(E)の量は、ゴム変性スチレン系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.001〜40重量
部、更に好ましくは、1〜20重量部、最も好ましく
は、5〜10重量部である。
【0061】(E)としてのトリアジン骨格含有化合物
は、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上
させるための成分である。その具体例としては、メラミ
ン、下記式(5)で表わされるメラム、下記式(6)で
表わされるメレム、メロン(600°C以上でメレム3
分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、下記式
(7)で表わされるメラミンシアヌレート、下記式
(8)で表わされるリン酸メラミン、下記式(9)で表
わされるサクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチ
ルグルタログアナミン、下記式(10)で表わされるメ
ラミン樹脂、下記式(11)で表わされるBTレジン等
を挙げることができるが、耐揮発性の観点から特にメラ
ミンシアヌレートが好ましい。
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】(E)としてのノボラック樹脂は、難燃助
剤であり、かつヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステ
ルと併用する場合には、流動性と耐熱性の向上剤でもあ
る。そして、その樹脂は、フェノール類とアルデヒド類
を硫酸または塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得
られる熱可塑性樹脂であり、その製造方法は、「高分子
実験学5『重縮合と重付加』p.437〜455(共立
出版(株))」に記載されている。
【0070】ノボラック樹脂製造の一例を下記式(1
2)、(13)に示す。
【0071】
【化14】
【0072】上記フェノール類は、フェノール、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−
ジメチル−、3,5−ジメチル−、2,3,5−トリメ
チル−、3,4,5−トリメチル−、p−t−ブチル
−、p−n−オクチル−、p−ステアリル−、p−フェ
ニル−、p−(2−フェニルエチル)−、o−イソプロ
ピル−、p−イソプロピル−、m−イソプロピル−、p
−メトキシ−、及びp−フェノキシフェノール、ピロカ
テコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、サリチル
アルデヒド、サルチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メ
チル p−ヒドロキシベンゾエート、p−シアノ−、及
びo−シアノフェノール、p−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、シク
ロヘキシルp−ヒドロキシベンゼンスルホネート、4−
ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、メチル 4
−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィネート、4−ヒ
ドロキシフェニルホスホン酸、エチル 4−ヒドロキシ
フェニルホスホネート、ジフェニル 4−ヒドロキシフ
ェニルホスホネート等である。
【0073】上記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、n−プロパナール、n−ブタナー
ル、イソプロパナール、イソブチルアルデヒド、3−メ
チル−n−ブタナール、ベンズアルデヒド、p−トリル
アルデヒド、2−フェニルアセトアルデヒド等である。
【0074】(E)としての含金属化合物は、金属酸化
物及び/または金属粉である。上記金属酸化物は、酸化
アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モ
リブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、
酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸
化タングステン等の単体または、それらの複合体(合
金)であり、上記金属粉は、アルミニウム、鉄、チタ
ン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマ
ス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アン
チモン等の単体または、それらの複合体である。
【0075】(E)としてのシリコーン樹脂は、SiO
2、RSiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単位
を組み合わせてできる三次元網状構造を有するシリコー
ン樹脂である。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジ
ル基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有
した置換基を示す。ここで、特にビニル基を含有したシ
リコーン樹脂が好ましい。
【0076】このようなシリコーン樹脂は、上記の構造
単位に対応するオルガノハロシランを共加水分解して重
合することにより得られる。
【0077】(E)としてのシリコーンオイルはポリジ
オルガノシロキサンであり、特に含ビニル基シリコーン
オイルが好ましく、下記式(14)に示される化学結合
単位からなる。
【0078】
【化15】
【0079】上式中のRは、C1〜8のアルキル基、C
6〜13のアリール基、下記式(15)、(16)で示
される含ビニル基から選ばれる一種または二種以上の置
換基であり、ここで、特に分子中ビニル基を含有する。
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】前記含ビニル基シリコーンオイルの粘度
は、600〜1000000センチストークス(25
℃)が好ましく、さらに好ましくは90000〜150
000センチストークス(25℃)である。
【0083】(E)としてのシリカは、無定形の二酸化
ケイ素であり、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系の
シランカップリング剤で処理した炭化水素系化合物被覆
シリカが好ましく、更にはビニル基を含有した炭化水素
系化合物被覆シリカが好ましい。
【0084】上記シランカップリング剤は、p−スチリ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基含有
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン等のエポキシシラン、及びN−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノシランである。ここで、特に熱可塑性樹脂と構
造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ま
しく、例えば、スチレン系樹脂に対しては、p−スチリ
ルトリメトキシシランが好適である。
【0085】シリカ表面へのシランカップリング剤の処
理は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法は、シリカ
をシランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥さ
せる方法であり、乾式法は、ヘンシェルミキサーのよう
な高速撹はん可能な機器の中にシリカを仕込み、撹はん
しながらシランカップリング剤液をゆっくり滴下し、そ
の後熱処理する方法である。
【0086】(E)としてのアラミド繊維は、平均直径
が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであ
ることが好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラ
フェニレンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または
硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することに
より製造することができる。
【0087】(E)としてのフッ素系樹脂は、難燃助剤
であり、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。そ
の具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフ
ルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体等を挙げることができる。
また、必要に応じて上記含フッ素モノマーと共重合可能
なモノマーとを併用してもよい。
【0088】(E)としてのポリアクリロニトリル繊維
は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜
10mmであることが好ましく、ジメチルホルムアミド
等の溶媒に重合体を溶解し、400℃の空気流中に乾式
紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の溶媒に重合体を溶解
し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製造される。
【0089】本発明において、必要に応じて、芳香族ビ
ニル単位とアクリル酸エステル単位からなる共重合樹
脂、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコール、または
金属石鹸から選ばれる一種または二種以上の流動性向上
剤(F)を配合することができる。
【0090】(F)の量は、ゴム変性スチレン系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、
更に好ましくは、0.5〜10重量部、最も好ましく
は、1〜5重量部である。
【0091】(F)としての共重合樹脂の芳香族ビニル
単位は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラ
メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチ
レン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチ
レンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香
族ビニル単量体を共重合してもよい。そして、アクリル
酸エステル単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル等の炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸
エステルである。
【0092】ここで、共重合樹脂中のアクリル酸エステ
ル単位の含量は、3〜40重量%が好ましく、更には、
5〜20重量%が好適である。また、上記共重合樹脂の
分子量の指標である溶液粘度(樹脂10重量%のMEK
溶液、測定温度25℃)が、2〜10cP(センチポア
ズ)であることが好ましい。溶液粘度が2cP未満で
は、衝撃強度が低下し、一方、10cPを越えると流動
性の向上効果が低下する。
【0093】(F)としての脂肪族炭化水素系加工助剤
は、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワック
ス、ポリオレフィンワックス、合成パラフィン、及びこ
れらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物等であ
る。
【0094】(F)としての高級脂肪酸は、(C)離型
剤の項で述べたもの以外の飽和脂肪酸、及びリシノール
酸、リシンベライジン酸、9−オキシ12オクタデセン
酸等の不飽和脂肪酸等である。
【0095】(F)としての高級脂肪酸エステルは、フ
ェニルステアリン酸メチル、フェニルステアリン酸ブチ
ル等の脂肪酸の1価アルコールエステル、及びフタル酸
ジフェニルステアリルのフタル酸ジエステル等の多塩基
酸の1価アルコールエステルであり、さらに、ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパル
ミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の
ソルビタンエステル、ステアリン酸モノグリセライド、
オレイン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセラ
イド、ベヘニン酸モノグリセライド等のグリセリン単量
体の脂肪酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エス
テル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセ
リンラウリン酸エステル等のポリグリセリンの脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノ
オレート等のポリアルキレンエーテルユニットを有する
脂肪酸エステル、及びネオペンチルポリオールジステア
リン酸エステル等のネオペンチルポリオール脂肪酸エス
テル等である。
【0096】(F)としての高級脂肪酸アミドは、フェ
ニルステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミ
ド、メチロールベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のモノア
ミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジ
エタノールアミド、及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ
ド、オレイン酸ジエタノールアミド等のN,N’−2置
換モノアミド等であり、さらに、メチレンビス(12−
ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド、エチレンビ
スステアリン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキ
シフェニル)ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス
(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の
飽和脂肪酸ビスアミド、及びm−キシリレンビス(12
−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の芳香族
系ビスアミドである。
【0097】(F)としての高級脂肪族アルコールは、
ステアリルアルコールやセチルアルコール等の1価のア
ルコール、ソルビトールやマンニトール等の多価アルコ
ール、及びポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオ
キシエチレンボクタデシルアミン等であり、さらに、ポ
リオキシエチレンアリル化エーテル等のポリアルキレン
エーテルユニットを有するアリル化エーテル、及びポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
トリドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリエピクロルヒドリンエーテル、ポリオキシエチレン
ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレンビスフェノールA
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレング
リコールエーテル等のポリアルキレンエーテルユニット
を有する2価アルコールである。
【0098】(F)としての金属石鹸は、上記ステアリ
ン酸等の高級脂肪酸の、バリウムやカルシウムや亜鉛や
アルミニウムやマグネシウム等の金属塩である。
【0099】本発明において、必要に応じて、熱可塑性
エラストマー(G)を配合することができ、例えば、ポ
リスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポ
リウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、ポリ塩化ビ
ニル系等であり、特にポリスチレン系熱可塑性エラスト
マーが好ましい。
【0100】(G)の量は、ゴム変性スチレン系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、
更に好ましくは、1〜10重量部、最も好ましくは、2
〜5重量部である。
【0101】上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロッ
ク共重合体、または上記共役ジエン単位部分が部分的に
水素添加されたブたブロック共重合体である。
【0102】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0103】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。
【0104】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部
分を結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体で
あることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3
型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好ま
しい。
【0105】本発明において、耐光性が要求される場合
には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン
系光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金
属不活性剤、または消光剤から選ばれる一種または二種
以上の耐光性改良剤(H)を配合することができる。
【0106】(H)の量は、ゴム変性スチレン系樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量
部、更に好ましくは、0.1〜10重量部、最も好まし
くは、1〜5重量部である。
【0107】(C)ポリフェニレンエーテルを用いる場
合の樹脂組成物の製造方法としては、スチレン系樹脂と
(C)をまず溶融し、次いで、(B)を添加し、同一押
出機で溶融混練する方法、またはスチレン系樹脂、
(C)、または必要に応じて(B)を配合したマスター
バッチを製造した後、上記マスターバッチと、残りのス
チレン系樹脂または残りの(B)を混練する方法があ
る。
【0108】上記難燃樹脂組成物の製造において用いら
れる二軸押出機については、特にポリフェニレンエーテ
ルを含有する場合には、そのシリンダー内径Dに対する
スクリュー長さLの割合L/Dが20〜50であること
が好ましく、上記二軸押出機の先端部からの距離を異に
するメインフィード開口部とサイドフィード開口部の2
箇所以上の供給用開口部を有し、複数の上記供給用開口
部の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給
用開口部との間にニーディング部分を有し、上記ニーデ
ィング部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであること
が好ましい。
【0109】本発明の電子機器材料を構成する難燃樹脂
組成物の好ましい組成の一例としては次のものを挙げる
ことができる。ゴム変性スチレン系樹脂10〜90重量
部とゴム非変性スチレン系樹脂90〜10重量部からな
る、スチレン系樹脂(A)100重量部に対して、TN
PP単独またはTNPPを主体にBNPPを含有した芳
香族リン酸エステル単量体(B)5〜15重量部、
(C)ポリフェニレンエーテル3〜10重量部。
【0110】上記組成の場合には、難燃性、特に滴下型
難燃性、連続成形性、成形加工性(流動性)、耐衝撃
性、及び耐熱性のバランス特性が優れている。
【0111】このようにして得られた組成物は流動性が
優れているために、電子機器材料用の射出成形機によ
り、容易に長期間連続成形することが可能であり、そし
て得られた成形品は難燃性(滴下型難燃性)、流動性、
耐熱性及び耐衝撃性が優れている。
【0112】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受
けるものではない。
【0113】尚、実施例、比較例における測定は、以下
の方法もしくは測定機を用いて行なった。
【0114】(1)ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェ
ニレンエーテルの還元粘度ηsp/C ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振とうし、5℃、18000rpmで30分間遠心
分離する。上澄み液を取り出しメタノールで樹脂分を析
出させた後、乾燥した。
【0115】このようにして得られた樹脂0.1gを、
ゴム変性ポリスチレンの場合はトルエンに溶解し、ゴム
変性アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂の場合はメ
チルエチルケトンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液
とし、この溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度
計に入れ、30℃でこの溶液落下時間T1(秒)を測定
した。一方、別に同じ粘度計で純トルエンまたは純メチ
ルエチルケトンの落下時間T0(秒)を測定し、以下の
数式により算出した。
【0116】ηsp/C=(T1/T0−1)/C C:ポリマー濃度(g/dl) 一方、ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/Cに
ついては、0.1gをクロロホルムに溶解し、濃度0.
5g/dlの溶液とし、上記と同様に測定した。
【0117】(2)難燃剤の分析 樹脂組成物5gを100mlのメチルエチルケトンに溶
解し、超遠心分離機を用いて分離する。(20000r
pm、1時間)次いで、分離して得られた上澄み液に2
倍量のメタノールを添加して樹脂成分を析出させ、溶液
部分と樹脂部分を超遠心分離機を用いて分離した。溶液
部分については、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)〔日本国東ソー(株)製、装置本体(R
I屈折率検出器付き) HLC−8020;カラム 東
ソー(株)製、G1000HXL2本;移動相 テトラ
ヒドロフラン;流量 0.8ml/分;圧力 60kg
f/cm2;温度 INLET 35℃,OVEN 4
0℃,RI 35℃;サンプルループ 100ml;注
入サンプル量 0.08g/20ml 〕で分析し、ク
ロマトグラム上の各成分の面積比を各成分の重量分率と
仮定し、面積比からリン酸エステルの組成と量を求め
た。一方、上記の樹脂部分については、フーリエ変換核
磁気共鳴装置(プロトン−FT−NMR)を用いて、芳
香族プロトンまたは脂肪族プロトンの積分値の比を求
め、ゴム変性スチレン系樹脂及びポリフェニレンエーテ
ル等の熱可塑性樹脂の量を求めた。
【0118】(3)リン系難燃剤の揮発性評価(熱重量
天秤試験:TGA法) 日本国島津製作所製の島津熱分析装置DT−40を用い
て、窒素気流下、40℃/分で昇温し、300℃または
400℃での重量減少を量揮発性の尺度とした。
【0119】(4)Izod衝撃強度 ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定し
た。
【0120】(Vノッチ、1/8インチ試験片) (5)Vicat軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定し、耐熱性
の尺度とした。
【0121】(6)メルトフローレート(MFR) 溶融流動性の指標でASTM−D1238に準拠した方
法で測定した。荷重5kg、溶融温度200℃の条件で
10分間あたりの押出量(g/10分)から求めた。
【0122】(7)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した。(1/8インチ試験片) (8)せん断溶融粘度の測定 ROSAND社のキャピラリーレオメーターを用い、溶
融温度200℃、せん断速度1000sec~1の条件で
せん断溶融粘度(Pa・s)を求め、流動性の尺度とし
た。
【0123】 テスト条件: ロングダイ長 16mm ロングダイ直径 1mm ショートダイ長 0.25mm ショートダイ直径 1mm ダイエントリー角 180deg (9)成形性評価 図1に記載した電子機器部品の一部(直径3mmのゲー
ト部分を有し、厚み2.5mmの板に厚み1.2mm、高
さ100mmのリブが接続)に樹脂が中実に充填される
かで成形性を評価した。
【0124】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0125】(イ)スチレン系樹脂 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) ポリブタジエン{(シス1,4結合/トランス1,4結
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3)(日本ゼ
オン(株)製、商品名Nipol 122 OSL)}
を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。
【0126】 ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 74.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.03重量% 次いで、上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連
続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
°C、第2段は50rpm、133°C、第3段は20
rpm、140°C、第4段は20rpm、155°C
で重合を行った。引き続きこの固形分73%の重合液を
脱揮装置に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム
変性芳香族ビニル樹脂を得た。(HIPS−1と称す
る)得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂を分析した結
果、ゴム含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径
は1.5μm、還元粘度ηsp/cは0.53dl/g
であった。
【0127】また、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動
剤量の調整により、還元粘度ηsp/cの異なったゴム
変性スチレン系樹脂を製造した。その結果を表2に記載
した。
【0128】実施例、比較例において、以下のHIPS
を用いた。(表1、2) HIPS−1:ポリブタジエンゴム、ゴム含量は12.
1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5μm、還元粘
度ηsp/cは0.53dl/g。
【0129】HIPS−2:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.79dl/g。
【0130】HIPS−3:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.60dl/g。
【0131】HIPS−4:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.58dl/g。
【0132】HIPS−5:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.40dl/g。
【0133】HIPS−6:ゴム含量は12.1重量
%、ゴムの重量平均粒子径は1.5μm、還元粘度ηs
p/cは0.35dl/g。
【0134】ゴム非変性スチレン系樹脂(GPPS) 重量平均分子量20万のポリスチレン(旭化成工業
(株)製)を用いた(GPPSと称する)。
【0135】(ロ)ポリフェニレンエーテル(PPE)
の製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら90分間重
合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPE−1と称する)。還元粘度ηsp/Cは
0.41dl/gであった。
【0136】また、ポリフェニレンエーテルの製造の際
の触媒量の調整または重合時間の制御により、還元粘度
ηsp/cの異なったポリフェニレンエーテルを製造し
た。その結果を表1に記載した。
【0137】(ハ)リン系難燃剤 トリフェニルホスフェート(TPP) 市販の芳香族リン酸エステル単量体〔大八化学工業
(株)製、商品名TPP(TPP称する)〕を用いた。
また、リン含有量は9.5重量%である。
【0138】アルキル基置換芳香族リン酸エステル単
量体(FR−1)の製造 ノニルフェノール287.3重量部(モル比2.0)、
塩化アルミニウム0.87重量部(モル比0.01)を
フラスコに取り90°Cでオキシ塩化リン100重量部
(モル比1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中
間体にフェノール61.4重量部(モル比1.0)を加
え、更に反応させた。反応を完結させるために、徐々に
昇温し最終的には180°Cまで温度を上げてエステル
化を完了させた。次いで反応生成物を冷却し、水洗して
触媒及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下
FR−1と称する)を得た。この混合物をGPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー 東ソー(株)
製、HLC−8020 移動相テトラヒドロフランによ
り分析したところ、 ビス(ノニルフェニル)フェニル
フォスフェート(以下BNPPと称する)と、トリスノ
ニルフェニル フォスフェート(以下TNPPと称す
る)と、ノニルフェニル ジフェニル フォスフェート
(以下NPDPと称する)と、ノニルフェノールからな
り、重量比がそれぞれ77.8/11.3/8.4/
2.5であった。
【0139】また、置換基の炭素数の合計の平均は1
7.9であり、(18×0.778+27×0.113
+9×0.084=17.9)リン含有量は5.5重量
%である。
【0140】一方、上記芳香族リン酸エステル単量体混
合物(FR−1)を蒸留、さらに液体クロマトグラフィ
による分取分別により、BNPP、またはTNPPを得
た。
【0141】各種アルキル基置換芳香族リン酸エステ
ル単量体の製造 FR−1の製造において、市販のアルキルフェノールま
たは「ENCYCLOPEDIA OF CHEMIC
AL TECHNOLOGY」 ThirdEditi
on VOLUME 2 『ALKYLPHENOL
S』 p.72〜96 (A WILEY−INTER
SCIENCE PUBLICATION John
Wiley&Sons New York 1978)
記載の方法により得られた各種アルキルフェノールを用
いて、オキシ塩化リンとのモル比を制御することにより
各種アルキルフェノールを合成した。精製方法について
は、上記水洗、蒸留または液体クロマトグラフィーによ
る分取分別により行った。表3に各種アルキル基置換芳
香族リン酸エステル単量体を記載した。
【0142】実施例1〜16 比較例1〜3 表1〜2記載の還元粘度ηsp/Cの異なるHIPS、
PPEを用い、表1、2記載の組成比で混合し、サイド
フィード可能な二軸押出機(シリンダー内径D=40m
mΦ、L/D=46、メインフィード・第一供給用開口
部間のニーデイング部分の長さ:8.9D、先端部分・
第一供給用開口部間のニーデイング部分の長さ:12.
5D)を用い、溶融押出しを行なった。即ち、押出機前
段(メインフィード開口部から第一番目の供給用開口部
〔サイドフィーダー〕まで)でPPEを用いる場合はメ
インフィーダーからHIPS/PPEをフィードし30
0℃で溶融し、サイドフィーダーからTNPPをフィー
ドし230℃で溶融した。一方、PPEを用いない場合
は、押出機前段でHIPSを230℃で溶融し、サイド
フィーダーからTNPPを230℃でフィードし230
℃で溶融した。
【0143】このようにして得られたペレットを射出成
形機(日本製鋼製作所(株)製 型式JSW J100
EP)で、シリンダー温度230℃、金型温度60℃の
条件で試験片を作製し、難燃性、MFR、アイゾット衝
撃強度及びビカット軟化温度の評価を行なった。また、
上記ペレットの測定法の項に記載した方法で、せん断粘
度を測定した。その結果を表1、2、図2に記載した。
【0144】一方では、電子機器部品用射出成形機を用
いて、樹脂温度200℃で成形し図1記載の部品の樹脂
の充填状況を観察した。
【0145】
【表1】
【0146】
【表2】
【0147】表1、2によると、溶融温度200℃、せ
ん断速度1000sec~1のせん断溶融粘度が300
(Pa・s)を越えると、樹脂の充填が困難となること
が分かる。このような条件を満たす樹脂として特定の分
子量のHIPS,PPEを用いることが好ましい。とく
に、HIPSのηsp/Cが0.4〜0.6の範囲にあ
る場合は、流動性、衝撃強度、及び難燃性のバランス特
性が優れており、そして、PPEが存在すると、耐熱性
と流動性、衝撃強度のバランス特性が向上するが、特に
ゴム変性スチレン系樹脂に対して、PPEを15重量部
以下配合し、その還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6
である場合には流動性、耐熱性、衝撃強度及び難燃性の
バランス特性がさらに向上することが分かる。
【0148】参考例 表3記載の各種芳香族リン酸エステル単量体を熱重量天
秤試験法により、窒素気流下、250℃で5分間静置
し、残存量を求めた。その結果を表3に記載した。表3
によると、化合物全体として、置換基R1、R2、R3
の炭素数の合計が平均12以上では卓越した耐揮発性を
示すことが分かる。
【0149】
【表3】
【0150】実施例17〜27 実施例1において、最終樹脂組成物がHIPS−1/G
PPS/PPE−1/表4記載の芳香族リン酸エステル
=70/30/3/7/(重量比)となる組成物に変更
すること以外、実施例1と同様に製造し、評価を行っ
た。また、上記芳香族リン酸エステルを、熱重量天秤試
験法により、窒素気流下、40℃/分で昇温し、温度と
重量減少量の関係を求めた。表4にその結果を記載し
た。
【0151】
【表4】
【0152】
【発明の効果】本発明は、ハロゲン系難燃剤を含有しな
い流動性と耐熱性の優れた難燃スチレン系樹脂組成物を
用いた電子機器材料に関する。
【0153】本発明の電子機器材料は、VTR、分電
盤、テレビ、オーディオプレーヤー、コンデンサ、家庭
用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディ
スクプレイヤー、エアコンディショナー、加湿機、電気
温風機械等の家電ハウジング、シャーシまたは部品、C
D−ROMのメインフレーム(メカシャーシ)、プリン
ター、ファックス、PPC、CRT、ワープロ複写機、
電子式金銭登録機、オフィスコンピューターシステム、
フロッピーディスクドライブ、キーボード、タイプ、E
CR、電卓、トナーカートリッジ、電話等のOA機器ハ
ウジング、シャーシまたは部品、コネクタ、コイルボビ
ン、スイッチ、リレー、リレーソケット、LED、バリ
コン、ACアダップター、FBT高圧ボビン、FBTケ
ース、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュウムシャ
フト、モーター部品等の電子・電気材料あり、これら産
業界に果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形性評価の項で述べた直径3mmのゲート部
分を有し、厚み2.5mmの板に厚み1.2mm、高さ1
00mmのリブが接続した電子機器部品の一部を示して
いる。
【図2】実施例3、6及び比較例2の200℃におけ
る、せん断速度とせん断溶融粘度との関係を示した図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP C08L 71/12 LQP

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ASTM−D1525に規定するビカッ
    ト軟化温度が90〜150℃である非ハロゲン難燃スチ
    レン系樹脂を用いた電子機器材料において、上記樹脂の
    溶融温度200℃、せん断速度1000sec~1のせん
    断溶融粘度が1〜300(Pa・s)であることを特徴
    とする非ハロゲン難燃化電子機器材料。
  2. 【請求項2】 非ハロゲン難燃スチレン系樹脂が、
    (A)樹脂部分の還元粘度ηsp/Cが0.4〜0.6
    であるゴム変性スチレン系樹脂 100重量部、(B)
    下記式(1)で示される難燃剤 1〜100重量部、
    (C)還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6であるポリ
    フェニレンエーテル 1〜100重量部からなる請求項
    1記載の非ハロゲン難燃化電子機器材料。 【化1】 (式中、a、b、cは1から3、R1、R2、R3は水素
    または炭素数が1から30のアルキル基であり、化合物
    全体として、置換基R1、R2、R3の炭素数の合計が平
    均12から30である。ここで、異なった置換基を有す
    る、複数の芳香族リン酸エステルからなる場合には、上
    記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素数の合計は、数
    平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リン酸エステル成
    分の重量分率と、各成分の置換基の炭素数の合計との積
    の和である。)
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